日本初のマサラ上映から約20年…原点の2人が集った映画館

2020.2.27 09:00

紙吹雪が舞う『ペーッタ』マサラ上映後の記念撮影(22日・布施ラインシネマ)

(写真14枚)

忘れてはならない、マサラ上映の根底にある思い

上映がはじまり、大スクリーンのなかでフェロモンたっぷりなラジニ様がウィンクを披露すると、観客からは紙吹雪が撒かれたり、銃声の音と同時にクラッカーが鳴ったり・・・と、3時間はあっという間に過ぎた。ラジニ様への愛の分だけ、会場は紙吹雪とクラッカーの残骸でいっぱいになった。

安田さんは「今日は本当にいい上映会でした。タミルから来た方々も、シャイな日本人が自国の映画で盛り上がっていたことに非常に喜んでいたようです。この上映会も、あの日掛谷さんが許可してくれなければ、無かったこと。感謝を伝えたいです」と感慨深く話す。

「布施ラインシネマ」

掛谷さんは、「最初は実際に見てみないと分からないなと思って許可しましたが、『わっ、なんじゃこりゃ!』となりました。劇場は紙吹雪だらけになるし参ったなぁと思いましたが(笑)。その後、どんどんマサラ上映は増えましたが、派生しすぎじゃないかな・・・と少し懐疑的な部分はありますね。本場のマサラ上映を始めた人たちの想いを忘れずにいてくれたらなと思います」と呼びかける。

左から安田英俊さん、掛谷嘉昭シニアマネージャー

マサラ上映は、ラジニ様ら俳優や作品への愛、リスペクトが前提にある。そしてインド映画の普及を願い、日本人に受け入れられやすい形を考案して行動した人がいて、その形を許可した勇気ある支配人がいたことを、忘れてはならない。今後もこの思いがほかの映画館でも受け継がれることを願うばかりだ。

「布施ラインシネマ」では29日まで、開業からの87年間にちなんで87本の名作を上映する「ラストショー」が開催中(1000円均一、『ドラえもん のび太の宝島』は500円)。

取材・文/小田切萌

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