江戸時代の見世物的な感覚に期待、サイエンス×アートの展覧会

2020.3.29 09:00

水の流れる西陣織! 鈴木太朗×有限会社フクオカ機業の「水を織る」は、織り込まれた極細のチューブに色水が流れて模様が現れる。異素材繊維を得意とする西陣のメーカーのミラクル織物

(写真10枚)

クリエーションも職人技もテックにおまかせ!な未来

同時開催の『アート×サイエンス LABOからGIGへ』では、京都市内の大学を拠点としたワークショップの成果を発表。京都工芸繊維大学「KYOTO Design Labo」の展示に驚いた。近代建築の巨匠・武田五一が手掛けた「和楽庵洋館」(大正5年)に、先端技術を使って「増築」「修復」をおこなったものだ。

「和楽庵洋館」模型。京都市役所庁舎を設計した建築家・武田五一は、和洋折衷様式を得意とした。洋館に社寺建築の部材「蟇股」(かえるまた)がつけられている

たとえば、AIが、武田が目にして発想の元としたであろう模様を読み込み、深層学習(ディープラーニング)も使って、武田五一の発想しそうな壁紙をデザインする。破損した部材は、3Dプリンターやロボットアーム、AR(拡張現実)を用いて復元。こうなると、左甚五郎の新作彫刻も、ダヴィンチのデザインする靴も夢ではない。人間のセンスや技の限界を、サイエンスが超えてゆく世界を目の当たりにできる。

AR(拡張現実)を使ってデザインされた蟇股の映像。テックの世界の拡張ぶりに驚く

壁面では、武田五一が見たであろう日本の伝統模様と、アールヌーヴォーなど洋風の意匠を読み込んで、AIが「武田目線」を学習し壁紙をデザインする「武田五一ジェネレーター」が動作中。

「STEAM THINKING—未来を創るアート京都からの挑戦 国際アートコンペティションスタートアップ展」

期間:2020年4月4日(土)・5日(日)
会場:京都市京セラ美術館本館南回廊2階(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
料金:無料
電話:075-752-2212

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