閉園から23年「宝塚ファミリーランド」あのメリーゴーランドの思い出を訪ねて…跡地で調査

『みんなでつくる宝塚コドモ博』当時の写真を見るとジェットコースターや、モノレールなど大型アトラクションも多い。
2003年4月7日に閉園した「宝塚ファミリーランド」(兵庫県宝塚市:1960‐2003年)。ホワイトタイガーのいる動物園、植物園に昆虫館、大人形館やクレージーダッグなどの遊園地、大劇場やバウホールのある歌劇ゾーンや温泉など、幅広い世代が楽しめる一大テーマパークだった。
閉園から23年が経つ今も、一定以上の年齢の関西人には思い出深い「宝塚ファミリーランド」の記憶を呼び覚ます、懐かしい写真や園内マップ、絵ハガキ、パンフレット、グッズなどの品々を展示する企画展が、「宝塚ファミリーランド」跡地に2020年開館した「宝塚市立文化芸術センター」で開催中だ。


◆ 梅田にある「宝塚ファミリーランドから来た木馬」は本当か?

同センターの敷地には「宝塚ファミリーランド」、そしてその園内の一部を活用した「宝塚ガーデンフィールズ」(2003‐2013年)の「レガシー」となる木々や噴水の跡などが、今も息づいている。



そして、大阪・梅田にも「宝塚ファミリーランドから来た」と噂になっている、あるものが。「ホテル阪急インターナショナル」(大阪市北区)の1階に鎮座する2頭の「木馬」だ。
その木馬が目印となる、同ホテルのビュッフェ&カフェレストラン「ナイト&デイ」のスタッフのひとりは、「この木馬、宝塚ファミリーランドから来た、と先輩から聞きました」と話す。グループ会社だけに、言われてみると、こんな木馬あったんじゃないか、そんな気がしてくる。

しかし、レストランの広報担当者は「これ、よく聞かれるんです。ファミリーランドにいた説と、違う説。従業員の中でも意見がわれていますが、はっきりわかる者がおらず…」と確信が持てない様子。そこで、今回の展示の企画をはじめ、これまでファミリーランドのさまざまなアーカイブを行ってきた同館に相談してみることに。
◆「当時、園内でたこ焼きやポテト売っていた」館長に調査を依頼

「宝塚市立文化芸術センター」館長の三戸俊徳さんは、宝塚市で育ち。かつて子ども時代に「宝塚ファミリーランド」に通っていて、さらには大学時代には園内でアルバイトしていたこともあると言うほど、ゆかりが深い。

そんな三戸館長に、「ホテル阪急インターナショナル」が「幸運の象徴」として、大切にしてきたという2頭の木馬の写真を見てもらった。

「園内にあったメリーゴーランドは、途中で何度も入れ替わっているんですよね」たしかに1960年から閉館まで43年も同じメリーゴーランドであり続けるのは難しい。過去のパンフレットや宝塚市民のみなさんらから提供のあった写真などを見せてもらったが、年代によりかなり違う。

「ただ、閉館後、唯一メリーゴーランドだけが住宅展示場の横に残されて、営業している時期がありました。なので、その木馬だけがグループホテルに、という可能性は充分あると思って調べました」
やはり、メリーゴーランドは人気アトラクションのひとつだった。これは可能性がありそうな流れ…。

「しかし、こちらで確認できる限り、同じ種類の木馬はありませんでした…。目や、足の跳躍の形が違うんですよね…」
残念ながら、宝塚ファミリーランドの「メリーゴーランド」の木馬ではない可能性が高いそう。ただ、もう一つの新たな可能性も浮上した。

「園内で人気だった『大人形館』には世界各国をテーマにした人形が600体以上いて、人型のもの以外にも各国をイメージした動物の装飾などもたくさんあったはずです。メリーゴーランド以外の園内の装飾だった可能性は捨てきれません」
ということで、引き続き調査を続けていくことに。本件に進展があれば、改めて報告したい。
◆ 「宝塚ファミリーランド」跡地でこれからも子どもたちにワクワクを
今回の展示を見ながら、「あー!これあったあった」と、懐かしい思い出で盛り上がる来場者がとても多いのだとか。
三戸館長は、子どもの頃、鉄道が好きで、「電車館(のりもの館)」が好きだったと言い、筆者は、子どもの頃、シューティングライドアトラクション「サファリ」に夢中になり、「クレージーダッグ」でびしょ濡れになって友達と大笑いした思い出がある。

担当学芸員の南出さんは「世代や好みによって、ファミリーランドの何が懐かしいとなるかは、かなり違うんです。かしこまった資料をみてるだけでは園内の全貌はわからなくて、個人的な思いや、日常をつづったものが、『ひとぞれぞれのファミリーランド』で、おもしろいです。そういった生きた豊かな記憶や思い出を、これからもアーカイブしていきたい。今回の展示がそのきっかけになってほしい」と話し、一般の方たちの持つ「レガシー」を求めている。
そして、今回の展示の名称は『みんなでつくる宝塚コドモ博』。宝塚ファミリーランド関連の展示とあわせ、使われなくなったおもちゃをぬいぐるみを材料に、恐竜や動物に生まれ変わらせる美術家・藤浩志氏のアート空間。そして、子どもも、大人もアートに参加できる「創造ラボ」の3本立ての企画となっている。

「あの頃みんながワクワクしていた宝塚ファミリーランドはもうないけれど、宝塚の子どもたちにとって、これからもこの場所がアートに触れ、楽しい思い出を作る場所であり続けたい」と三戸館長は語る。

『みんなでつくる宝塚コドモ博』は「宝塚市立文化芸術センター」メインギャラリーで4月12日まで開催。時間は10時~18時。詳細は公式サイトで確認を。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部
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