運賃タダの自動走行モビリティ、神戸の港エリアで実証実験

2022.11.17 07:45

自動運転で時速3.5〜4kmで決められたルートを行き来する「iino」(写真はtype-S1300/16日・神戸市)

(写真8枚)

「関西電力」の子会社である「ゲキダンイイノ」(本社:大阪市北区)による、最大時速5kmで走行する自動モビリティ『iino(イーノ)』の実証実験が、神戸の港エリアで11月17日から4日間おこなわれる。

■ 運賃タダ、好きなときに乗り降りできる「iino」

今年6月、「メリケンパーク」内で同モビリティの導入による回遊性と滞在性の向上、また走行の安全性についての検証を実施。2度目の実証実験となる今回は、神戸ウォーターフロントの回遊性と滞在性、さらには収益性など事業調査の観点も踏まえての観測がおこなわれる。

同モビリティが走行するのは、「モザイク」横の埠頭付近のエリア。400mほどの距離を時速3.5〜4kmで走行し、モザイク横から対岸にある埠頭を行き来する。運賃は0円で期間中は誰でも利用でき、好きなときに乗り降りできる。

乗りたいときに「iino」に近づくと、少し速度が落ちて乗りやすくなる(写真はtype-S1300/16日・神戸市)

乗りたいときに近づくとセンサーが反応し、速度を自動で落としてくれるので、スムーズに乗車が可能。また降りたいときも、足元にある「SLOW DOWN」と書かれたラインを踏むことで、センサーが反応して速度が落ちるため、サッと降りることができる。

同モビリティの運営をおこなう「iino」の座長・嶋田悠介さんは、「人は600m、徒歩10分を超えると徒歩以外の移動手段を考えるという実験の結果が出ているそうです。この神戸の港エリアも、モザイクやumieで完結してしまうことが多く、それ以外の場所にはなかなか足を伸ばしてもらえない。そういったときにこの『iino』が役に立てば」と話す。

■ 時速5kmの乗り心地は? 実際に体験してみた

最大時速5kmと早歩きくらいの速度のため、「歩いたらいいのでは?」と思っていたのだが、実際に乗ってみると想像以上に早く、歩くよりもずっと楽で快適に感じた。また、神戸の港の景色を360度存分に堪能でき、同モビリティに乗っているからこそ楽しめたように思う。

取材した16日の午前、多くの人が同モビリティに釘付けに。友人と遊びに訪れていたシニア女性は、「なんでも自動になっていくんやねえ。これ乗れるの?」と、興味津々の様子で同モビリティを眺めていた。

「iino」を使ったポップコーンの無人販売も(16日・神戸市)

実証実験の期間は11月17日〜20日の4日間。17日・20日は朝10時〜夕方6時、18日・19日は昼12時〜夜8時。同期間中、エリア内ではホットドッグやスープなどフード、また神戸の地ビールやホットワインなどドリンクの販売もおこなわれる。

さらに18〜20日の昼3〜4時ごろには、「メリケンパーク」にて同モビリティを使ったポップコーンの無人販売も。場所は神戸市中央区中突堤西緑地、メリケンパーク。雨天中止。

取材・文・写真/野村真帆

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