京都で、皇位継承をテーマにした展覧会

2018.9.6 07:00

東山天皇御即位式・霊元上皇御譲位行列図屏風 狩野景信/画 貞享4年(1687) 個人蔵(皇學館大學神道博物館寄託) ※細見美術館で展示

(写真5枚)

皇位継承の儀式として重要な「即位礼」と「大嘗祭」をテーマにした展覧会が、「細見美術館」(京都市左京区)で10月8日まで、「京都市美術館 別館」(京都市左京区)で9月15日までおこなわれています。

来年の春、日本では今上陛下が御譲位され、皇位継承がおこなわれます。「平成」の世が終わり、新しい時代が始まるのです。そのタイミングを見計らったかのような同展です。細見美術館では、東山天皇の即位図屏風(貞享4年/1687)や、後陽成天皇の聚楽第行幸(天正6年/1588)、後水尾天皇の二条城行幸(寛永3年/1626)を描いた屏風、後桜町女帝と光格天皇の大嘗祭で用いられた悠紀主基屏風(初公開)が大きな見どころです。また、「小原家文庫」や「鈴鹿家資料」などの貴重な資料類も多数展示されており、近世・近代の即位式・大嘗祭がどのようなものであったのか分かります。

東山天皇御即位式屏風再現模型(1/4スケール、部分) 株式会社井筒グループ制作 ※京都市美術館 別館で展示

第2会場の「京都市美術館 別館」でも様々な資料が見られますが、とりわけ注目すべきは、即位礼の様子を立体的に再現した模型の数々です。特に、東山天皇の即位図屏風を4分の1のスケールで再現した模型は、その巨大さもさることながら、実物と同じ素材を用い、歴史考証にも万全を期すなど、驚くべき緻密さで作り上げられています。ほかには、即位式の儀式装束や、奈良時代から明治・大正時代までの十二単、牛車なども見られます。

皇位継承の儀式はきわめて重要なものですが、我々がその様子を直接見ることはできません。本展を通して、皇位継承とは、譲位とはどういうものかを学ぶのは意義深いことだと思います。なお、第2会場の「京都市美術館 別館」の会期終了後は、9月19日から「みやこめっせ」(京都市左京区)に会場が移り、展示の規模が若干縮小するとのこと。ご留意を。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『明治150年・平成30年記念 京都の御題礼-即位礼・大嘗祭と宮廷文化のみやび-』

<第1会場>
期間:2018年9月1日(土)~10月8日(祝・月)※月曜休(9/17・24・10/8開館、9/18・25休館)
時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで 
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
料金:一般1000円、学生800円、中小生無料

<第2会場>
期間:2018年9月1日(土)~15日(土)※月曜休 
時間:9:00~17:00 ※入館は16:30まで 
会場:京都市美術館 別館(京都市左京区岡崎最勝寺町13 岡崎公園内)
料金:無料

期間:2018年9月19日(水)~27日(木)※会期中無休 
時間:9:00~17:00 ※入館は16:30まで
会場:みやこめっせ 地下特別展会場(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1)
料金:無料

電話:075-351-1137(実行委員会事務局/株式会社茫内)

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