電撃閉店から5年…京都の行列店が大阪で復活、カニのラーメンが“1000円ぽっきり”で

蟹塩そば(1000円)。姫竹メンマはこんがり焼き目を付けて、自家製ワンタンの中身は貝になっている
京都で人気を博したラーメン店「麺屋 裕」が大阪・都島で復活した。2020年に惜しまれつつ閉店していたが、名店の再登場にラーメンファンたちが押し寄せている。
■ 素材は良けれど、価格帯は手頃に…新たな相棒も
店主・高松裕人さんは、京都での営業時代にミシュランビブグルマンを5回獲得した実力派だ。ワタリガニを使った看板メニュー「蟹塩そば」の旨さに、当時から店前に行列ができるほど人気ぶりも凄まじかった。ご家族の体調不良などが理由で閉店し、この5年間は電気通信業など全く異なる業種で働いていたという。

復活の経緯は、京都時代からずっと常連客で夫婦共に仲良くなっていた荒木大輔さん。税理士事務所で働いていたが、ある日「ラーメン店、復活させませんか? 僕もまた食べたいし」と切り出した。一緒に組んでくれるなら…と、共同経営者として再オープンすることになった。
元々高松さんは経理が苦手で、原価計算も限界突破の50%超えだった。常連時代からずっとメニューの味チェックもしていた荒木さんの舌も信頼できる。そして何より競走馬好きの共通点もあり、もう家族のような存在になっていたのだ。

「蟹塩そば」(1000円)の味の決め手は、もちろん「カニ」。北海道に独自のルートを確保できたのが、この手頃すぎる値段で提供できる大きな理由だった。北海道で豊漁のオオズワイガニが根昆布などを食べていることで以前よりスープの味がクリアに。卸業者と知り合うことができ、倉庫に大量に確保してくれることとなった。

さらに京都時代からの仕入れ先も背中を押してくれた。滋賀の「かしわの川中」から淡海地鶏を仕入れスープに駆使。そして「村田農園」から季節のネギを仕入れる。大量のカニを使った塩ダレには根昆布やホタテ、アサリ、ウルメを加え熟成する。
そこにモミジや豚背骨、豚肩ロースでだしをとったスープを合わせる。鶏油、カニ油など、幾重にも旨みが重なり混然となった味わいがお見事。カニの風味は立つのに臭みにはならないのだ。

また、自家製麺も中細でツルリとした表面なれど、スープをしっかり運んでくれる。その満足感たるや…。カニや地鶏や豚肉の旨みが甘く深く沁みる。香りや味わいの余韻もあるが、しつこさがない。
「毎日ブラッシュアップ。仕込みも大変だけど」と笑いながらも安堵の表情を見せる高松さんの横には、真の相棒となった荒木さんの懐深きラーメン愛が添えられた。
SNSでは同店の復活に「カニの旨みが詰まったスープがたまらん」「極上すぎる」「復活嬉しい」「1000円なのありがたい」など、ファンから喜びの声が多く挙がっている。最強タッグの快進撃はどこまで広がるのか見逃せない。

「麺屋 裕」(大阪市都島区北通2-1-29)は2026年2月11日にオープン。営業は11時~14時30分LO、17時30分~20時30分LOまで。不定休。大阪メトロ「都島駅」から徒歩10分ほど。
取材・文/曽束政昭 写真/Lmaga.jp編集部
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