13年ぶりの京都、麿赤兒の舞踏集団

大駱駝艦『ムシノホシ』2014 写真/Hiroyuki Kawashima
来春開催の国際舞台芸術祭『KYOTO EXPERIMENT』で、怪優・麿赤兒が主宰する舞踏集団「大駱駝艦」が、13年ぶりに京都公演を行う。昆虫がテーマだという上演作品『ムシノホシ』や、舞踏とは何ぞや?という初歩的な質問まで、舞踏の生きる伝説である麿に話を訊いた。
「舞踏は(麿の師匠の)土方巽が作った、東北の風景と人々の営みをモチーフにした踊りです。「踏む」という言葉の方が「踊(よう)」というフワッとした言葉よりリアリティがあったんですね。人前にあまり出したくないような無様な動きやコンプレックスを、むしろ舞台にバーン!と乗せてみる。するとその無様なものが、舞台の虚構によって反転するんですよ。それが面白いし、舞踏の妙ですね」
舞踏といえば、この舞台写真のような白塗り姿がお約束みたいになっているが、あえてその理由も聞いてみると・・・。
「人間の身体は根源的に恥ずかしいというコンプレックスがあるんでしょうね。だって人間より、ライオンの(体の)方がカッコいいし。あと白蛇とかの白い動物って、1つのアウトサイダーではあるけれど、同時に畏怖みたいなものもあるじゃないですか? だから白塗りをすることで日常の身体を隠すとともに、そういったモノに変貌しようという欲望があるんですよ・・・。ま、全部後付けなんだけど(笑)」
『ムシノホシ』は「この先人類はどうなるのか」という疑問を、昆虫をある種の見本にして妄想していく、麿いわく「SFホラーファンタジーの作品」だという。

「人間は生まれてたかだか700万年ぐらいだけど、何10億年も形を変えながら存在している昆虫の多種多様な生き方や、変態・擬態する能力は、やっぱ人間もっと見習わなきゃいけないと。そういうことを感じてもらいつつ、昆虫になったフリをしている変な親父の、狂った感じを観ていただくというのが、今回のひとつの見せ所です」
ちなみに麿はどんな昆虫になるのかというと「蝶とアリを合成したようなモノ」との答が。その得体のしれない動きと狂気が、どのように舞台上で反転するかを見届けに行ってみよう。
取材・文/吉永美和子
大駱駝艦・天賦典式『ムシノホシ』
日程:2016年3月16日(水)19:00〜、17日(木)15:00〜
会場:京都芸術劇場 春秋座
料金:前売=一般3,500円、学生・ユース・シニア3,000円、高校生以下1,000円
電話:075-213-5839(平日11:00〜19:00)
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