大阪・なんばの“愛され食堂”が一時閉店…芸人の聖地としても人気「何度もありがとうと言ってる」

11時間前

大阪・なんばの道具屋筋商店街近くにある「普通の食堂いわま」(Lmaga.jp撮影)

(写真6枚)

大阪・なんばの道具屋筋商店街近くに店を構える「普通の食堂 いわま」が5月31日をもって閉店する。お笑いの劇場や観光スポットからも近く、観光客や地元住民、そして多くの芸人から愛される同店だけに、SNS上では驚きの声も相次いでいる。

「悔しい気持ちもある」と正直な思いを吐露する店主の岩間大二さんに、これまでの思い出や今後の展開について訊いた。

■「普通の食堂」と名付けたのは、「自信がなかった」から

2011年にオープンした「普通の食堂 いわま」。1000円前後の良心的な価格でボリューム満点の定食が食べられる、物価高の昨今において庶民の味方ともいえる食堂として愛されてきた。

店主・岩間さんは、堺で食堂を営む家庭に育ったこともあり、長年飲食店で働いてきた。35歳で独立するにあたり、当初は日本橋付近で7〜8席程度の小バコ店で「カツ丼専門店」を作るつもりだったという岩間さん。「行列ができる店を作りたかったんですよ。そのくらいの規模なら、すぐに行列ができるかなと思って(笑)」と当時のことをユーモラスに振り返る。

「普通の食堂いわま」店内の様子。海外からの客も多いとか(Lmaga.jp撮影)
「普通の食堂いわま」店内の様子。海外からの客も多いとか(Lmaga.jp撮影)

結局、現在の店舗が予想外に広かったことから現在の食堂スタイルへと落ち着いた。気になる「普通の食堂」という店名の由来を尋ねてみると、「自信がなかったんですよ」と意外な回答が。

人気の「だし巻き定食」(1200円)。夏場は水なす、冬は粕汁など大阪らしいメニューも自慢(Lmaga.jp撮影)
人気の「だし巻き定食」(1200円)。夏場は水なす、冬は粕汁など大阪らしいメニューも(Lmaga.jp撮影)

「『~が一番おいしい』とか『日本一の~』みたいな自信がなかったから、嘘をつかない、普通のことを丁寧にきっちりするということをベースにしたかったんです。でもインパクトも欲しかったので、こういう名前にしました」としみじみ語った。

■ 新たな店舗を探すものの…今後の展開は?

笑いの殿堂・なんばグランド花月(通称NGK)やよしもと漫才劇場といった劇場から徒歩すぐという立地もあり、開店当初から数々の芸人たちが訪れる同店。壁一面にずらりとサインが飾られ、多くの芸人にとって憩いの場所であることがうかがえる。

壁には芸人のサインがずらり。今をときめく大スターも若手時代から通っているとか(Lmaga.jp撮影)
壁には芸人のサインがずらり。今をときめく大スターも若手時代から通っているとか(Lmaga.jp撮影)

実は岩間さん、「吉本新喜劇」の公演に登場した経験があり、あの「NGK」の舞台に2回立ったことがあるという。ほかにも大ファンである浜田省吾のサインを縁あってプレゼントされたり、目標だった「となりの人間国宝さん(※関西テレビの番組『よ~いドン!』のコーナー)」に認定されたりと、「いわま」を営んでいるからこそ経験できたことも多くあったと振り返る。

「普通の食堂いわま」店内に貼られた閉店のお知らせ(Lmaga.jp撮影)
「普通の食堂いわま」店内に貼られた閉店のお知らせ(Lmaga.jp撮影)

なんば界隈に根付いた食堂としてこれからも続けていくつもりだった岩間さんだが、物件の契約期間の関係で閉店を迫られることになった。このまま店を閉めるつもりはなく、いい物件を探してはいるものの、なかなか見つからないというのが現状だという。

食堂の仕込みや営業と並行しての物件探しは難しく、「ちょっと疲れました。15年間、土日の休みなく走り続けてきたので、『休んだ方がいい』ということなのかも」と弱音をこぼす岩間さんだが、Xの公式アカウントでポストした閉店報告に多くの反響があったことに元気をもらったと話す。

「普通の食堂いわま」の店主・岩間大二さん(Lmaga.jp撮影)
「普通の食堂いわま」の店主・岩間大二さん(Lmaga.jp撮影)

最後に岩間さんは、「僕は口下手であんまり喋らないけど、『ありがとう』は心の底から言っています。滑舌が悪いので聞こえてないかもしれないですが…。その後に心のなかでも『ありがとう』とも何度も言っているんです」とお客への感謝を強く語った。

「普通の食堂 いわま」の営業は5月31日の22時まで。今後の詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/つちだ四郎

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