70代最後の夏、稲川淳二が封印してきた「寒い怪談」解禁へ…恒例ツアーの抱負語る

3時間前

『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』の会見に出席した稲川淳二(6月12日/大阪市内)

(写真4枚)

日本の怪談の歴史を変えたと言っても過言ではない、怪談師のパイオニア・稲川淳二。毎年恒例となっている『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』を、全国39会場で開催。関西だけでも大阪、奈良、姫路を巡演する。6月12日に稲川の会見が大阪市内でおこなわれ、70代最後となるツアーの抱負を語った。

■ 「いい妖怪になりたい」79歳・稲川淳二が語る未来

1980年代からタレント活動のかたわら、みずからの体験を元にした怪談話をはじめた稲川。その後怪談に専念することを宣言し、全国各地の不思議な話を収集。年1回ライブ形式で披露するというスタイルが定着した。今年の大阪公演中に79歳の誕生日を迎えるが、むしろ怪談の語り部としては、70歳を超えてからの方が味が出てきたと自己採点する。

『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』の会見で、「怪談は70歳から」と語る稲川淳二(6月12日/大阪市内)
『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』の会見で、「怪談は70歳から」と語る稲川淳二(6月12日/大阪市内)

「私は昔『怪談は70歳からだよね』と言ってたけど、艶気や欲があったりする(歳の)うちはダメですね。今は欲もなにもなく、ただ怪談が好きでやっているというのがいい。今後は『淳爺(じゅんじい)』で行こうかな」と自分の予想が当たったことを語るとともに、「80歳からもやる気はありますし、だんだん妖怪になっていく自分が楽しみですね。いい妖怪になりたいです」とさらなる進化を期待した。

■ 「夢でうなされるほど悩んだ」新作怪談の正体

一口で「怪談」と言っても、ストレートにゾッとするものから、笑えたり温かくなったりするものまで、いろんな世界があることを知らしめてくれるのが「怪談ナイト」の特徴。今年はオール新作を披露するが、そのなかでも今年の軸となるのは、ずっと語るのをためらっていた「寒い怪談」だという。

『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』で、封印していた「寒い怪談」を解禁すると語る稲川淳二(6月12日/大阪市内)
『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』で、封印していた「寒い怪談」を解禁すると語る稲川淳二(6月12日/大阪市内)

「ひんやりするとか涼しくなるとかじゃなくて、本当に寒くなるような話。愛情を持っていた者に『死んでくれたらいいのに』と考えるという、人間の情念が突き刺さってくるような話です。事件や事故の現場を、偶然見てしまったときのショックに近いんじゃないかな」と内容を匂わせ、「夢でうなされるぐらい『話していいものかなあ?』と悩んでいた話ですが、70代最後のケリを付けたいと思いました」と、腹を据えたように語った。

■ 怪談が生む「運命共同体」、ライブならではの醍醐味

本物の農家を劇場に持ってきたかのようなセットのなかで、数本の怪談と、30分程度の心霊写真コーナーを見せていくという構成。

「怪談って、みんなを一つにつなげるんですよ。一緒にジェットコースターに乗った他人同士が、運命共同体となって悲鳴を上げたりしているのに近い。みんなでだんだん怖くなっていく、空間を作り上げていくのが楽しいんですよね」と、一人で怪談の動画を見るのとは、全然違う楽しみがあるとコメント。

『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』の大阪公演中に80歳の誕生日を迎える稲川淳二(6月12日/大阪市内)
『MYSTERY NIGHT TOUR 2026 稲川淳二の怪談ナイト』の大阪公演中に80歳の誕生日を迎える稲川淳二(6月12日/大阪市内)

その運命共同体のなかには、たまに「人ならざるもの」が混じっていることもあるそうで、会見ではその体験談も出てきていた。ただし大阪の会場は「客席がにぎやかだからか、なにか出てきたりしたことはないです」ということなので、安心して(?)年に一度の“怪談のお祭り”を楽しみに行ってみよう。

大阪公演は8月20日~23日に「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)、奈良公演は10月24日に「なら100年会館大ホール」(奈良県奈良市)、姫路公演は10月25日に「アクリエひめじ中ホール」(兵庫県姫路市)にて。チケットは前売6,600円、当日7,000円(3都市とも)で、現在発売中。

取材・文・写真/吉永美和子

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