市川團子、京都で自主公演「歌舞伎は“感動を超えた感動”がある」戦友・市川染五郎も

9時間前

『市川團子 新翔 春秋会』の会見に登場した市川團子(7月13日・京都市内)

(写真5枚)

今もっとも注目を集める歌舞伎俳優の一人で、大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)にも信長の小姓・森乱役で出演した五代目市川團子。「京都芸術大学 春秋座」(京都市左京区)で毎年開催されている『市川團子 新翔 春秋会』が今年も開催されることに。

7月13日に「春秋座」で團子の会見がおこなわれ、歌舞伎の魅力や、共演の市川染五郎の思いについて語った。

■ 立役で『鷺娘』に挑戦、「性を超える女方」に魅力

團子が研鑽を積む場として、立役ながらも女方の舞踊に挑戦するなど、あえて実験的な演目に挑戦しているのが「春秋会」の特徴だ。

今年は荒事の代表的なキャラクター「曽我五郎」を初めて演じる『正札附根元草摺』、映画『国宝』にも登場した『鷺娘』、恋に敗れて亡霊となった男・善知鳥安方を演じる『善知鳥(うとう)〜紅葉傘絲錦色木〜』の3本を上演する。

「曽我五郎は荒事の基礎と言っても過言ではない」と、新たな挑戦となる演目への思いを語った市川團子
「曽我五郎は荒事の基礎と言っても過言ではない」と、新たな挑戦となる演目への思いを語った市川團子(7月13日・京都市内)

「曽我五郎は荒事の基礎と言っても過言ではなく、若いうちに経験した方が良いと思いました。『鷺娘』はあまり立役の方がされるのを見ないのですが、性を超える女方は歌舞伎の様式美やデフォルメの最たるもの。近年ではあまりされていないという演出も加えて、ちょっと変わった工夫をさせていただこうと思います」と意欲を見せる。

■「言いたいことを素直に言い合える」市川染五郎は”戦友”

また、祖父・市川猿翁が1975年に復活上演した古典作品を、なんと51年ぶりに衣裳・大道具を入れて上演する『善知鳥』では、「戦友」と呼ぶ市川染五郎が、善知鳥の恋敵・八幡太郎義家役で出演することに。

「戦友」と呼ぶ市川染五郎との共演について、「負けないようにしたい」とライバル心ものぞかせた市川團子(7月13日・京都市内)
「戦友」と呼ぶ市川染五郎との共演について、「負けないようにしたい」とライバル心ものぞかせた市川團子(7月13日・京都市内)

「義家はシュッとしていてカッコいいので、やってもらいたいと思いました。染五郎さんとはお互いに、言いたいことを素直に言い合える、非常に貴重な存在。すごい熱量をぶつけてくださると思うので、こちらも負けないようにしたいです」とライバル心を垣間見せる。

■ 「リアルを超えたリアルがある」團子が語る歌舞伎の魅力

大学が運営する劇場ということで、初めて歌舞伎を観る学生の観客が多いのが、この会の一つの特色。前述の『国宝』で興味を持つ人が増えたとはいえ、まだまだ敷居の高さを感じる人が多い歌舞伎の魅力を、團子は「リアルを超えたリアル、感動を超えた感動がある」と熱く語る。

「リアルを超えたリアル、感動を超えた感動がある」と、歌舞伎ならではの魅力を熱弁した市川團子(7月13日・京都市内)
「リアルを超えたリアル、感動を超えた感動がある」と、歌舞伎ならではの魅力を熱弁した市川團子(7月13日・京都市内)

「たとえば『正札附根元草摺』は、出ていこうとする男を女性が止めるという、1〜2分で終わってしまいそうなことを、美しい動きや台詞術を使って10分以上は見せて、感動する部分をどんどん増幅させるんです。

それによってより感情が伝わったり、面白さを引き延ばすことができるという強みがある。リアルじゃないことをしているけど、それがリアルを超えて来ることがあるというのが、歌舞伎の魅力だと思っています」と解説。

さらに、その“デフォルメの楽しさ”をより感じるために「映画などを観るときはネタバレを避けると思いますが、歌舞伎はあらすじを先に知っていていいんです。お話がわかるという壁を超えることによって、いっそう様式美というものが自分の感性に届くことになると思います」と、鑑賞のコツも伝授してくれた。

「昨年よりも成長した姿を見せたい」と、10月の『市川團子 新翔 春秋会』への意気込みを語った市川團子(7月13日・京都市内)
「昨年よりも成長した姿を見せたい」と、10月の『市川團子 新翔 春秋会』への意気込みを語った市川團子(7月13日・京都市内)

「春秋会を始めて3年となり、まだ悔しいことが多いけど、それを今後に活かしていこうと。昨年よりも成長した姿が見せられるよう、とにかくクオリティの高いものをお見せしたいと思います」と意気込みを見せた。

公演は10月16日〜18日で、團子と染五郎以外には市川笑也、市川猿紫も出演する。チケットは1等席1万2000円、2等席1万500円、3等席6000円で、7月22日から発売開始。

取材・文・写真/吉永美和子

『市川團子 新翔 春秋会』

日程:2026年10月16日(金)〜18日(日)
会場:京都芸術大学 春秋座(京都市左京区北白川瓜生山2-116)
出演:市川團子、市川染五郎、市川笑也、市川猿紫 ほか
料金:1等席12000円、2等席10500円、3等席6000円

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