逃虫グッズが話題…大阪のものづくり会社、発明へのアツい思い

2022.6.16 17:45

「旭電機化成」の独自ブランド『スマイルキッズ』の開発を手掛けてきた原守男専務

(写真13枚)

■ 発明家の思いを応援し、繋げていきたい

──発明家と会社で二人三脚で作っていくんですね。やっぱりアイデアをもらって、商品化まで進めるのは難しいことなんでしょうか。

すぐ商品化できるようなアイデアが舞い込むことはなかなか無くて、ほとんど断ってます。「1000の商品のうち、成功するのはわずか3つ」という「千三つ」っていう言葉があるんですけど、僕らはその「3つ」を見つけ出すために持ち込みに対応し続けています。

──それは旭電機化成さんの方でもかなりの労力ですよね・・・。

正直、あとで権利関係で訴訟される危険性もありますし、1人1人に対応する時間も取れないんで、どこの会社でもアイデアの持ち込みなんて受けないのがほとんどです。

だけどウチの場合は逆で、誰からの持ち込みも受け入れようと。「行き過ぎた人が来たらどうしよう」と怖くなることもありますよ。でも、彼らの情熱はすごいですからね。

やっぱり、発明家の思いを応援して繋げていきたいです。発明家のみなさんが一生のうちに思いつくアイデアを1つや2つ商品化できたら、僕らにとってもありがたい話です。

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──そこまで熱意を持って発明家のアイデアを受け付けるのは、なにか理由があるのでしょうか。

最初は、僕も含めて社内でアイデアを出してたんですけど、15年くらい前からだんだんとネタ切れしてきて。そこで、発明家や学生さんからもアイデアをもらうことにして、とにかくネタの入り口を増やしていくことにしました。

僕らみたいなものづくりの世界でやっている人間が考えると、その延長線のアイデアばかりが出てくるんです。ところが発明家や学生さんから出てくるのは、まったくちがう角度のアイデアなんですよ。それこそ「むしキャッチリー」なんて、とても考えつきませんね。

──なるほど。職業や立場ごとに思いつくアイデアもありそうですよね。

お風呂屋の番頭さんがアイデアを持ち込んだこともありました。銭湯って、開店時間から2時間くらいはお客さんが来ず暇な時間があるそうで、その時に考えたアイデアらしいんです。散髪屋さんのパターンと同じですね。自由で練りこまれた発想を出してくれるんですよ。

忙しい人は考える時間がないので、アイデアを思いつくことができない。「心の余裕や暇が、新しいものを生み出す」と気づいてからは、僕もなるべく暇な時間を作るようにしています。なので、考える心の余裕があれば、誰でも発明家になれるんですよ。

取材・文・写真/つちだ四郎

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