100周年「宝塚ホテル」受け継がれる洋食の伝統…名物ソース「フォアグラ丼」食べ放題ビュッフェも

2時間前

「宝塚ホテル」には、旧ホテルの宴会場「シルバー」から移設された、2連のゴージャスなシャンデリアが。シャンデリアの向こうに見えるのは、夢白あやさん、水美舞斗さんがホテルで開催したディナーショーで着用したお衣装(2026年5月14日/ Lmaga.jp編集部撮影)

(写真14枚)

2026年5月に100周年を迎えた「宝塚ホテル」(兵庫県宝塚市)。阪急阪神東宝グループの創始者である小林一三氏の構想により、宝塚歌劇や温泉を楽しむ観光客向けの西洋式ホテルとして誕生し、地元の人たちや宝塚歌劇ファンを中心に愛され続けてきた。

クラシックホテルならではの雰囲気満点だった「宝塚南口駅」前の旧宝塚ホテルの内観。なかでもアーチ型の窓が印象的(2019年11月/Lmaga.jp編集部撮影)

2020年には阪急電鉄「宝塚南口駅」前の立地から「宝塚大劇場」の西隣に移転開業。その後も、旧ホテルの特徴だったクラシカルな建築意匠をはじめ、洋画家・小磯良平氏による緞帳「騎士の門出」、ロビーで輝くシャンデリアなどが、ホテル館内で今も大切に受け継がれている。

「花のみち」に面したホテル外観。植物モチーフのレリーフが施された切妻屋根やアーチ形の窓は旧ホテルと同様に宝塚ホテルのシンボル。春には桜との共演も楽しめる
「花のみち」に面した現在の「宝塚ホテル」外観。植物モチーフのレリーフが施された切妻屋根やアーチ形の窓は旧ホテルと同様に宝塚ホテルのシンボル。春には桜との共演も楽しめる(2026年4月/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

現在ホテルは、100周年の装飾や特別イベントで盛り上がりを見せている。なかでも、さらなる「夢のつづき」を提供したい、という想いから企画された宝塚歌劇の「千秋楽」と「前楽」公演の最前列チケットがついた特別な宿泊プラン『夢のつづき 100 周年スイートステイ ~あなただけの至高の3日間~』は、40万円の高額にもかかわらず、2組の募集枠に約1700組の応募があったそう。

赤い絨毯の階段を背景に、宝塚歌劇オーケストラがクラシックの定番から、ディズニー、ジブリ、宝塚歌劇メドレーまで幅広く演奏(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

◆ 当時のディナーは2.50円!当時の最先端「モダーン」なレストランメニュー

大切に受け継がれてきたのは、「食」についても同様。これまでの歴代シェフにより、ホテルの伝統は繋がれてきた。さまざまな特別企画で盛り上がる「宝塚ホテル」の「食」を取材した。

1926年開業当時の広告を館内エレベーターに展示。白黒ながらモダンな雰囲気を感じさせる。外国のリゾート地を思わせる本格的な西洋式ホテルで、当時まだ数なかった洋食を提供する場所でもあった(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

「宝塚ホテル」が開業した1926年(大正15年)のレストランのメニューを、館内に飾られた当時の広告から、読み取ることができる。ディナーコースのメニューは「オールドブル」からはじまり、最後の「コーヒー、チー」まで16種。

「Roast Veal with Brown Potatoes」の記載があり、仔牛のローストに、揚げたじゃがいもを添えたメニューがメイン料理だったようだ。コースの金額は、なんと2.50円。まだ日本では、フランス料理が珍しかった大正時代に、当時の最先端を行く料理を提供していたことがわかる。

ホテル館内の廊下に飾られた旧ホテルの内装写真。白黒写真でも特徴的なアーチが確認できる(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

また、100年の歴史の中で、戦時下のメニューについてもエピソードが残っている。米の節約が必要となってきた1938年頃。同ホテルの杉本甚之助シェフは、3年の月日をかけて、じゃがいもにコーンスターチを加え、何度も冷やしたり蒸したりを繰り返し、米粒状にした「宝米」を代用食として考案。

そして、「宝米」を使用したピラフの提供をはじめると、白米とそっくりの味で、食べた人たちはびっくり。「阪急百貨店」でも販売され、大評判となったそう。「お客様に喜んでいただける料理を」という思いは、時代を超えて今も同ホテルのシェフたちに受け継がれていると言う。

◆ 旧ホテルの仏蘭西料理レストラン「プルミエ」の復刻メニューがビュッフェに登場

 そんな歴史を受け継いできたシェフたちによる洋食が楽しめる100周年記念「アニバーサリービュッフェ」を、ビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」で開催中だ。

宝塚ホテルのビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」の名嘉眞涼太シェフ(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

今回の100周年の特別企画として、旧ホテルの仏蘭西料理レストラン「プルミエ」(1983~2020年)や、宴会で人気が高かったメニューをいくつか復刻メニューとして登場させた。

「宝塚ホテルには、100年前から関西でいち早くフランス料理に取り組んできた歴史があります。メニューは、シンプルに仕上げている印象がありますが、その時代時代にあったアレンジをしていて、しっかりとレシピとして残っていなかった昔のメニューも。今回は、歴代シェフの協力もあおぎながら、2024年から100周年フェアのために、復刻メニューの準備をすすめてきました」と名嘉眞涼太シェフ。

その中のひとつが、ホテルで昔から伝承されてきた醬油ベースの「チャコールソース」で味わう「フォアグラ丼」(平日ディナー、土日祝のランチ・ディナー限定)。「伝統のチャコールソースを使って、100周年記念に思い切った高級食材を、みなさん食べなじみのある『丼』のスタイルで提供します」と話す。

(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)
平日ディナー、休日のランチ・ディナーで提供される「フォアグラ丼」も食べ放題で。宝塚ホテル伝統のチャコールソースで楽しめる(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

また、宴会で人気だったさっぱりとした「桃とトマトの冷製スープ」や、「プルミエ」で人気だったじゃがいもの冷製スープとコンソメジュレを合わせた「ジャガイモのビシソワーズ」は夏にぴったりのメニュー。また、開業時のメニューにも記載があった素材「仔牛」を使用し、フランス料理の伝統を活かした「仔牛のブランケットクリーム煮込み」(平日ランチ限定)も登場する。

(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)
ホワイトソースで煮込んだ仔牛、フォアグラなど、100周年ならではの高級食材も登場する100周年記念「アニバーサリービュッフェ」のメニュー一例(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

その他、ローストビーフや、ビーフシチューなど、人気定番の洋食メニューがそろい、前菜からスイーツまで、洋食を中心にさまざまな料理がスタンバイする。

宝塚歌劇の花組、月組、雪組、星組、宙組の公演のフィナーレで実際に使用された「シャンシャン」が飾られたビュッフェ台でメニューをあれこれ選んだり、宝塚歌劇の楽曲が流れたりと、「宝塚大劇場オフィシャルホテル」ならではのこだわりが詰まったレストランで、100年のホテルの歴史に思いを馳せながらの食事を楽しんでみては?

5月から展示替えになり、現在は花組『アルカンシェル』、月組『Grande TAKARAZUKA 110!』雪組『ジュエル・ド・パリ!!』、星組『VIOLETOPIA』、宙組『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』のシャンシャンが飾られている(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

100周年記念「アニバーサリービュッフェ」は、2階ビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」で7月31日まで。料金はランチ平日 5,200円/土日祝 5,800円(90 分制 )、ディナー平日 6,400円/土日祝 6,900円(120分制)。詳細は公式サイトで確認を。

ビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」ゆったりとした座席でくつろげる(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

◆ 100周年の宝塚ホテルで食に関するイベント続々…

宴会場「宝寿」では、一夜限りの『100周年記念賞味会 ~夢のつづき、次の100年へ~』を開催。仏蘭西料理「プルミエ」の6代目シェフである松井裕嗣(1999~2005年)を含む歴代シェフ3名と、移転開業後の宝塚ホテル歴代調理長2名の計5名が、これまでホテルのレストラン・宴会等で培った経験をもとに考案した、フランス料理のフルコース全6品を楽しむ一夜限りのイベントも開催する。(すでに予約完売)

食の伝統を繋いできた「宝塚ホテル」は令和6年春の褒章受章の松井裕嗣さんはじめ、世界のVIPが認めた元公邸料理人である宮原調理長や、川原崎シェフ(日本料理「彩羽」)など、多くの人材を輩出(2025年/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)

1階ラウンジ「ルネサンス」では、発売100周年を迎える「明治ミルクチョコレート」とコラボレーションしたアフタヌーンティーセットを、日本料理「彩羽」鉄板焼「風雅」では、旧ホテルが開業した1926年にちなみ、ペアで 19,260円の『100 周年記念ペア会席・コース』をそれぞれ用意(残り僅か)

さらに子供向けイベントとして、コックコートやコック帽を着用し、ケーキを作る「パティシエ体験イベント」を「アンサンブル」で開催予定。各プランの詳細は公式サイトで確認を。

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

2026年には「アルモニー」跡地に宿泊者専用ロッカールームが誕生。「宝塚大劇場」遠征民にとってはありがたい、より快適な空間に進化し続けている(2026年5月14日/宝塚ホテル Lmaga.jp編集部撮影)
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