大阪撮影の新グルメドラマ、橋本さとし「オリジナル精神を誇りに」

2023.4.15 11:15

現在放送中の『なにわの晩さん!』で主演を務める俳優・橋本さとし

(写真5枚)

■ 大阪のオリジナル精神、そこにプライドがある(橋本)

──ちなみに私が一番気になったのは、3話の「浪芳庵」(大阪市浪速区)でした。お店自体はあちこちで見るけど、本店であんなおいしそうなみたらし団子を出してるなんて知らなかったです。

炙りたては本店だけですし、アツアツのお餅にタレも付け放題でね。ビックリするほど美味しかったですよ! 実は甘いものが好きなスイーツおじさんなんで(笑)、僕も「浪芳庵」は一番印象に残りました。

──ドラマのなかで「大阪の食はクレイジー」というセリフがありましたが、このドラマで改めて大阪の食に触れて気付いたことはありますか?

僕は舞台とかで、いろんな地方を回る機会があるんですけど、大阪って素材を売りにしない街なんですよね。ほかの地方だと「この魚がおいしい」「この野菜がおいしい」って、素材にプライドを持っている。でも大阪は「自分らが考えた、このオリジナルの食べ方が、日本一ウマいんや!」というところにプライドを持っている感じがするし、しかもそこにはルールがないんです。

「仕事に疲れた人にはどこに連れて行ってくれますか?」との無茶振りの問いにも「忙しかったら、めっちゃ腹減ってるんじゃないですか?『くりやん』の肉みそ丼食ってみ、めっちゃウマいで!」と、晩さんの口調で答えてくれた橋本

──そう言われると、たこ焼きにせよ串カツにせよ、みんなが好き勝手に美味しくなる工夫をしたあげく、独自の進化を遂げたという気がします。

2話に出てくる、お好み焼きにおでんの具を入れる「さとみ」(大阪市生野区)がまさにそれですね。 全然味が想像できなかったけど、お好み焼きとお出汁で煮込まれたジャガイモや大根が、口のなかで最高のハーモニーを繰り出して、めちゃくちゃマッチするんですよ。こういうオリジナル精神が、大阪の食のパイオニアになってきたんだろうなあと思います。

──間違いなく美味しいお店をいろいろ知ることができるだけでなく、晩さんと周囲の人々との会話のやり取りも「これぞ大阪!」って感じで気持ちが良くて、4話だけで終わるのがもったいない気がします。

手前味噌になりますけど、僕もすごく好きなドラマです。美味しいお店も人間模様も、ネタはまだまだいっぱいあると思うから、シリーズ化できたらなあってめっちゃ思います。視聴者の方に「もっと見たい」と思ってもらえるよう一心に作ってきたドラマなので、それが伝わればいいですね。

「中身…何も入ってへんや〜ん!」

『なにわの晩さん! 美味しい美味しい走り飯』は毎週土曜・深夜0時より放送中(関西ローカル、TVer、ABEMAで見逃し配信あり)。

取材・文/吉永美和子

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