A.B.C-Z戸塚祥太が「無気力な非・愛妻家」に、共通点は?

2022.10.25 20:15

舞台『今度は愛妻家』に出演する「A.B.C-Z」の戸塚祥太(25日・大阪市内)

(写真3枚)

ジャニーズ「A.B.C-Z」の戸塚祥太が、映画化もされた中谷まゆみ作の戯曲『今度は愛妻家』に出演。無職状態の夫と、彼との子作りをあせる妻を中心に、いとしい人間模様が描かれる作品だ。10月26日~30日の大阪公演の直前に、記者会見が大阪市内でおこなわれた。

■ 「人間のピークじゃないとき」を描いた作品

戸塚が演じるのは、かつては売れっ子だったけど、ある出来事をきっかけに、一切働かなくなったカメラマン・北見。決して愛妻家ではなく、人生後ろ向きなままのダメ男だが、戸塚は本作のユニークな点として「人間のピークじゃないときを描いていること」だと語る。

「だいたい物語になるのって、その人物の劇的な瞬間とか、なにかに向かって突き進んでいる姿なんですけど、北見は売れっ子だった頃ではなく、ピークを過ぎたところが描かれているんです。それは今まで、自分が演じてきた人物とは違いますね」と分析。

さらに「人間は前に進まなくても別にいいし、なにが大事って、極端に言うと生きていればいいよという話です。いつでも前に進めるし、でも別に無理して進む必要もない・・・ということが伝われば」という抱負を語った。

■ 「そんな人間じゃないので安心してほしい(笑)」

とはいえ北見には、共感できる部分もあるけど「僕的には『?』と思う」という点も、多々あるそう。「無気力になったのには理由があるんですけど、自分も同じ状況になったら、空っぽになっちゃうのかなあと想像しています。ただ奥さんが旅行の相談をしたときに『俺のメシはどうすんだよ?』って言うのは、どうやったらそういう回路になるんだ!と」と苦言を。

「イクメン」への強い憧れを話す「A.B.C-Z」の戸塚祥太(25日・大阪市内)

その上で「実際の僕は、家事は協力してやるものだと思うし、そんな人間じゃないので安心してほしいです(笑)。でも、絶対この先も言えないだろう言葉を、舞台の上で言えるので、すごく楽しんでやらせてもらってます」と、共感できない人間を演じる面白さも明かした。

また大阪は、ジャニーズJr.時代からしばしば訪れて、思い出が多い街だそう。「散歩したり、好きなカレー屋に行きたい」と期待をしつつ「この作品で、観ている人の心の骨折がちょっとでも癒えてほしい」という想いも抱いている。

「お客さまと物語がシンクロする部分が、ほかの作品より大きいと思うんです。観てくれた人それぞれが持ち帰る部分があるし、自分で自分を抱きしめてあげる手助けができたら。思い出の地で、いろんな人間のいとしさが詰まった作品ができる幸せをかみしめながら、この物語をお客さんに届けたいです」と決意を見せていた。

戸塚のほかには、三倉佳奈、黒沢ともよ、浦陸斗(AmBitious/関西ジャニーズJr.)、渡辺徹が出演。会場は「COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール」(大阪市中央区)にて。チケットは9500円で、当日券は全公演で発売予定。26日は終演後に、演出の板垣恭一らによるアフタートークが予定されている。

取材・文/吉永美和子

舞台『今度は愛妻家』

会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(大阪府大阪市中央区大阪城3-6)
期間:10月26日(水)〜30日(日)
料金:9500円(当日券あり)

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