「踊り助平」たちが万博に…超参加型・郡上おどりで岐阜県の日開幕

「郡上おどり」を踊る来場者たち。郡上では踊り好きで熱心な人を「踊り助平」と言い、ある種の尊敬の念も含まれている(6月9日/大阪・関西万博 撮影:Lmaga.jp編集部)
『大阪・関西万博』は世界各国の文化だけでなく、日本各地の文化を知るチャンスでもある。6月9日から2日間、万博会場では『岐阜県の日』を開催。岐阜県出身の記者が、観客参加型の注目のイベント『郡上踊!』を体験。輪踊りの中に入って、実際に踊ってみた。
■「郡上おどりは、見る踊りではありません」演者も客も一体化!


会場のEXPOホール「シャインハット」にて、2日間でのべ500人の岐阜県民が各地の舞踊や「地歌舞伎」の演目など、多彩な公演・実演を披露する同企画。
初日に3回開催された「郡上おどり」は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている日本三大盆踊りのひとつ。7月上旬から30夜以上にわたって開催され、なかでもお盆4日間に明け方まで踊り続ける「徹夜おどり」は全国から多くの人々が訪れる伝統行事だ。


会場に入ると、浴衣姿やミャクミャクにちなんだ愛らしい衣装の観客がちらほら。まずはステージで「郡上おどり保存会」約50人らが代表的な踊りを披露。記者が小学校のイベントで習った『かわさき』『春駒』も流れた。こちらの代表的な2曲は、岐阜県に縁のある人なら盆踊りで一度は耳にしたことがあるのでは!? 客席の来場者たちの中には、早くも座ったままで、手の振りなどを確認し、やる気満々の人も。

その後は、10曲ある「郡上おどり」の中でも軽快なリズムと威勢のよい踊りが印象的な『春駒』の振りがレクチャーされ、「足は石ころを蹴るように前へ!」と分かりやすい解説が続く。いよいよ曲が流れると、ステージ下にも踊り手が現われ、来場者も続々と輪に参加していった。

保存会の山田忠平会長の「430年以上踊り続けた歴史があり、岐阜県の宝であります。郡上おどりは、見る踊りではありません。参加型の踊りであります! ぜひみなさんも一緒に」の言葉に背中を押され、記者も勇気を出してみる。小学生以来となる振りを思い出しながら、輪に入って必死に踊ると・・・。

同じ振りがすぐ繰り返されるので、見よう見まねで周りに合わせていけば大丈夫。記者のように慣れない人も、なんとか踊りの輪についていくことができた。最終的には、ホールの中央で老若男女100人以上が踊りを楽しみ、大阪ながら郡上のお盆が再現された、熱気あふれる空間となった。

岐阜・養老郡から訪れたという男女2人組の来場者は「『春駒』は地元の盆踊りでも踊っていましたが、まさか万博で踊れるとは! 最高ですね。今日はお客さんとして来ましたが、出会う人に、地元の魅力も伝えていけたら」と笑顔がこぼれた。
■岐阜県の魅力を「距離感ゼロで発信」
ほかにも、岐阜県の歳時記を実演と映像で紹介していくプログラムでは、恵那の「まつり太鼓」(恵那市)、「龍神火まつり」(下呂市)など、迫力あるパフォーマンスが続々。

1300年以上の歴史がある「長良川の鵜飼」実演では、宮内庁式部職・鵜匠が水槽で2羽の鵜を操り、鮎を捕獲する伝統漁法を披露。実際の鵜飼では見れない水中での鵜の動き、鵜匠が鵜の口から鮎を出させる迫力ある手さばきに「おお!」という、どよめきに近い歓声や大きな拍手が送られた。


企画担当の岐阜県観光文化スポーツ部・佐々木寿志さんは「郡上おどりは、夏になると踊りたくてウズウズする人が多く、そんなおどり大好きな人を「踊り助平」と呼びます。家族三代で踊る人も多い。今日も大勢の方が参加してくれて嬉しい。ベーシックな振りだからこそ、みなさん小さな所でオリジナリティを出している印象ですね。この2日間、飛騨・美濃の各地域の方々が生の場で魅力を伝えてくれるので、国内外のお客さんに距離感ゼロの肌感覚で受け止めてもらえれば」と話す。


会場内では、岐阜県が誇るグルメや工芸品が販売され、2024年から岐阜県が取り組む、各自に合わせたおすすめのスポット・文化をアドバイスしてもらえる「文化的処方」コーナーも設置。
6月10日の公演プログラムは『郡上踊!Borderless!BON DANCE』(11時~/16時~)ほか、「地歌舞伎」、関市の日本刀企画なども実施される。いずれも場所は、EXPOホール「シャインハット」にて。

取材・文・写真/塩屋薫
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