舞いあがれ!第6週振りかえり・スワン号の奇跡

2022.11.11 08:15

琵琶湖の空に飛び出していくスワン号 (C)NHK

(写真5枚)

人力飛行機との出会いを機に、空を飛ぶことに魅入られたヒロインが仲間たちと成長していく姿を描く連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK朝ドラ)。11月12日は、「スワン号の奇跡」と題する第6週(11月7日〜11日放送)を振りかえる。

大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の部員たちは、いよいよ人力飛行機「スワン号」のテスト飛行に臨む。パイロットを任されたヒロイン・舞(福原遥)はテスト飛行での操縦を無事に乗り切ったものの、実際に漕いだペダルの重さに不安を覚えていた。

舞の言葉を受け、設計担当の刈谷(高杉真宙)は機体にまだ改良の余地があるといい、舞を少しでも長く飛行させるためプロペラ部分に更なる改造をおこなおうとする。しかし、本番の記録飛行までにはあまり時間の猶予はなく、さらに部品には特殊な金属加工を施す必要があった。

そこで部員たちは、特殊ネジなどの工場を営んでいる舞の父・浩太(高橋克典)のもとを訪れて相談することを決める。久しぶりに娘の舞から頼まれごとを受けて喜ぶ浩太だったが、刈谷が求める金属加工の説明を受けて難色を示す。自社では製造が難しいと判断した浩太だったが、ベテラン職人の笠巻(古館寛治)が過去に携わっていた金属加工の経験から可能だと発言。狙い通りの部品の製造が実現し、無事「スワン号」の改良に成功する。

「岩倉螺子製作所」の事務所にて、部品を見る浩太(高橋克典)たち (C)NHK

そして、女性パイロットの世界記録を狙う「スワン号」の記録飛行本番まであと3日。舞は課題だった目標体重への減量をクリアし、体力測定も目標値を達成する。さらにはテスト飛行でのケガが完治した由良(吉谷彩子)から、記録飛行前日は本番へのエネルギーを蓄えるために炭水化物の摂取が解禁されると聞かされ、舞にとって嬉しい出来事が重なる。

いよいよ記録飛行前日、いつも誰よりも早く来る舞が部室を訪れると、そこにはすでに部員全員が揃っていた。舞の炭水化物解禁に合わせ、部員たちは学園祭の出店で鍛えられた「たこ焼き」づくりで舞を労おうとしていたのだ。全員でたこ焼きを頬張りながら、舞たちはここに至るまでの経緯を振りかえっていく。

サークル代表の鶴田(足立英)や刈谷、玉本(細川岳)ら3回生、そして前任のパイロットだった由良は、何度も諦めながらもこうして記録飛行に挑めることは誰か1人でも欠けたら起こりえなかった奇跡だと語る。そして決意新たに、明日の成功を全員で誓うのだった。

その夜、たったひとりで仲間たちの思いを背負って空へと向かう重圧に、舞は耐えきれず眠れないでいた。プレッシャーを感じる舞は、長崎の五島列島に暮らす祖母・祥子(高畑淳子)に電話をかける。不安を吐露する舞に、祥子はその気持ちを受け入れながらも「自分ば信じて飛べばよか」と力強く励ます。祥子の言葉に背中を押された舞は、心を強く奮い立たせるのだった。

コックピットの中で集中する岩倉舞(福原遥)(C)NHK

ついに迎えた記録飛行本番、記録飛行がおこなわれる琵琶湖はフライトには絶好の天候だ。パイロットの舞は仲間たちの思いに応えようと懸命にペダルを漕ぎ、いよいよ「スワン号」は琵琶湖の空へと飛び出していく。湖上からはボートに乗った刈谷と由良が舞の飛行をサポートする。

だんだんと気持ちに余裕が出てきた舞は、自分が空を飛んでいることを実感し感動を覚える。しかし舞たちが目指す世界記録は15.44km、記録更新に向けて舞は可能な限り「スワン号」を飛行させることを目指す。

だが、操縦席の蒸し返すような暑さや、サポート役の刈谷たちとの無線が途切れるなど、舞にとって予想外の状況が相次ぐ。「スワン号」の高度も下がり、飛行を維持するのに苦戦する舞だったが、仲間たちの思いに応えたい一心で必死に持ち直す。涙と汗にまみれながらも最後まで粘る舞だったが、とうとう「スワン号」は着水。飛行時間10分、3.5kmの記録を残して記録飛行の幕は閉じた。

仲間たちの思いを背負いながらも、思うような記録を残せなかったことを悔やむ舞は、迎えに来た刈谷と由良に謝罪する。しかし、刈谷や由良は舞の頑張りに感謝し、「スワン号をお前に任してよかった」と伝える。そして、駆け寄ってきた仲間たちも互いの健闘を讃え、舞に感謝の言葉をかけあう。こうして「なにわバードマン」の熱い夏は終わりを迎えたのだった。

記録飛行を終えて、鶴田たち3回生の部員たちは「なにわバードマン」を引退。舞は新代表の佐伯(トラウデン都仁)率いる新生「なにわバードマン」のパイロットを目指し、記録飛行を終えたあともトレーニングを続けていた。だが、体力測定の結果、新たなパイロットには由良が選ばれる。

結果を受け入れながらも、舞は琵琶湖の空を飛んだときの気持ちが忘れられず、完全に空を飛ぶことに魅了されていた。空への憧れが募る舞は、「パイロットという職業」という本を手に取る。その姿を目にした由良は、「ジェット機のパイロットになることが夢だった」のだと舞に打ち明けて・・・。

本作は、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな五島列島の2つのふるさとを持つヒロインが、人々の絆を繋ぎながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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