二宮和也主演、瀬々敬久監督「忘れてはいけないことがある」

2022.12.8 09:00

映画『ラーゲリより愛を込めて』の瀬々敬久監督

(写真6枚)

「戦争は大きな悲劇をもたらす」(瀬々監督)

──奥さんの愛情の深さを感じますね。また、今回は収容所仲間を演じているのは、松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さんと豪華な面々です。ほかの俳優さんたちについても教えてください。

安田顕さんは、『とんび』(2022年)からのお付き合いなんですが、どんなお芝居でも適確に受け止めて主役を立たせてくれる、名キャッチャー俳優ですね。桐谷健太さんは、こちらが要求した以上の演技を返してくれました。

彼にはなにか往年の映画スター、それも映画ファンの方ならわかってもらえると思いますが、かつての大映のスター、勝新太郎さんや市川雷蔵さんを彷彿とさせる雰囲気がありますね。

©2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 ©1989 清水香子

──そういえば、桐谷さんは役柄で言うと『兵隊やくざ』シリーズ(1965~68年)の成田三樹夫さんを思わせるところもありますものね。松坂桃李さん、中島健人さんはどうでしたか?

松坂桃李さんとご一緒したのは、映画『アントキノイノチ』(2011年)以来だったんですが、この10年間でいい役者になったなあと思っていたので再会できたのがうれしかったですね。中島ケンティは・・・(笑)、実は今回一番印象的だったのは彼なんです。

彼は自分が引きの絵のとき、つまりそのカットでは彼以外の人がメインで写っているカットでも、奥の方で涙を流したり笑顔をつくったりする大きな芝居をきちんとやっているんです。演技に対して素直で真面目なんです。将来が楽しみな俳優さんだなと思いました。

「忘れてはいけないことがある」と語った瀬々敬久監督

──なるほど。最後に、この映画が今作られたことの意義についてはどのようにお考えですか?

やはり、忘れてはいけないことがある、ということだと思います。映画のなかで中島健人さんが演じてくれた青年は、実は元兵士じゃないんです。彼は収容所に来る前はただの漁師だったんです。それが、当時のソ連の領海を侵犯して操業していたために捕まって、シベリアに送られてしまった、民間人なんです。

ラーゲリ(収容所)にはそういう人たちも多くいた。つまり、戦争は兵士だけでなく、普通に暮らしをしている者たちにも大きな悲劇をもたらすのです。21世紀の現在でもそれはひとつも変わりません。いま紛争が起っている地域で同じことが繰り返されているんです。この映画を観て、そんなことを考えてもらえたら、と思います。

映画『ラーゲリより愛を込めて』

2022年12月9日公開
監督:瀬々敬久
出演:二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人、寺尾聰、桐谷健太、安田顕、ほか
配給:東宝

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