ドアを触らず感染リスク軽減、大阪の町工場が3日で開発

2020.4.30 20:00

ドアノブに直接触れずに済む「SNAP2020」を制作した「ケイファクトリー」の桑原裕志社長(右)と協力をおこなった「ニスコム」の杉山泰規さん。普段、バイク部品を製造している同社工場内(4月28日・大阪府八尾市)

(写真3枚)

新型コロナウイルス感染症の感染リスクを少なくするために、ドアの持ち手やエレベーターのボタンなどを代わりに掴んだり押したりできる道具「SNAP2020」を大阪の町工場が製造。医療従事者を中心に1万個を無償提供している。

他社の既製品を参考にこの道具を制作したのはバイク部品を製造する「ケイファクトリー」(大阪府八尾市)の桑原裕志社長。「コロナで世界中が未知の病と闘っていて、金属加工業を生業にする自分にできる事がないか? と探していたとき、知人からのアドバイスでこの道具をつくることになった」と経緯を語る。

「とにかく必要な人に早く届けたい」という思いで、製図から完成までは約3日という驚くほどのスピード感。「自社工場で加工、研磨、レーザー加工と一貫しておこなえるから早く作れた。まずは1万個を必要な人に配ろうと決め、4月中旬に最初の製品ができてから毎日、徹夜で作り続けている」と、少し疲れ気味の表情だ。

関係者を通じて話が伝わり、コロナ患者の治療をおこなっている医療機関から提供依頼が次々と入り、すでに半数以上は医療従事者の元に。「仲間の企業が協力してくれて、医療機関とのやり取りはほとんどやってもらっている。僕は作ることに集中するだけ。医療崩壊を起こさないための、一助になってもらいたい」と思いを込めた。

4月30日には、滋賀県の「草津総合病院」(草津市)に1200個贈呈。同病院の岩崎良昭医師は、「病院内はコロナだけでなく、さまざまな症状の方がいろいろなところに触れている。この道具を見たとき、『こんなものがあるんだ!』とすぐに提供を依頼した」と、同道具の実用性を話す。

また、「実物を手にするとモノづくりへの愛と責任を感じた。そして、桑原さんたちの思いも感じ、心を打たれた。職員たちを守れるものが手に入り、本当に助かり、ありがたい気持ちでいっぱい」と、感謝の気持ちを語った。

院内感染を防ぎ、医療崩壊リスクを軽減する一助となっているSNAP2020。残りは完成次第、随時必要とされている医療機関に提供される予定だ。

取材・文/岡田由佳子

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