東山紀之「こんな面を出していいんだ」、話題作で愛を描く

2023.9.30 06:30

舞台『チョコレートドーナツ』で主演を務める東山紀之(9月・大阪市内)

(写真2枚)

ジャニーズ事務所社長就任&表舞台からの引退が発表された東山紀之が、ダウン症の少年を育てるドラァグクイーン役で主演した舞台『チョコレートドーナツ』。2020年に世界初演を果たした衝撃作が、3年ぶりに再演されることに。開幕に先立ちおこなわれた会見では、思い入れの強い舞台に再び立てることの喜びを語った。

■「テレビ的には割と淡々とした役が多いけど…」

同性愛への風当たりが強かった1970年代のアメリカで、ゲイのカップルが育児放棄されたダウン症の少年を育てるという、実話を元にした同名映画が原作。東山は「ハロウィンの化け物だと、(劇中で)自分で言ってます(笑)」と言うほどド派手な容姿と、深い情愛を持つルディを演じて、新境地を開いた。

「テレビ的には割と淡々とした役が多いけど、ルディは感情が非常に動く役なので大変でした。でも(脚本・演出の)宮本亜門さんに納得できる引き出し方をしてもらい『こんな面を出していいんだ』という発見がありました」と振りかえり「ルディは愛の人で、彼の愛がいろんな人に伝染する。初演で本当に描きたかったその部分を、しっかり作りたい」と語った。

■「愛にはさまざまな形がある」

初演はコロナ禍と重なったため、半分近いステージが中止となり、完全燃焼できなかった悔いが残っていた。再演ではルディをはじめとするキャラクターたちの背景をもう少し提示することで、より観ている人たちが「揺れ動く」舞台にしたいと意気込む。

舞台『チョコレートドーナツ』で主演を務める東山紀之(9月・大阪市内)

「オープニング(の衣裳)がちょっと変態チックなので、登場すると『わー!』と盛り上がる回と、ちょっと引いてる回に分かれました(笑)。でも演じるうちに、お客さまの揺れ動きみたいなことは非常に強く感じたし、それはやっていて非常に楽しかったです」と明かす。

そして作品の内容についても「愛にはさまざまな形があることや、偏見や差別と戦っていく姿勢みたいなものが、エンターテインメントを通して表現できることに、新たな魅力を感じていただけると思っています。すごくいい作品なので、たくさんの方に観ていただいたいです」と呼びかけた。

東山のほかに岡本圭人、丹下開登・鎗田雄大・鈴木魁人(トリプルキャスト)、高畑淳子などが出演。10月の東京公演を経て、大阪公演は11月3~5日に「豊中市立文化芸術センター 大ホール」(大阪府豊中市)にて。チケットはS席1万3000円ほか、10月1日から発売開始。大阪のあとは、熊本、宮城、愛知でも公演あり。

取材・文・写真/吉永美和子

『チョコレートドーナツ』

期間:2023年11月3日(金)〜11月5日(日)
会場:豊中市立文化芸術センター(豊中市曽根東町3-7-2)
料金:S席1万3000円、A席1万2000円

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