二宮和也主演、瀬々敬久監督「忘れてはいけないことがある」

映画『ラーゲリより愛を込めて』の瀬々敬久監督
第二次大戦後の1945年。零下40度を超える厳冬のシベリアで、死と隣り合わせの日々を過ごしながらも、家族や仲間を想い、希望を胸に懸命に生きた男の物語・・・。二宮和也主演の映画『ラーゲリより愛を込めて』が12月9日より公開される。『糸』『とんび』などで知られる名匠・瀬々敬久監督に話を訊いた。
取材・文/春岡勇二
「ドキュメンタリーを撮っているような感覚」(瀬々監督)
──企画の始まりはどういったものだったのでしょう?
2020年公開の『糸』(主演:菅田将暉と小松菜奈)を終えた直後に、同じ2人のプロデューサーから、次にこれを考えているんだけどって、辺見じゅんさんの原作『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』と映画化の初期プロットを渡されたんです。
──原作を読んでみて、監督本人はどのように思われたわけですか?
書かれている内容がやっぱりスゴいですよね。元日本兵が収容されていたところでこんなことがあったのか、収容者同士にこんな強い結びつきがあったのかという驚きですね。特に彼らが収容所を出た後で仲間のためにとった行動、これは映画になるなと思いました。

──戦争を題材にした作品は、監督にとって初めてですよね。
そうです。ただ、この物語は、もちろん戦争がもたらしたとんでもない出来事で、戦争について触れないわけにはいかないのですが、僕はいわゆる『戦争もの』というよりも、映画の作りとしては、例えば『第17捕虜収容所』(1953年)とか『大脱走』(1963年)、あるいは、戦争とは無縁の、無実の人間が長い間刑務所に収監されていた『ショーシャンクの空に』(1994年)などの『収容所もの』の1本として考えていました。
──監禁などの抑圧された状況下におかれた人々の物語として捉えたわけですね。
1カ所に収監され、抑圧された人たちの間に生まれる反発と和解を描くというのは『ショーシャンクの空に』と同じだなと考えていました。それに撮影中は、スケジュールがけっこう大変で、雨や雪など自然との闘いも相当あって、そういうときにエキストラとして参加してくれている俳優さんもスタッフと一緒に雪かきをしてくれて。
つまり、映画の参加者全員がひとつのところに泊まり込んで懸命に働いたわけです。それが映画で描いていることと重なって、なにか収容所を舞台にしたドキュメンタリーを撮っているような感覚になってました。だから、いかにもつくりもの的な映画を撮った気は全然しなくて、どこか生々しい、説得力を持つ作品になってくれたかなと思っています。
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