『Meets』編集部の余談。

今週末、飲みたいワイン。第11回

2020.7.24 17:00

カテゴリ:コラム

家飲みの日々が続くなか、偶然立ち寄った天満橋のワインショップ[salvis wine & records]で、お薦めのヴァンナチュール(自然派ワイン)の複雑な味わいに開眼。カタカナや専門用語が苦手な人でも楽しめる! 週末に飲みたい、小さな作り手による物語のあるワインを紹介します。


第11回
1種類のみで勝負する、渾身の自然派ワイン。
COL TAMARIE Vino Frizzante

今回はイタリアの北東部、ヴェネツィアが州都のヴェネト州の白ワインをご紹介します。

ヴェネト州のヴィットリオ・ヴェネトという町で、自然に囲まれて暮らすアルベルトさんとマルタさん夫妻。ふたりのワイナリーで造るワインは、なんと今回ご紹介する白の微発泡1種類のみなんです! ブランド名「コルタマリエ」の「ヴィーノ フリッツァンテ」というワインですが、通称は「コルタマリエ」です。

このあたりは「タマリエ」と呼ばれる土地でした。地元の人びとは、自然に囲まれ、時間の流れがゆったりと過ぎる素敵な場所のことを「タマリエの丘(コルタマリエ)」と呼んでおり、夫妻はこの地でできたワインにその名前を付けたんです。

アルベルトさんとマルタさん夫妻。マルタさんはホメオパシストで、その考えをブドウ栽培や畑に反映させている。

2000年からブドウづくりを開始。実験的に醸造を始めたのが2007年で、納得いくワインができるまで6年かかり、2013年に初リリースしました。最初から農薬は一切使わず、9haの土地のうち、半分をブドウ畑に、残り半分は森のままで自然環境を保っています。

栽培するブドウは、ここヴェネト州で造られ、世界的に有名な白のスパークリングワイン「プロセッコ」の主要品種であるグレラと、その他の補助品種。より自然な状態に近づけるため品種を区分けせずに乱雑に栽培し、一気に収穫することで、品種や熟し具合が混じり合った、複雑なニュアンスが楽しめます。

ラベルの風景にも似た、ブドウ畑の丘。

自然酵母で発酵させ、全行程でフィルター濾過や清澄作業(濁りを取り除く作業)をしないため底には澱が溜まります。普通は澱を除けて飲みますが、このワインは飲む前に混ぜることで複雑味が増し、よりおいしくなるんですよ。

イタリアで試飲会に出るときも、当然この一本で勝負。「土地の自然をそのまま感じられる」とその魅力の強さが多くの人の心をとらえ、実際に僕も心を掴まれたひとりです。

どんな味ですか?

サルヴィス不動のエースです。初めて飲んだときの衝撃は、約20年間のワイン人生でも最大レベルのもの。「ど」がつくほどのナチュールなのに野暮ったさは一切なく、クリーンでドライ。絶妙の泡と複雑な味わいに、「このワインを軸に考えれば店ができる」と確信し、1年後にこの店をオープンしました。2日目もしみじみ旨い、癒やしのワインです。

飲んでみました。

「3,000円の価格でこの味は衝撃」「未だに飽きず、毎年の仕上がりが楽しみ」など、店主からの前情報に期待値は上がりまくりでしたが、その期待を裏切らない一本。すっきりと辛口で料理の邪魔をせず、ほどよい酸があって切れ味は抜群。微発泡が心地良くて、ずっと飲んでいられそうな…。いったん開栓すると、やめどきが難しいのでご注意を。

王冠で開けやすいタイプ。イラストもかわいい。
しっかり冷やして、明るいうちから楽しみたい。
左は底に澱が沈殿した状態。飲む前に澱を混ぜると右のような色に。

今週のワイン

コルタマリエ ヴィーノ・フリッツァンテ

産地:イタリア・ヴェネト

3,000円(税抜)


salvis wine & records
[天満橋]
大阪市北区天満3-3-18 順源ビル1F
TEL 06-6356-7072
12:00〜20:00 水曜休
Instagram(@salvis_wine

店主・野口一知さんがセレクトする小さな作り手のワインと、好きな音楽のレコードを扱う専門店。ワインはヨーロッパを中心に約200種を扱い、その約8割がナチュールワイン。知識ゼロでも、味の好みや飲む相手などを伝えれば、ぴったりのワインを教えてくれる。奥には隠し部屋的なバー空間があるのでぜひお尋ねを。全国発送可。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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