大阪の地下アイドル、映画出演で変貌

2017.12.10 18:00

地下アイドルグループ・くぴぽのメンバー(左から、なーさん、まきちゃん、つじこ)

(写真3枚)

誰かに見つけてもらうことの重要性

しかし、くぴぽのライブは、全アーティストのなかでも最大級の熱波が吹き荒れた。約500人が詰めかけたフロアに向かって、女装のリーダー・まきちゃんは何度もダイブで突っ込み、そのまま後方の出入り口まで運ばれ、ステージではなく観客のド真ん中でほぼ終始歌った。体当たりのパフォーマンスにお客さんも高揚し、映画のメイン曲『笑え!ノイローゼ』のワンフレーズ「私がそばにいてやる!」を一緒になって叫び、最後の『まきちゃんかわいいSONG』では、くぴぽ史上一番のMIX(註1)が沸き上がった。
註1:イントロや間奏のときに観客が挿むコールのひとつ。もっとも使用されるのが、「タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!」というMIX。

アイドルイベント『エクストロメFEST 2017.12』(大阪市内)の様子

ライブ後に訪れたファンに話を聞くと、「東京のアイドルは確かにスゴかったけど、今日のくぴぽは遜色はなかった。こういうライブを続けていけば、ひと皮むけるはず」と今後への期待を膨らませた。また、『エクストロメ』の主宰・こばけん氏は、「前回出演してもらったときは空回りしていたけど、今日はそれがなかった。『なぜ、くぴぽがトリなんだ』という意見もありましたが、トリが一番偉いわけではないですよね。自分が今、推したいグループにトリを任せたかっただけ。それが今回はくぴぽだった。期待に応えてくれたと思います」とグループの成長を実感したという。

アイドルイベント『エクストロメFEST 2017.12』(大阪市内)の様子

ライブ本編中、くぴぽのメンバー・なーさんが言った「今日はみなさんに見つけてもらいに来ました」という一言にグッときた。なかなか陽が当たらない地下アイドルにとって、誰かに見つけてもらうことは重要だ。目撃者が増えれば増えるほど、口コミなどが広がって話題になる。でも、どうすれば見つけてもらえるのか。なぜくぴぽは、映画や大型イベントへの出演が叶ったのか。『エクストロメFEST』直後、くぴぽのリーダー・まきちゃんをつかまえて話を訊いてみようと思った(次回へ続く)。

取材・文・写真/田辺ユウキ

くぴぽ

映画『くぴぽ SOS!』

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