約10年ぶり…ゴッホの代表作「跳ね橋」が大阪に、印象派作品は70点!“夏休み向け”の展示も

『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵』、「あべのハルカス美術館」にて7月4日~9月9日まで開催
印象派とその前後の名画が集結した展覧会『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵』が、7月4日から「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で開催中。日本でも絶大な人気を誇るフィンセント・ファン・ゴッホの代表作は、約10年ぶりの来日となる。
同展では、中世からポスト印象派における有数の絵画コレクションを所蔵するドイツの「ヴァルラフ=リヒャルツ美術館」から、42名の画家による70点を展示。夏休みに向け、通常の作品解説に加え、所々に大きめ字体の解説パネルもあるので、「『印象派』の呼称は皮肉」「ポスト印象派と新印象派は違う」など、子どもはもちろん大人にもうれしい豆知識が満載だ。

■ 見どころ① ゴッホ2作品は、まるで別人の絵?
「印象派前」から「20世紀の色彩画家」まで、6章から成る本展の中盤「ポスト印象派」には、注目のゴッホ作品2点が登場。オランダ期に、逆光をダークな色調で描いた『ニューネンの農家』は、力強い厚塗りで農民の暮らしを思わせる重みのある印象。だが3年後(1888年)の『跳ね橋』には、南仏・アルルの陽光な風景が広がり、印象派から影響を受けた緑や黄色の鮮やかな色彩はゴッホ黄金期の象徴となっている。

この橋の油彩は約3カ月で5点描かれ、今回の最後の作品は、色味に高揚感があり、人物が多めの初作よりも、空が広い遠目からの落ち着きある構図。ちなみに、初作は2027年2月6日から神戸で開催される『大ゴッホ展』へ来日予定なので、見比べもお薦めだとか。

「あべのハルカス美術館」学芸員の新谷式子さんは「浮世絵に刺激されたゴッホにとって、理想郷は日本。来日は困難だったので、その代わりに明るい光を求めて訪れたのがアルルでした」と話す。
■ 見どころ② 印象派の「前後」も奥深い!
印象派の前後を知ることで、「近代絵画の系譜」や「巨匠たちの名作」を深掘りできるのが同展の醍醐味。1874年に最初の展覧会を開いた印象派といえば、歴史や神話が主題のフランス古典主義から脱し、自然の光や色を見えるままに描こうとした表現で知られるが、その傾向は19世紀前半に台頭してきた戸外で描く風景画から。

前半は、印象派を代表するクロード・モネに戸外制作を勧めた海洋画家ウジェーヌ・ブーダンの海景をはじめ、農村や森などを写実的に描いた「バルビゾン派」らの身近な風景作品が充実。大胆な構図やモチーフで伝統をゆるがす挑戦を続け、印象派の先駆者であるエドゥアール・マネによる、荒いタッチの静物画『アスパラガスの束』の独特な存在感にも注目したい。

後半は印象派を受けつつ、画家の心情など「見えないもの」の表現も模索したポール・セザンヌ、ポール・ゴーガンらの「ポスト印象派」、より明るい表現を求めて色彩を科学的に分析し、細かく散りばめたジョルジュ・スーラらの「点描派(新印象派)」といった近代絵画の多様化を辿れるラインアップに。

これらを「印象派」のピサロ、モネ、ルノワールらの作品と一度に鑑賞できる同展。新谷さんは「知っている画家でも『こんなの描いてたの?』という発見があるのでは。ゴッホなど天才画家は突然現われた訳ではなく、この大きな流れで相互に影響し合っていた事が分かってもらえると思います」と呼びかける。

展覧会は〜9月9日まで(休館日あり)。営業時間は10時~20時(月・土・日・祝10時~18時、入場は閉館の30分前まで)。料金は一般2100円ほか。詳細は公式サイトにて。

◇
『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵』
期間:2026年7月4日(土)~9月9日(水)※休館日:7月6日(月)
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
時間:10:00~20:00(月・土・日・祝10:00~18:00、入場は閉館の30分前まで)
料金:一般2100円、大高生1700円、中小生500円
取材・文・撮影/塩屋薫
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