『正倉院展』の宝物を発表、約1300年前の文房具に注目

宮内庁正倉院事務所 漆金薄絵盤 南倉
古都奈良の秋の風物詩『第73回正倉院展』が、10月30日~11月15日に「奈良国立博物館」(奈良市)で開催。出陳55件のうち8件が初出陳されることが発表された。
今年は、聖武天皇の后・光明皇后(こうみょうこうごう)が自ら筆をとって写した書「杜家立成(とかりっせい)」とともに筆・墨・硯(すずり)・紙といった奈良時代の文房具がまとまって出陳されるのが特徴。
なかでも正倉院に残る筆は、現代の一般的な筆(無芯筆)とは異なる有芯筆で装飾が美しい。さらに、大判の白紙の表裏に動物文や飛雲の絵柄が描かれた装飾紙「絵紙(えがみ)」、貴重な素材で高度な技術を駆使した正倉院唯一の硯「青斑石硯(せきはんせきのすずり)」など、どれも豪華な文房具ばかりだ。
また、今回初出陳となる「茶地花樹鳳凰文﨟纈絁(ちゃじかじゅほうおうもんろうけちのあしぎぬ)」は、最新の調査で、これまで知られていた正倉院宝物の染織技法とは異なるアルカリ性物質を利用した文様染め技法が使われていることが明らかになっており、これも見どころとなっている。
加えて8月27日には「宮内庁正倉院事務所」で、752年の大仏開眼会で呉楽(伎楽)の伴奏者(笛吹)が着用した靴下「笛吹襪(ふえふきのしとうず)」模造品の完成披露がおこなわれ、原宝物と一緒に今回の正倉院展で公開されると発表。その忠実な復元には驚かされることだろう。
そのほかにも、螺鈿細工(らでんざいく)による煌びやかな装飾が美しい聖武天皇の遺愛品「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」や、名器「白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)」、極彩色の文様が鮮やかな蓮華形の香炉台「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」など正倉院を代表する華やかな宝物にも注目が集まりそうだ。
入館には、『第73回正倉院展』の「前売日時指定券」の予約・発券が必要(当日券なし)。大人2000円ほか。9月25日・朝10時より、ローソンチケットまたは、ローソン及びミニストップ各店舗、電話、公式サイトにて発売。
取材・文/いずみゆか
『第73回正倉院展』
期間:2021年10月30日(土)~11月15日(月)
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館(奈良県奈良市登大路町50)
時間:9:00~18:00 ※金〜日、祝日(11月3日)は20時まで
(最終入館は閉館の60分前)
料金:大人2000円、高大生1500円、小中生500円
※観覧には前売日時指定券の予約・発見が必要、当日券の発売なし
電話:0570−000−028(チケット受付)
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