真っ白なウエディングドレスの裾が、風になびく写真が注目の的になりました。そこには、ドレスの裾を持ち上げて、サッと消えようとする妖精さん？の姿が写ってしまっています。しかも真剣そのもの。夜のキラキラきらめく東京の街で幸せそうな新郎新婦とは対照的（笑）。
この写真を「ウェディングフォトの闇」とツイートしたのは、ちぃずちゃんねる（@0321Haichiizu）のはるちゃん。妖精さんご本人です。

リプライには「ちょ 笑 すごい 笑　本当に一瞬ではけようとする勢いがすごい」「スカート巻き上げ職人」「世界は誰かの仕事でできている」「風の妖精のお仕事の代行、お疲れ様ですｗ」「めっちゃ爆笑しました」「どれだけ速くそして身軽に逃げれるかが鍵ですよねw私もしてますw」と笑いとプロの仕事に感心する声が集まりました。ちなみに、新郎新婦も妖精さん入りの写真が気に入っているそうです。

このツイートに、なんと４１.５万いいねと８.５万リツイートがついて大反響。あまりのインパクトに、ドレスが巻き上がっている写真というだけで、はるちゃんの残像が見える人まであらわれています。はるちゃんは、同じように妖精さんが写ってしまった別の写真２枚を「他にもある。この際晒す。」とツイート。こちらも４.８万いいねがつきました。

はるちゃんは、カメラマンの仲道雄大さんのアシスタントとして、ウェディングフォトをサポートしています。二人は夫婦で、結婚式の撮影や、思い出の場所での前撮りなどに対応する写真屋さん。ちぃずちゃんねるは、大好きなディズニーランドにからめた動画を公開するYouTube用のアカウントだそう。ちぃずちゃんねるのお二人に聞きました。

──とてもかわいらしい方なのに、なかなかの写真を晒しちゃいましたね（笑）。

はるちゃん「ありがとうございます（笑）。撮影すると時々こういう自分のおかしな写真が撮れて、よく新郎新婦さんと笑って見てたんです。『これも欲しい！』って方ばかりで、毎回こういう変な写真も納品させていただいておりました。その中で今回の写真が過去イチおかしくて、ずっと身内で笑っていたんです。自分のインスタとか、夫のインスタとかにも上げては笑われていて、ずっと私本人もじわじわしていて…ある時、本当に夜中のテンションで、YouTubeの視聴者さんに見せちゃおと思って『見て見て笑えるでしょ』みたいな気持ちでツイートしただけでした。そしたらこんなことに（笑）」

──ドレスの裾を巻きあげるほかに、知られざるアシスタントのお仕事などあるのでしょうか？

はるちゃん「思いつくものは特にないですが…新婦さんが綺麗に見えるポージングや体、顔の向きなどを、私自身が鏡の前でポージングしたりして研究しています。あと私だけだと思いますが、２年前まで保育士をしていたので、赤ちゃんがいらっしゃる新郎新婦さんの撮影の際に離乳食をあげたりおむつを変えたり寝かしつけたり、完全にお子さんをお預かりすることもあります」

──それは助かりますね！　なぜウェディングフォト専門に？

はるちゃん「最初に始めたのは夫です。結婚してから私がジョインした形になります。夫は２０歳の頃、血液の癌（バーキットリンパ腫）になり、辛い闘病生活を送りました。その辛かった時に、病室に写真を貼っていて、それに元気付けられた経験によって、今度は自分の写真でみんなにエネルギーを与えたいと思い始めたのがウェディングフォトでした」

──どんなところにこだわって撮られているのでしょう？

仲道雄大さん（以下、仲道さん）「『あなたの人生に寄り添う１枚を』が、私たちのモットーです。人生で辛いことがあった時、その写真をみて『また頑張ろう』と思える、その人の人生に寄り添えるものを目指しています。ですので、お部屋に飾ってもらえるお写真を撮ることを意識して撮影しています。完成度はもちろんのことですが、表情の良さや２人らしさも忘れないようにしています」

──ウェディングフォトの魅力ってどんなところだと思われますか？

仲道さん「僕たち側からの魅力としてはその人の人生に寄り添えることです。その日１日のために、ダイエットしたり、衣装を選んだり、髪やメイクをしてドレスを着て愛する人と一緒に写真を撮ってもらうって一生の中でもすごく貴重な一時だと感じています。そんな貴重な時間を共にでき、力になれるウェディングフォトに僕は魅力を感じています」

──今回は笑える写真が話題になりました。

はるちゃん「とにかくびっくりですね（笑）。けど暗いニュースばかりの今、私の写真で笑ってくれる方がたくさんいてとにかく嬉しかったです！」

■YUDAI NAKAMICHI PHOTOGRAPHY　https://yudainakamichi.com/

取材・文／太田浩子