「あの子は久しぶりに出てきた怪物だよ」

──松岡茉優初主演の『勝手に震えてろ』はどうでしょう？

斉藤「あれはトゥーマッチなんよねえ･･･」

田辺「たしかに」

斉藤「そういう題材だから仕方ないんだけど、松岡茉優ってアホみたいに上手いやん。だからこそ、映画的にはうるさすぎる」

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──津田寛治とのやり取りなんて、鳥肌モノでしたけど。

春岡「あの子はホントに上手すぎるよな。やらせればなんでも出来るし、ホントに面白いんだけど･･･、でも、もっとやれるんじゃないの？っていう役をやってもらいたいんだよ。かといって、そんな役あるのか？って話なんだけど」

斉藤「松岡茉優を愛でるなら、あんな最高な映画はないとは思うけど、もっとそぎ落とした役だって演れるはずだからね」

田辺「ドラマ『その「おこだわり」、私にもくれよ！！』（２０１６年）とか、松岡茉優が上手すぎるから、だんだん面白くなくなっていきましたし。『映画 山田孝之 ３Ｄ』（２０１７年）に倣って、『映画 松岡茉優３Ｄ』を作るべきですよ」

春岡「松岡茉優は『ちはやふる』ぐらいのポジションで使わないと。あの子はちょっと、久しぶりに出てきた怪物だよ。あの蒼井優がかわいく見えるくらい」

──では、そろそろベスト３を決めましょうか。

田辺「僕は『火花』をベスト１にして、２位が『彼女はその名を知らない鳥たち』、３位は『南瓜とマヨネーズ』にしようかな」

斉藤「僕は『ナラタージュ』がベスト１、続いて『ビジランテ』『はらはらなのか。』の順かな」

春岡「俺は『彼女の人生は間違いじゃない』『月と雷』、そして『あゝ、荒野 』だな」

田辺「あと、大林宣彦監督って改めてスゴいと思いました、『花筐 ＨＡＮＡＧＡＴＡＭＩ』で。もうなにか言うのもおこがましいくらい」

斉藤「田辺くん、試写見終わって疲労困憊してたもんな（笑）」

春岡「『花筐』は、ベスト１０どうこうとかいう映画じゃない、もう特別枠でのランクイン。『この空の花 長岡花火物語』（２０１２年）なんて、映画を観て何十年振りに感動した大傑作だし」

田辺「もはや、人間の考えることじゃなくなってきてるという（笑）。信じられないですもん、あの年齢になって、あのレベルの作品を数年に一度作って、さらにはＰＶなんかも撮り続けてるって」

斉藤「そうそう。ＡＫＢ４８の６４分もある『Ｓｏ Ｌｏｎｇ ！』のＰＶが『長岡花火物語』の続編だったりね。関西在住者は試写さえ今年に入ってからしか観られなかったし、今こうして喋ってると『花筐』は１位にふさわしいけど、次元が違いすぎて、ま、いいかなと（笑）」

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