トムジェリ主題歌の瑛人「通じるものがあれば友だちになれる」

大阪・心斎橋で開催中の『トムとジェリーカフェ』を訪れた瑛人
2019年4月、21歳のときにリリースした『香水』が翌年春に爆発的ヒットを記録。『NHK紅白歌合戦』にも出演するなど一躍、人気アーティストの仲間入りを果たした瑛人。そんな彼が、現在公開中の映画『トムとジェリー』日本語吹替版のエンディング曲『ピース オブ ケイク』を担当した。
同曲は、映画に登場するネコのトムとネズミのジェリーの関係性をイメージして制作。今回、映画と楽曲の世界観の話だけでなく、あらためて『香水』についてもインタビューしたところ、彼のピースフルな生き方に触れることができた。
取材・文/田辺ユウキ 写真/Ayami
「やった〜! 映画にめっちゃ合ってるじゃん!ってうれしかった」
──映画『トムとジェリー』はご覧になられていかがでしたか。
すごく派手な映画でしたよね! いっぱい物を壊して、ケンカして、とにかくハチャメチャ。とある出来事でトムとジェリーがスケボーに乗るシーンがあるんだけど、歯がボロボロになってもまた生えてきたりして。そういうところがすごくおもしろかった。
──映画の世界観にエンディング曲もマッチしていましたね。
「フーッフッフー」のイントロが流れた瞬間、「やった! めっちゃ合ってるじゃん」って。映画を観てから作るか、観ないで作るか悩んだんです。でも俺って結構単純だから、観て作っちゃうと完璧にそっちに寄りすぎちゃう。だから今までの『トムとジェリー』を頭に入れて、「大嫌いだけど大好き」というイメージだけで作っていった。
──あえて観なかったんですね。
もし観ていたらきっとそっちに流れていたはず。履歴書、ニューヨークとかそういうワードを入れちゃいそうだし、インスピレーションが入りすぎちゃうとコラボにならないから。でも曲を作ったあとで初めて観たんだけど、途中で「めっちゃマッチしてる」と思った。「周りのことは気にするな」というところとか。
──今作もそうですし、瑛人さんが路上ミュージシャンの日本語吹替を担当した映画『ソウルフル・ワールド』(2020年)もニューヨークが舞台。『トムとジェリー』では「ニューヨークは街を歩かないと来た意味がない」なんて台詞もありますけど。
俺も行ったことがあるからそれはすごく分かる。でもニューヨークの街って疲れるんですよね(笑)。みんな体も大きいし、人が多くてギュウギュウだから。人の多さにびっくりしちゃった。俺がホームステイした場所って田舎だったし、1カ月間、プールでゆっくりして、寝て、メシを食ったりしながら過ごしていたから。
──のんびりしていたんですね。
あと、音楽がいろんなところで鳴っていた。ご飯を食べに行ったらそこで女性が歌っていたけど、それがまためっちゃ上手くてかっこ良かった。
──瑛人さんはニューヨークでライブはいかがですか?
いやいやいや、ないない! 俺はニューヨークでは歌わないですよ。通用しないし、絶対無理。普通に遊びに行きたい場所ですね。あと、曲を作るためにインスピレーションをもらう場所。あっちで何かを披露するほどの実力はないですよ。もっとスキルアップしなきゃ。

──映画には、音楽的なシーンもたくさんありましたね。印象的なのは、トムが目が見えないフリをしてキーボードを路上演奏する場面。でも嘘がバレて「何だ、猫が単に演奏していただけか」と言われちゃう。
うん、猫がキーボードを弾いていること自体がすごいのにね。
──先ほどおっしゃられたようにこの映画は経歴や履歴書のすごさもテーマのひとつになっている。パッと見の立派さで人を判断しがちな世の中への皮肉が込められていて、トムの「目が見えないフリでの演奏」は、本質を見ていない人、相手の中身を何も見ていない人のことを突いているんですよね。
ああ、なるほど。何かさ、俺は人がどういう見た目でどういう経歴かとか興味がないというか、そこで判断しないから、そういう人ってよく分からないんだよね。履歴とか気にしないし、友だちもそういうヤツばかり。まあ、バカばかりなんだけど(笑)。自分の友だちが立派な人でも良いし、何もなくても良い。俺は誰だって、通じるものがあれば同じように友だちになれるから。
瑛人
映画『トムとジェリー』
2021年3月19日(金)全国公開
監督:ティム・ストーリー
声の出演:水瀬いのり、木村昴、霜降り明星(せいや、粗品)、飯豊まりえ
配給:ワーナー・ブラザース映画
瑛人
『「トムとジェリー」カフェ』
期間:2021年3月4日(木)〜4月4日(日)
会場:大阪市西区北堀江1-6-24「心斎橋contact」
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