劇団四季が取材会、キャストが明かす「ミニマムな幸せ」

2022.2.6 08:45

オンライン取材会に出席したキャスト4名。左から、渡邊寛中、生形理菜、田邊真也、鳥原ゆきみ

(写真6枚)

劇団四季の16年ぶりの一般オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が、関西で初上演される。2020年の東京初演より同作に出演する、田邊真也、鳥原ゆきみ、生形理菜、渡邊寛中がオンライン取材会で、役に対する意気込みなどを語った。

同作は、両親を亡くして無気力な青年ベンが、壊れかけのロボット「タング」と自宅の庭で出会い、その修理のために国境を越えて旅に出るハートフルな物語。英国の作家デボラ・インストールの小説を基に、劇団外の気鋭クリエイター・小山ゆうなが演出、来春の朝ドラ『らんまん』も担当する劇作家・長田育恵が脚本を手がける。

ベン役の田邊は、「長田さんも小山さんも『この作品に主人公はいない』とおっしゃていて、現場ではアンサンブルを『バイプレイヤー』と表現していました。3時間の作品のなかで、おのおのが色んな役で生き生きと生きています。小さな出会いや絆が散りばめられ、そこにきらめきとミニマムな幸せがたくさんあります」とコメント。

その言葉を受け、妻・エイミー役の鳥原も「少し未来の話ではありますが、私たちと同じ世界の出来事のように感じると思います。コロナ禍だからこそ近くの人、近くにあるものをちゃんと見て、小さな幸せを探してみよう、というメッセージを伝えられたら」と想いを込めた。

物語のキーとなるタングは、パペティア(パペットの操演者として出演するパフォーマー)が歌や台詞を発しながら操作をする。そのタングとベンとの心の交流を象徴するのが、テーマ曲「ロボット・イン・ザ・ガーデン」で、胸に染み入るメロディと温かさが自然と涙を誘う。

ベン役の田邊真也「20年以上(劇団)四季にいますが、この作品ほど役者同士がファミリーになったことはないですね」と感慨深げに話す

田邊はこのナンバーについて、「タングの瞳の中に僕が描いているイメージが伝わるよう、(タングも)一緒にそのイメージを見られるようにと思って歌っています。タングはとても可愛いけれど、作品の中では異質なもので、出会ったときは可愛いと思ってはいけないんです。ふたりの距離感が大事だからこそ、最初は不必要に触らないように。淡々と言葉をかけるようにして、あの曲での触れ合いで頂点にもっていくようにと演じています」と、役作りについて明かした。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は「京都劇場」(京都市下京区)で、2月23日から4月16日まで上演。チケットはS席レギュラー1万1000円ほか。

取材・文/小野寺亜紀

劇団四季ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

会場:「京都劇場」京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル 京都駅ビル内
日程:2月23日(水・祝)〜4月16日(土)
料金:S席1万1000円、A席8800円、B席6600円、C席3300円(いずれもレギュラー)
   ※公演日によって料金は異なるため、詳細はオフィシャルウェブサイトにて

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