『Meets』編集部の余談。

演劇ユニット・大田王インタビュー

2020.9.6 20:36

カテゴリ:2020年10月号

笑いは消えちゃダメだから
俺らが大阪から始めますよ。


このコロナ禍で、一生に一度レベルの貴重な機会を失った人は少なくないだろう。

川下大洋+三上市朗+後藤ひろひとのユニット「大田王」も、結成27年目にして初の東京公演が、中止の憂き目に。だが「失われたものは笑いで取り返せ」とばかりに、早々に新作公演の実施が決定した!

「中止が決まってすぐ、大洋さんが劇場を押さえたけど、東京じゃなくて大阪。もうこうなったら“結局、大阪でしかできへんのかい!”と言われようって」(三上)

「祠から持ち出したら呪われる仏像のように、俺らが大阪の外に出たら何かが起こる(笑)。東京公演中止の精神的ダメージは大きかったけど、大阪が決まって、トラウマが一気に消えましたよ」(後藤)

今回は、映画『007』をパロった世界の中で、数本のコントを上演。しかも時代の波に乗って、初の有料配信も行う。
「『007』の新作も11月に延期になって“お先にどうぞ”というタイミングになったから、ちょうどいいかと」(川下)

「でも配信によって、もしとんでもなく儲かったら、(生の)舞台いらないんじゃ? と、思われるのが怖いね」(後藤)

「それは、USJをリモートで見るのと、実際に行くのとどっちがいい? という話と一緒だと思う。“これは劇場に行って観たい”と思わせる舞台を作っていくのが、我々の責任じゃないかな」(三上)

コロナが蔓延し始めた頃、最大の戦犯かつ「不要不急」の筆頭のように言われた、演劇を含めたライブエンターテインメント。その風潮をはね返すような舞台を作ると、かつてない意気込みを見せる。

「一番いらないと思われてるけど、世界から笑いを奪われるなんて、一番恐ろしいでしょ? 否定的な意見も出ると思うけど、誰かが始めないとね。しかも“こんな時に何やってんねん、お前ら!”と、怒られそうなものを作りたい(笑)」(後藤)

「無駄と思われる演劇の中でも、さらに無駄と言われそうなことをやりたくて、我々は大田王をやってきたから。“何やってんねん”の後、さらに“あ、ここまでやっていいんだ”と思われたいな」(川下)

まさにジェームズ・ボンドばりの、シビアな状況下で新作にのぞむ大田王。でも安心して! きっとこれまで通り、無駄だけど素敵な笑いの数々で、自粛で積もった心の垢を落としてくれるはずですよ。

取材・文/吉永美和子 写真/赤鹿麻耶
「MeetsRegional」2020年10月号より。


『大田王GOLD LICENCE TO KILL』

『007』の世界をベースに、正統派の笑いから、いろんな意味でアウト寄りなネタまで、多彩なコントを上演。「コロナ対策で、客席間を空けなきゃいけないことを利用した、すごいアイデアのコントも用意してます」(後藤)。  出演/大田王、久保田浩(遊気舎)、クスミヒデオ(赤犬) 、ボブ・マーサム(THE ROB CARLTON)他 10月15日(木)〜18日(日) ▶ABCホール 前売・当日4,500円(全席指定)、配信2,500円  TEL0570-550-100(チケットよしもと)

http://3daitaos.com/

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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