『Meets』編集部の余談。

今週末、飲みたいワイン。第14回

2020.9.11 17:00

カテゴリ:コラム

家飲みの日々が続くなか、偶然立ち寄った天満橋のワインショップ[salvis wine & records]で、お薦めのヴァンナチュール(自然派ワイン)の複雑な味わいに開眼。カタカナや専門用語が苦手な人でも楽しめる! 週末に飲みたい、小さな作り手による物語のあるワインを紹介します。


第14回

17世紀から受け継がれる、完全無農薬製法が復活。

『17 MACBeu / CLOT DE LES SOLERES』

今回はスペインのカタルーニャ地方の白ワインをご紹介します。

カタルーニャは温暖な地中海性気候で、この地方で造られるワインの約7割が白と泡。ペネデス地区の微発泡の白ワイン『カヴァ』がとくに有名です。

ワイナリー「Clot De Les Soleres(クロ・デ・レ・ソレレス)」は、バルセロナ空港から北東へ50km、ベネデス地区のピエラ村にあります。

森に囲まれた、なだらかな斜面にブドウ畑はある。

1888年、ピエラ村にも、ヨーロッパで猛威を振るった、ブドウの木を枯死させる害虫フィロキセラの被害が増大して大打撃を受けます。経済的な理由や、働き手の不足から畑は放置され、1970年〜80年代頃までワインの生産量は減少し続けていました。

畑は石灰や小石の多い、乾いた土壌。

その貴重なブドウや畑を、『カヴァ』を生産する企業が買い占めていく動きに危機感を覚えたカルレス・モーラ・フェレールさんは、大学で栽培醸造学を学んだ後、2000年、放置されたままの畑にブドウの木を植えました。

17世紀から先祖代々受け継がれてきた、完全無農薬の自然な造りが行われていた畑で、カルレスさんは伝統的なワイン造りを復活させることに成功。2008年には、「Clot De Les Soleres」の赤ワインが誕生しました。

素朴で優しい当主、カルレス・モーレ・フェレールさん。

畑は約2〜3haの森の中にあり、うち1haは家庭菜園のような状態。醸造には19世紀に建てられた小さな建造物を使用し、添加物を一切使わずに自然発酵させています。

なんと17世紀から使われているというセラー。

この『17 MACBeu(マカブー)』は、『カヴァ』にも使用されているブドウ品種「マカブー」100%で、個性的な質感と自然なブドウの程良い甘みが感じられます。熟したブドウの味わいや風味が滲むワインは、まさにカルレスさんが実現しようと目指している味なのです。

どんな味ですか?

「マカブー」は、別名「マカベオ」と呼ばれ、リオハなど別のエリアでは「ビウラ」という呼び名も。黄桃や南国系フルーツ、柑橘系など果実感たっぷりの品種です。こちらのワインは、微発泡で爽快感もあり、夏の疲れを癒やしてくれますよ。甘塩っぱい料理、例えばイチジクと生ハムや、スイートチリソースでいただく生春巻などにも合いそうですね。

飲んでみました。

連載初登場のスペイン産。スペインでナチュールワインといえば真っ先に挙がるのが、このカタルーニャ地方で、若きナチュール生産者が集まりつつあるエリアなのだそうです。桃の風味を感じる控えめな甘さが印象的なワイン。微発泡でフルーティな白は飲みやすく、よく冷やしておいて、明るいうちから飲み始めたいタイプです。

「輝きのある麦わら色」と表現される色合い。
コルクの名産地ですが、今回のワインは王冠です。

今週のワイン

マカヴー 2017

産地:スペイン・カタルーニャ

2,800円(税抜)


salvis wine & records
[天満橋]
大阪市北区天満3-3-18 順源ビル1F
TEL 06-6356-7072
12:00〜20:00 水曜休
Instagram(@salvis_wine

店主・野口一知さんがセレクトする小さな作り手のワインと、好きな音楽のレコードを扱う専門店。ワインはヨーロッパを中心に約200種を扱い、その約8割がナチュールワイン。知識ゼロでも、味の好みや飲む相手などを伝えれば、ぴったりのワインを教えてくれる。奥には隠し部屋的なバー空間があるのでぜひお尋ねを。全国発送可。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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