『Meets』編集部の余談。

ギョーザの古屋京都移転日記。第6回

2020.6.3 11:49

カテゴリ:コラム

1988年創業。
味噌ダレ自慢の神戸餃子といえば!な[餃子専門店 古屋]が、
コロナの影響がいよいよ全国へと波及し始めた3月末、
神戸・元町の店を閉めて、京都へ移転するというではないか。
奇しくもその頃、ミーツは『京都特集』の取材真っ直中。
そこで、店主・古屋泰三さんの京都引っ越し~開店までを追う、
酒と涙にまみれた、期間限定の来京日記。

書いた人=古屋泰三さん
[餃子専門店 古屋]店主。今春、元町の自店も塩屋の自宅もたたんで、勢いで憧れの地・京都へ。趣味はサーフィン。この連載と並行して、HPでもコラムを執筆中。
www.gyoza-furuya.com/index.html


 

5月1日(金)

まだまだ段ボールが山積みの1Kの新居。
さあ後片付けを始めようと思うが、つい近所を散策してしまう。
昼過ぎから後片付けのスイッチが入る。
そうこうしてるうちもう3時すぎ。
よくよく考えたら今日は金曜日や。
役所に行って住所変更せなGWが終わってからでは遅いと、
転入手続きをするために自転車で下京区役所へ。
大袈裟にいえば国籍変えた気分。


「先斗町の床が今日から始まった」とバッキーさんから連絡入り、
ユニクロで1,900円のグレーのジャケット購入し、床へ行く。
着くと、喜代ちゃんとその美魔女仲間達が女子会してた。
僕はその仲間に入れてもらい楽しい時間を過ごした。
それからバッキーさんと近くの[立ち飲みハッピー]で
矢沢永吉と中森明菜のYouTubeを見ながら2人で熱唱して、
9時ごろ帰宅。別れ際にバッキーさんが
「明日は梅湯のオーナーと乾杯しよう」と約束する。

5月3日(日)

天気は良くなかったが、バッキーさんが
「鴨川沿いを歩いたり走ったりが最高やねん」
と言っていたので、俺も8時から1時間ほどやってみた。
自宅から鴨川はすぐなので、
七条大橋を東に渡りそこから北へ走る。
日曜日のせいか、まあまあな人が走っていた。
鴨川沿いを走る。まるで京都市民やないか。
そんなことを思いながら走るが、
前から来る女性のオッパイしか見ていない。
たまにユサユサが来るだけで、あー走ってよかった。
賀茂大橋あたりまで行き、
川の大きな置き石をまたぎ西側へ移動してUターン。
それでも前から来るユサユサしか見てない俺がいる。
朝からゴキゲン。結局ユサユサ率は15%。
意外に少ないものやねんな。

それから家に必要なものを買おうと自転車を走らせたが、
途中で銭湯を見つけてしまい1時間ほど入浴。
それからニトリ、ABCマートで買い物を終え、
2階のステレオコーナーでミニコンポを見てたら、
別のコーナーに本気のステレオがあった。
DENON、マランツ、ダリ、オンキョー、テクニクス、JBL、パイオニア、ケンウッド。
そう言えばあの頃はミニコンポはなく、
これらのオーディオメーカーの広告が
月刊プレイボーイや雑誌ポパイを席巻していたのだ。
俺は懐かしくなり、そして欲しくなり店員さんを呼んで
10万円までで揃えたいのですが……と
いろいろ選んでもらい、本気で買おうとしているなう。

 夜食にカレーを作り、[サウナの梅湯]でもうひと風呂して1日が終わった。

5月4日(月)

バッキーさんから「おもろい人が先斗町で集まるから
きーへんか」とメールがあり、もちろん行く。
3時に[先斗町 百練]。

バッキーさんの将棋仲間4人が集まり、
1位から4位までを決めて、
社長、専務、部長、平との位を決める戦い。
俺は将棋があまり分からんから外野から観戦した。
奥には10人くらいの京都の夜のベテランチームが盛り上がっていた。
喜代ちゃんがさりげに俺をみんなに紹介してくれた。
どうやらこれがバッキーさんの気遣いか。
京都でお店するから顔売っとけ。
喜代ちゃんが
「この男前が神戸の店閉めて京都の裏寺で餃子屋しはるねん。
みんな行ったってな」。
こんな時期やからお店オープンしてもお客は100%来ない。
そんな折、こうやって地元の黒帯方に紹介してくれたら
どれほど心強いか。
将棋大会はバッキーさんがヒラになった。
「ホンマの遊び人はここで勝つようじゃ男やないんや」
とバッキーさん。奥が深いのか、なんやわからん。
それからもう一軒行くが、突然バッキーさん寝てもた。

俺はそっとして、[百練]に自転車を取りに行き
フレスコで白ワインを買って帰宅。皿うどんを作った。
感謝。ありがとう井上本部長!


◎ギョーザの古屋の記事はこちら
https://www.lmagazine.jp/meets/

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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