片岡愛之助の教訓「新しいことをやりつつ、古典を大切にする」

2023.9.27 07:30

舞台『西遊記』で主演を務める俳優・片岡愛之助

(写真9枚)

● 「今はいただいたお役を、どれだけきちんと勤めるか」

──ずっと若手だと思っていた愛之助さんも、いつの間にか50代となられましたが、人生設計に変化はありますか?

20代は漠然と生きていたんですけど、やっぱりちゃんと終わりから逆算して計画を立てた方がいいですね。「いつかやる」と思っていたら、ずーっと平行線ですが、「○歳までにこれをやる」となったら、目標に向かって上向きに進んで行くので、その方が早く成就すると思うんです。漠然と生きていたら、成功もゆるやかだということに、最近になって気づきました。

「漠然と生きていた」という、若手時代を振りかえる愛之助

──歌舞伎俳優だと、やはり「○歳までにこの役をやる」と考えるのでしょうか。

そういうのはあまりないです。昔は「やりたい役はありますか?」って聞かれたらたくさんあったんですけど、今はいただいたお役を、どれだけきちんと勤めるかということを考えています。最近というか、ここ10年ぐらい感じているのは「芝居は1人ではできない」ということ。

結局やりたいお役をやるにしても、相手役が誰なのか、その周りには誰がいるのかということが、すごく重要。自分の「やりたい」ではなくて「今いるメンバーで、どんな最善のことができるか?」ということを考えるようになりました。

ここ10年ほどの心境の変化で、「芝居は1人ではできない」と改めて気付いたという愛之助

──そうやってめぐりあった役を無心にやっていれば、良い舞台につながると。

そうですね。でもその一方で、たとえば自分が歌舞伎公演の座頭に決まったら、どのような座組がいいのか? このご時世にふさわしかったり、僕がお客さまなら「観たい」と思うものはなにか? ということを、すごく考えなきゃいけない。

──『西遊記』は本当に素敵なキャストです。

最高ですよね。松平健さんにしても小池(徹平)くんにしても、僕以外は主役を務める人しかそろってないじゃないですか。大衆演劇で言ったら、座長大会みたいなものですよ。地元の大阪が(公演日が)3日間しかないのは残念ですけど、もう今から演じるのが楽しみだし、必ず「来てよかったなあ。もう1回観たいなあ」と思っていただける舞台になると思います。

舞台『西遊記』は愛之助のほかに、小池徹平、戸次重幸、中山美穂、松平健などが出演。脚本はマキノノゾミのオリジナルで、演出は堤幸彦が担当する。大阪公演は11月3~5日に「オリックス劇場」(大阪市西区)にて。チケットはS席1万5000円ほか、現在発売中。

舞台『西遊記』

期間:2023年11月3日(金)~5日(日)
会場:オリックス劇場(大阪市西区新町1-14-15)
料金:S席1万5000円、A席9500円、B席5500円

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