『Meets』編集部の余談。

仏像を彫る。 十一刀目

2020.7.15 18:01

カテゴリ:コラム

寺好きが理由で、縁の無い奈良に住む編集Oが、
一から仏像を彫ってみる無謀な体験記。
小学生以来握る彫刻刀の扱いに悪戦苦闘、
「ホンマに彫れんのか?」と不安を抱きつつ、
家時間の過ごし方としての新趣味開拓を目指す。
いたって真面目に、仏像に向き合います。


十一刀目
顔の続き&ちょっと見仏。

なかなか進みが悪く、今回も顔の続きを。
「いつまで顔を彫ってんねん。」
と言われそうだが、自分でもそう思います。

前回辺りから顔っぽくなってきたなと、
なんとなく得意気だったのだが、
改めて参考書の表紙を見たら、

『仏像彫刻のすすめ』松久朋琳 著/日貿出版社

まったくの別物。。

頭の形は違えど、サイズは同じはずなのだが、
ここまで精巧に表情を彫る自信なし。

ここからの挽回は無理な気がする。。




・・・さて、現実逃避。
自宅から散歩気分で[新薬師寺]に。

ここは奈良〜平安時代作とされる、
等身サイズの十二神将立像が有名で、
本堂と、御本尊の薬師如来坐像と共に、
国宝に指定されている。
建物も仏像もとにかくカッコイイ。

本尊の薬師如来は木像なのだが、
十二神将は「塑像」の代表的作品だ。

塑像(造)とは、木で骨組みの芯をつくり、
そこに粘土をまいて形成していく。
素人考えでは木像よりつくりやすそうな気が。

ちなみに仏像は大きく分けると、
・木造
・塑造
・金銅仏
・石仏
・乾漆造
がある。

乾漆造は粘土や木で概形をつくったものに、
麻布を張り、漆を塗って形成していく技法。
完成後に中身の芯を抜く「脱活乾漆造」と、
木の芯をそのまま残す「木心乾漆造」がある。

塑造や乾漆造は平安以降は作例が激減し、
以降は木造が中心となっていく。

木造は引き算、塑造や乾漆造は足し算。

個人的には足し算の方が得意な気がするので、
いつか塑造にもチャレンジしてみよう。

いつになることやら。


◎過去の記事は
仏像を彫る。 十刀目
仏像を彫る。 九刀目
仏像を彫る。 八刀目
仏像を彫る。 七刀目
仏像を彫る。 六刀目
仏像を彫る。 五刀目
仏像を彫る。 四刀目
仏像を彫る。 三刀目
仏像を彫る。 二刀目
仏像を彫る。 一刀目

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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