100周年「宝塚ホテル」受け継がれる洋食の伝統…名物ソース「フォアグラ丼」食べ放題ビュッフェも

「宝塚ホテル」には、旧ホテルの宴会場「シルバー」から移設された、2連のゴージャスなシャンデリアが。シャンデリアの向こうに見えるのは、夢白あやさん、水美舞斗さんがホテルで開催したディナーショーで着用したお衣装(2026年5月14日/ Lmaga.jp編集部撮影)
2026年5月に100周年を迎えた「宝塚ホテル」(兵庫県宝塚市)。阪急阪神東宝グループの創始者である小林一三氏の構想により、宝塚歌劇や温泉を楽しむ観光客向けの西洋式ホテルとして誕生し、地元の人たちや宝塚歌劇ファンを中心に愛され続けてきた。

2020年には阪急電鉄「宝塚南口駅」前の立地から「宝塚大劇場」の西隣に移転開業。その後も、旧ホテルの特徴だったクラシカルな建築意匠をはじめ、洋画家・小磯良平氏による緞帳「騎士の門出」、ロビーで輝くシャンデリアなどが、ホテル館内で今も大切に受け継がれている。

現在ホテルは、100周年の装飾や特別イベントで盛り上がりを見せている。なかでも、さらなる「夢のつづき」を提供したい、という想いから企画された宝塚歌劇の「千秋楽」と「前楽」公演の最前列チケットがついた特別な宿泊プラン『夢のつづき 100 周年スイートステイ ~あなただけの至高の3日間~』は、40万円の高額にもかかわらず、2組の募集枠に約1700組の応募があったそう。

◆ 当時のディナーは2.50円!当時の最先端「モダーン」なレストランメニュー
大切に受け継がれてきたのは、「食」についても同様。これまでの歴代シェフにより、ホテルの伝統は繋がれてきた。さまざまな特別企画で盛り上がる「宝塚ホテル」の「食」を取材した。

「宝塚ホテル」が開業した1926年(大正15年)のレストランのメニューを、館内に飾られた当時の広告から、読み取ることができる。ディナーコースのメニューは「オールドブル」からはじまり、最後の「コーヒー、チー」まで16種。
「Roast Veal with Brown Potatoes」の記載があり、仔牛のローストに、揚げたじゃがいもを添えたメニューがメイン料理だったようだ。コースの金額は、なんと2.50円。まだ日本では、フランス料理が珍しかった大正時代に、当時の最先端を行く料理を提供していたことがわかる。

また、100年の歴史の中で、戦時下のメニューについてもエピソードが残っている。米の節約が必要となってきた1938年頃。同ホテルの杉本甚之助シェフは、3年の月日をかけて、じゃがいもにコーンスターチを加え、何度も冷やしたり蒸したりを繰り返し、米粒状にした「宝米」を代用食として考案。
そして、「宝米」を使用したピラフの提供をはじめると、白米とそっくりの味で、食べた人たちはびっくり。「阪急百貨店」でも販売され、大評判となったそう。「お客様に喜んでいただける料理を」という思いは、時代を超えて今も同ホテルのシェフたちに受け継がれていると言う。
◆ 旧ホテルの仏蘭西料理レストラン「プルミエ」の復刻メニューがビュッフェに登場
そんな歴史を受け継いできたシェフたちによる洋食が楽しめる100周年記念「アニバーサリービュッフェ」を、ビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」で開催中だ。

今回の100周年の特別企画として、旧ホテルの仏蘭西料理レストラン「プルミエ」(1983~2020年)や、宴会で人気が高かったメニューをいくつか復刻メニューとして登場させた。
「宝塚ホテルには、100年前から関西でいち早くフランス料理に取り組んできた歴史があります。メニューは、シンプルに仕上げている印象がありますが、その時代時代にあったアレンジをしていて、しっかりとレシピとして残っていなかった昔のメニューも。今回は、歴代シェフの協力もあおぎながら、2024年から100周年フェアのために、復刻メニューの準備をすすめてきました」と名嘉眞涼太シェフ。
その中のひとつが、ホテルで昔から伝承されてきた醬油ベースの「チャコールソース」で味わう「フォアグラ丼」(平日ディナー、土日祝のランチ・ディナー限定)。「伝統のチャコールソースを使って、100周年記念に思い切った高級食材を、みなさん食べなじみのある『丼』のスタイルで提供します」と話す。

また、宴会で人気だったさっぱりとした「桃とトマトの冷製スープ」や、「プルミエ」で人気だったじゃがいもの冷製スープとコンソメジュレを合わせた「ジャガイモのビシソワーズ」は夏にぴったりのメニュー。また、開業時のメニューにも記載があった素材「仔牛」を使用し、フランス料理の伝統を活かした「仔牛のブランケットクリーム煮込み」(平日ランチ限定)も登場する。

その他、ローストビーフや、ビーフシチューなど、人気定番の洋食メニューがそろい、前菜からスイーツまで、洋食を中心にさまざまな料理がスタンバイする。
宝塚歌劇の花組、月組、雪組、星組、宙組の公演のフィナーレで実際に使用された「シャンシャン」が飾られたビュッフェ台でメニューをあれこれ選んだり、宝塚歌劇の楽曲が流れたりと、「宝塚大劇場オフィシャルホテル」ならではのこだわりが詰まったレストランで、100年のホテルの歴史に思いを馳せながらの食事を楽しんでみては?

100周年記念「アニバーサリービュッフェ」は、2階ビュッフェ&カフェレストラン「アンサンブル」で7月31日まで。料金はランチ平日 5,200円/土日祝 5,800円(90 分制 )、ディナー平日 6,400円/土日祝 6,900円(120分制)。詳細は公式サイトで確認を。

◆ 100周年の宝塚ホテルで食に関するイベント続々…
宴会場「宝寿」では、一夜限りの『100周年記念賞味会 ~夢のつづき、次の100年へ~』を開催。仏蘭西料理「プルミエ」の6代目シェフである松井裕嗣(1999~2005年)を含む歴代シェフ3名と、移転開業後の宝塚ホテル歴代調理長2名の計5名が、これまでホテルのレストラン・宴会等で培った経験をもとに考案した、フランス料理のフルコース全6品を楽しむ一夜限りのイベントも開催する。(すでに予約完売)

1階ラウンジ「ルネサンス」では、発売100周年を迎える「明治ミルクチョコレート」とコラボレーションしたアフタヌーンティーセットを、日本料理「彩羽」鉄板焼「風雅」では、旧ホテルが開業した1926年にちなみ、ペアで 19,260円の『100 周年記念ペア会席・コース』をそれぞれ用意(残り僅か)
さらに子供向けイベントとして、コックコートやコック帽を着用し、ケーキを作る「パティシエ体験イベント」を「アンサンブル」で開催予定。各プランの詳細は公式サイトで確認を。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

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