いまや絶滅危機「回転展望レストラン」が京都に…日本唯一、57年間「回るフレンチ」は絶景ランチの穴場

東寺と新幹線のコラボレーションは、京都らしい風景として大人気。(2026年6月29日 リーガロイヤルホテル京都)
日本で唯一現存する「回転展望フレンチレストラン」が、京都駅から徒歩圏の場所にあることを、ご存じだろうか?昭和後期のピーク時には、全国に約50か所あった「回転展望レストラン」だが、現在その数は激減し、いまや「絶滅の危機」にある。そんな中、開業から57年、今も元気に回り続けているのが「リーガロイヤルホテル京都」(京都市下京区) の「フレンチダイニング トップ オブ キョウト」だ。

専用エレベーターで、ホテル最上階へ。スタッフに案内してもらい、レストランに足を踏み入れると、大きく開かれた窓に、明るい夏の空が広がる。「南側には東寺と新幹線が一緒に、さらに北側は西本願寺、東本願寺が…」。眼下に京都の街を360度ぐるりと見渡せ、京都の各名所を探し出すのも楽しい。

店内では、床面が360度ゆっくりと回転。約90分で1周する。コース料理を食べている間に、ちょうど景色が一周する設定となっているそう。自分は動かずとも、ゆったり優雅に食事をしながら、東西南北の各眺望をどれも楽しむことができる。

◆ ちょっとレトロで、逆に新鮮な魅力…57年回り続ける「現役回転展望レストラン」
1969年に同ホテルが「京都グランドホテル」として開業したと同時に誕生した「トップ オブ キョウト」。その後、回転用モーター、回転制御装置、ローラーなど、一部リニューアルをしているが、回転盤(床)、回転盤に付随するレールなど、構造物部分は、全て開業当初の姿のまま。

同時期に開業し、人気を博した全国の「回転レストラン」が、メンテナンスの技術面、コスト面などの問題で、次々に姿を消していく中、今でもバリバリ現役なのは頼もしい限り。同ホテルでは、年3回の定期点検や、回転音が著しい場合の緊急対応などを行い、開業以来、大切に受け継がれてきた。

同レストランマネージャー・山田ふみ子さんは、「フロアが回転する」という特殊なレストランでのサービスについて「回転式のフロアは、私たちスタッフにとっても特別な環境です。お席がゆっくりと移動していくため、テーブル番号だけでなく、景色やテーブル配置等を目印としながら、お客様のお席を認識できるようにしています」と、工夫を語る。

「朝食は、爽やかな光と静かな街並みを眺めながらゆっくりと。昼は、遠くまで見渡せる明るい景色が人気で、店内からお寺や新幹線、京都の街並みをお楽しみいただけます。夕焼けから夜景へと移り変わる時間帯は、特に人気。日没前後のわずかな時間、天候や回転位置が合えば、夕陽がゆっくりと山に沈んでいく瞬間をお楽しみいただけることも。その後に、神秘的な夕焼けの色合いが少しずつ変化し、街の灯りが浮かび上がる夜景へと移りゆく様子も素敵なんですよ」と、それぞれの時間で異なる景色を楽しめる。

また、「祇園祭」とともに、京都の夏を代表する伝統行事「五山の送り火」の鑑賞にも、同レストランはこれ以上ない「特等席」。毎年来店し、帰る際に翌年の予約をして帰る、長年の常連客も多いそう。また京都駅に出入りする新幹線はもちろん、在来線の電車もはっきりと見えるため、「鉄道好き」の人たちにも好評だという。

◆ 全席窓側、天空に浮かんだような絶景ランチ…気になるメニューは?
現在、ランチタイムには、明るい光に満たされた店内で、夏らしいコース料理が楽しめる。リーガロイヤルホテル「レストラン シャンボール」などを経て、海外でも研鑽を積んだ石橋敬太シェフが手がけるランチコースのうち、石橋シェフが「太陽が照りつける盛夏にふさわしい、爽やかで涼やかな味わいのコース」だと話す「トゥルネ」(6品にデザート、パン、小菓子と食後の飲み物)より、いくつかの料理を紹介する。

エディブルフラワーが添えられ、さわやかなビジュアルの「京地どりのショーフロワと甘海老のタルタル」は、石橋シェフの自信作。フランス料理の伝統的な技法「ショーフロワ」を用いて、低温で焼き上げた、山の幸・京地どりと、海の幸・甘海老を一皿で楽しめる。

白桃のやさしい甘みを感じる冷製パスタは、バジルオイルがアクセント。魚料理は、香ばしく焼き上げた上品な白身のヒゲソリダイを、白ワインのバターソースで。

メイン料理は、「仔牛肉のロティ 宮津の海藻クルートとスパイシーなジュ」。もずくをまとわせた仔牛を、夏らしい食欲をそそるスパイスの効いたマドラス風味のソースで。

デザートは「マンゴープリンとココナッツのソルベ」。白い皿には、青い空と白い雲が映り、まさに「天空のレストラン」にいることを実感しながら、コースの余韻を楽しめる。

今回紹介した9月6日までのコース「トゥルネ」は、ひとり10000円。そのほか、南仏・プロヴァンス地方の食文化に着想を得て、郷土料理「ラタトゥイユ」をテーマにした「マネージュ」(7000円)、花束に見立てた彩り前菜や、瞬間燻製による幻想的な煙の特別な演出がある「アニバーサリーランチ」(8096円 乾杯用グラスシャンパーニュ付)もある。

また、9月4日までは、「マネージュ」に乾杯用ドリンク、デザート1品プレゼント、個室料無料となるお得な「女子会プラン」(7,200円~9月4日、除外日8月10日~14日)の設定もあり。

◆ 訪れた際には、ここにも注目。絶景だけじゃない、実は…
窓の外の圧倒的な景色にどうしても目を奪われがちだが、実は、店内にはさまざまなアートが飾られたこだわりの空間。店内壁面の装飾の一部は、京都で約400年続く「雲母唐長」の唐紙師・トトアキヒコ氏の全域約34mの超大作アート作品だ。


また、窓際には、京都のゆるやかな山並みや、町家の屋根、池に映る太陽や月などにインスピレーションを受けた、木製のオブジェが。こちらは京都にてアートを学んだアーティスト・大河内久子氏の作品。

エレベーターホールには、回転や円を思わせる、金属工芸家・光本岳士氏の金属レリーフ作品「日月の輪」も。同店を訪れた際には、外の景色はもちろん、店内をいろいろな角度からぜひ楽しんで。

リーガロイヤルホテル京都14階、「フレンチダイニング トップ オブ キョウト」の営業時間は、朝食 7:30~10:00(ラストオーダー 9:30)、ランチ 12:00 ~15:30(ラストオーダー 14:00)、ディナー 17:00~21:30(ラストオーダー 20:00)不定休。料金は、朝食 4301円、ランチ6578円~、ディナー 13409円~。(クリスマス・年末年始など特別期間は料金が異なる場合があります)詳細は公式サイトで確認を。
取材・文・撮影/Lmaga.jp編集部
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