評論家鼎談、2021年・下半期「ベスト日本映画」はこれだ!

2022.3.10 07:00

映画評論家のミルクマン斉藤氏、田辺ユウキ氏、春岡勇二氏(左より)

(写真12枚)

Lmaga.jpの恒例企画となった、評論家3人による映画鼎談。数々のメディアで活躍し、本サイトの映画ブレーンである評論家 ── 春岡勇二、ミルクマン斉藤、田辺ユウキの3人が、「ホントにおもしろかった映画はどれ?」をテーマに好き勝手に放言。2021年・下半期公開の日本映画ベスト3を厳選しました。

「さすが、濱口竜介やなと」(田辺)

斉藤「今年はあまり大きなニュースはなかったけど、最後にドカンと来たねぇ」

田辺「びっくりしましたね、濱口竜介監督。『ドライブ・マイ・カー』、アカデミー賞4部門ノミネート」

斉藤「映画ももちろん素晴らしかったけど、その快進撃がスゴいね」

田辺「一気に世界各地の賞レースに来ましたね」

斉藤「カンヌはパルムドールを獲ってもおかしくなかった」

田辺「で、カンヌで終わらず、アメリカのメジャーな賞も」

春岡「全米批評家協会賞で西島秀俊が主演男優賞を獲ったら、注目度が俄然増した」

日本映画史上初、オスカー作品賞にノミネートされた映画『ドライブ・マイ・カー』 (C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

斉藤「それに、三浦透子ちゃんがすごい。西島くんはもちろん分かるんだけど、彼女ももっと賞を獲らなあかんやろって」

春岡「西島秀俊が良い人だから、人間性がさ。撮影中、まさに座長芝居でみんなを引っ張ってくれたと。濱口監督もすごい感謝してた」

田辺「春岡さんのインタビュー記事で、濱口監督が『言葉を発する肉体である』って言ってましたよね。それまでは、濱口監督ならではの言葉の面白さなんだと思ってたけど、そうじゃない。肉体を撮ろうとしてたんだと」

【濱口竜介監督インタビュー記事はこちら】

春岡「村上春樹の文章からそう感じるって言ってた。その村上春樹と同じように感じるのがアントン・チェーホフだとも」

田辺「あれ、メッチャ勉強になりましたよ。濱口監督、5、6年前にツイッターを止めたんですけど、その理由が『僕の語りたいことは全部映画でやります』と。で、今回ホントに結果を出したから、さすが濱口竜介やなと」

春岡「村上春樹とも一時期、アメリカでつながったらしいよ。大学の留学かなにかで行ったときに、日本人でこの研究室に来たのは春樹以来だって言われたんだって。なにか縁があったんですと言ってた」

インタビューに応える濱口竜介監督

田辺「濱口監督って、当事者の話を聞くことをすごく大事にしてますよね。いわゆるリサーチのレベルじゃなくて。震災3部作のときも、ちゃんと関係者と向き合って話を聞いてきてる」

春岡「そうなんだよ。声を聞いてたら、本当のことか嘘のことか判るんだって。やっぱり声が面白いって言ってた。声に潜む真実というのが今回のテーマだから。それこそ映画の中で西島がしてるけど、台本を感情を込めさせずに読ませると、だんだん判ってくると。『あのやり方を採り入れたら、役者さんがすごく良くなった』って言ってたな」

斉藤「誰でも知ってる戯曲だからこそ、多言語の乱れ撃ちが成立する。声の魅力っていう意味では、岡田将生も大きいかな。ちょっと一皮剥けたって感じ」

映画『聖地X』主演・岡田将生(左)とヒロイン・川口春奈 (C)2021「聖地X」製作委員会

春岡「岡田将生は『聖地X』も良かった。ワケ分らないけど、ワケ分かるって言う(笑)」

斉藤「劇団イキウメのSFね。何とか村の路線みたいに宣伝してたけど、どこがホラーやねんって言う(笑)。コメディ奇想SFだよな。原作の前川知大にとっちゃ、あれは通常営業。僕はメッチャ面白かった。むしろ笑わしにかかってるやんっていう映画」

田辺「入江悠監督が久々に本領発揮でしたね。まぁ、もともと入江さんは面白い人ですからね」

春岡「渋川清彦と山田真歩が、生き霊の被害に遭う夫婦みたいな役。それだけで面白そうだよ」

斉藤「あれはどうだった、『あなたの番です』」

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