見取り図「場所は関係なく、僕らは『吉本芸人』」

2021.4.7 20:15

2020年の『M-1グランプリ』で3位となり、着実に実力を付けるお笑いコンビ・見取り図(左から盛山晋太郎、リリー)

(写真7枚)

リリー「『東京進出』に、これといった答えはない」

──ちなみに最近、取材で「見取り図はいつ東京進出するんだ」と必ず質問されますよね。YouTubeの番組内でリリーさんの元バイト先の店長、樫本さんは「もうちょっと大阪にいてね」とおっしゃっていましたけど。でも核心は喋らないというか。

盛山:で、喋らないことをこの前、番組で東野(幸治)さんに怒られたんですよね。「お前ら、番組ごとに答えを変えて詐欺してるやろ」って。

リリー:でもホンマにそのまんまなんです。特にこれといった答えはないんですよ。

盛山:かまいたちさん、和牛さん、アインシュタインさん、ミキは上京したけど今でも大阪でよく見るじゃないですか。そうなったら東京、大阪とか垣根なんてない。それは僕らも同じであって、仕事で呼ばれた場所に行くだけ。東京芸人とか大阪芸人ではなく、「吉本芸人」なので。仕事のある場所に行くという、シンプルにそれだけなんです。

──2019年のM-1前に取材をさせていただいたとき、「千鳥さん、ダイアンさんのように大阪で天下を獲ってから東京に進出するのが一番格好良い」とおっしゃっていました。見取り図はその理想形に近い気がします。

盛山:そう言ってもらえるのはとてもうれしいです。ただ、よく「ポスト千鳥」「ポストかまいたち」と表現してもらうこともありますが、自覚はないんです。番組によっては第7世代にも位置づけられるし。そういう風に、いろいろと言ってもらえることはうれしいですけど。

リリー:でもそれって、やっぱりM-1の凄さですよね。

盛山:最終決戦に残るとこんなに違うのか、という実感はあります。

今や「大阪の劇場番長」とも言われる見取り図

盛山「スベったらダイレクトに反応がくる。それが楽しい」

──2020年のM-1以降、さらに大阪以外の仕事も増えてきたと思うんですが、芸人さんのなかには「大阪のお客さんは笑いに厳しいから、自分たちを高めるためにも大阪での仕事は外せない」と話す方もいらっしゃいますね。

盛山:僕の場合は生まれ育った場所ですから、そもそも大阪が好き。大阪というより、大阪の劇場ですね。東京での仕事も確かに増えてきたけど、大阪の「よしもと漫才劇場」、「なんばグランド花月」を盛り上げ続けたいです。

リリー:「大阪のお客さんは笑いに厳しい」とよく言われるけど、僕らはそこで育ったから、それが普通なんです。厳しいとも感じないし、むしろ落ち着きますね。

盛山:あと大阪だとスベるときはちゃんとスベる。それが気持ち良かったりするんです。

リリー:あ、確かにそういう環境って大事よな。

盛山:最近の話なんですけど、ネタではなく、平場でめっちゃスベったんです。シチュエーション大喜利みたいなコーナーを若手とやって、1分間スベり続けた。でも変な話なんですけど、最高でしたね。「うわ、こんなスベったんや」って。テレビじゃ分からない、ダイレクトに反応がくる劇場の良さを感じました。それが楽しいし、これからも劇場でネタはやり続けたいですね。

寝転んでのイレギュラー撮影も「これで合ってます?」と快く引き受けてくれた2人

 【見取り図】大阪・難波の「よしもと漫才劇場」に所属、2018・19・20年と3年連続『M-1グランプリ』ファイナリスト。盛山はラップ講師をつとめ、月刊誌『小説幻灯』でエッセイを連載。リリーは美術の教員免許の資格を活かしアート連載を持ち、ブランドとコラボしたイラストやデザインなども手掛けるなど、2人とも幅広く活躍。

YouTube『見取り図ディスカバリーチャンネル』は登録者数20万人を突破し、2021年は「動画アップ150本」を公約にあげ、現在も更新中。この春からは『2時45分からはスローでイージーなルーティーンで』(カンテレ)で月曜MC、全国ネット『ラヴィット』(TBS)の水曜レギュラーを務める。

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