関西の映画ファンが選ぶ、2020年度のベスト10は?

2021.2.12 21:15

大阪の新聞記者・阿久津英士を演じる小栗旬と、京都でテイラーを営む曽根俊也を演じる星野源。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会

(写真8枚)

恒例行事『おおさかシネマフェスティバル』が、関西の映画ファンが選ぶベスト10及び個人賞を発表。日本映画1位は土井裕泰監督の『罪の声』、外国映画の1位はポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』となった。

1976年から続く同フェスの選考員は、年間200本以上の作品を鑑賞した会社員やプロの評論家も含む、関西在住の映画ファン。今年は新型コロナウイルスの影響を受けて、前年度よりも10人減の26人で選出した。

また、例年であれば、表彰式と記念上映会をおこない結果を発表してきたが、緊急事態宣言中とあって3月に予定していたイベントは中止に。そのため今年は発表のみに。

「シネフェスの目的は受賞者の映画人と観客である映画ファンが大阪の会場でにぎやかにスキンシップの場を持つこと。毎年、浜村淳さんの絶好調の話術で会場が笑いと熱気に包まれるイベントになっていますが、昨年に続いて2年連続イベント開催中止に至ったのは悔しい限りです」と同フェスの担当者。

小栗旬、星野源が主演する『罪の声』は、「関西圏で起きた事件の映画化で関西の映画ファンに身近な内容と同時に、社会派でエンタメ要素が強く面白く見られた作品で選考委員の票をまんべんなく集めました」という理由から1位に。また外国映画の1位は、第92回アカデミー賞で4つのオスカーを獲得した『パラサイト 半地下の家族』となっている。

岸部一徳、桃井かおり、石橋蓮司、大楠道代ら錚々たる俳優が出演する『一度も撃ってません』。(C)2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ

個人賞は、選考員の票を基にシネフェス実行委員会メンバー7名による合議制で決定され、坂本順次監督、石橋蓮司主演の『一度も撃ってません』は監督賞・脚本賞・主演男優賞の3冠となり、熟練のエンタメ作家と俳優陣による「究極の娯楽映画作品」という評価を得たという。

また、奇しくも日本映画に関しては、関西を舞台とした作品や、出身俳優が多いのも今回の特徴。名バイプレイヤーの宇野祥平(罪の声)、大阪出身の料理人役を演じた松本穂香(みをつくし料理帖)、井筒和幸監督の8年ぶりの新作に出演した柳ゆり菜(無頼)、南河内を舞台にした映画で主演した井頭愛海(鬼ガール!!)、監督と脚本をともに手がけた新人の細川岳(佐々木、イン、マイマイン)は大阪出身だ。

《2020年度日本映画ベスト10》

.罪の声

2.スパイの妻<劇場版>

3.海辺の映画館ーキネマの玉手箱

4.アンダードッグ

5.37セカンズ

6.朝が来る

7.浅田家!

8.一度も撃ってません

9.本気のしるし 劇場版

10.ミッドナイトスワン

《2020年度外国映画ベスト10》

1.パラサイト 半地下の家族

2.異端の鳥

3.TENET テネット

3.ジョジョ・ラビット

5.燃ゆる女の肖像

6.ストーリー・オブ・マイライフ/ わたしの若草物語

7.フォード vs フェラーリ

8.はちどり

9.1917 命をかけた伝令

10.ハッピー・オールド・イヤー

10.リチャード・ジュエル

《2020年度・個人賞・日本映画》

主演男優賞 石橋蓮司「一度も撃ってません」

主演女優賞 松本穂香「みをつくし料理帖」「君が世界のはじまり」

助演男優賞 宇野祥平「罪の声」

助演女優賞 柳ゆり菜「無頼」

新人男優賞 細川岳「佐々木、イン、マイマイン」

新人女優賞 井頭愛海「鬼ガール!!」、服部樹咲「ミッドナイトスワン」

監督賞 阪本順治「一度も撃ってません」

脚本賞 丸山昇一「一度も撃ってません」

撮影賞 河瀨直美・月永雄大・榊原直記 「朝が来る」

音楽賞 長岡亮介「スパイの妻〈劇場版〉」

新人監督賞 HIKARI「37セカンズ」

ワイルドバンチ賞 「ひとくず」
特別功労賞 大林宣彦、渡哲也

《2020年度・個人賞・外国映画》

監督賞 ヴァーツラフ・マルホウル 「異端の鳥」

主演男優賞 ソン・ガンホ「パラサイト 半地下の家族」

主演女優賞 ダコタ・ジョンソン「ネクスト・ドリーム」

助演男優賞 サム・ロックウエル「リチャード・ジュエル」

助演女優賞 フローレンス・ピュー「ストーリー・オブ・マイライフ」

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