仲野太賀 VS 松下洸平、緊迫の“12分間”…煽るつもりがトラウマで自滅【豊臣兄弟】

2時間前

『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀長(写真右、仲野太賀)の熱意に胸打たれ、にらみつけながら葛藤する徳川家康(写真左、松下洸平)(C)NHK

(写真13枚)

仲野太賀主演で、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長(小一郎)が、兄とともに天下一統を果たすまでを描いていく大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)。

10月25日放送の第41回「家康の野望」では、家康がついに秀吉に頭を下げることに。そこに至るまでの秀長&家康のやり取りに視聴者はとてつもない緊張感を抱くととともに、思いがけない家臣との再会にもSNSが沸いた。


■ 徳川家康、ついに秀吉に臣従…第41回あらすじ

豊臣秀吉(池松壮亮)が妹・あさひ(倉沢杏菜)を、徳川家康(松下洸平)の正室として送りこんでも、家康は上洛の気配を見せなかった。秀吉と小一郎は苦肉の策として、母・大政所(なか/坂井真紀)も人質にすることを考えるが、大政所は2人が天下を取るためにと、喜んで受け入れた。

あさひに、母が来ても上洛をしなかった場合の徳川家の損失を説かれた家康は、6万の兵を連れて行くことを条件に、上洛を受け入れた。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。上洛の意思を固めた徳川家康(松下洸平)に礼を言うあさひ(倉沢杏菜)(C)NHK

正式な謁見の前夜に、家康と対面した秀吉は、織田信長(小栗旬)の足軽だった頃に、家康に「恐れずに、己を信じて突き進む」などと言われたことを信じてここまで来たと明かし、今は形だけの臣従でも、いつかは真の心で通じ合えることを願った。

翌日、月代(さかやき)にした家康は秀吉に拝謁し、これからは秀吉の配下として戦うことを誓う。大坂城の天守で、秀吉とともに空を見上げた小一郎は「今が一番ええ、そんな気がするわ」とつぶやいた。

■ 家康があさひを恐れる理由「人質ソムリエ」

思えば秀吉と家康の因縁は、まだ若かりし秀吉が家康に「どうすればあなたのように偉くなれるのか?」と問うて、「強い心で誰もやってないことをやればいいよ!」などの、嘘っぱちの回答をしたことから始まった。

そこから、秀吉は破竹の勢いで出世し、かつては馬上の姿を見上げた家康を、ついに自分に従わせる一歩手前までやってきた。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。徳川家康(松下洸平)に、大坂から取り寄せた派手な打掛を着てもらおうとするあさひ(倉沢杏菜)(C)NHK

まずは攻略のために、ラブラブの夫と別れさせてまで家康の元に送り込んだ妹・あさひ。兄の野望に巻き込まれてシュンとしたり、あるいは心を閉ざしていた従来のあさひと違い、倉沢版・あさひは「家康上洛」のミッションを積極的にこなそうとするタフな女性に。

早速、兄から送られた羽織を渡そうと家康を探し回り、家康は部屋に隠れるという、どっちが立場が上なのかがわからない構図に、SNSは大笑い。

「あさひちゃんめっちゃ楽しそうやないかい」「のびのび暮らしてそうでちょっと安心」「あの家康がタジタジしてるの珍しいw」「前回めちゃくちゃ心配したのに、心配無駄だったわw」「大河史上最強のあさひ」などの言葉があったが、

家康があさひを恐れているのは、人質を受け入れた覚悟が決まってるところという理由にも「自分も人質経験があるから、あさひの気持ちが判っちゃうんだ」「人質ソムリエ家康」などの納得の声が。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。母・なか(写真右、坂井真紀)と再会し、抱き合うあさひ(写真左、倉沢杏菜)(C)NHK

しかし、それでも家康は上洛しようとはせず、兄弟は石田三成(松本怜生)の後押しもあって、母・大政所を人質として送ることに。

それを言い出しかねてる兄弟の気持ちを読んで、自分から家康の元に行くことを志願する大政所に、SNSは「とっくに全てを察してた大政所様。やっぱり母だなぁ」「倅共の悪巧みなんて、かーちゃんにはまるっとお見通しよ」「自分がお天道様になれって言った責任を取れる聡明なおっかさま」「これは天下人の母」などの感心の声が上がっていた。

■ 仲野太賀 VS 松下洸平、緊迫の“12分間”

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀吉への謁見前日、徳川家康(写真左、松下洸平)をもてなす豊臣秀長(写真右、仲野太賀)(C)NHK

この豊臣レディースの奮闘によって、ついに上洛を決めた家康だった・・・が! 主目的は頭を下げに行くことではなく、秀長のタマを取りに行くことだった。北条氏政(谷原章介)に狙われてるという理由を付けて大量の警護を送り、そこに刺客を潜り込ませるという、なかなか姑息な手段に出た家康。

しかし「相手に信頼されるために、こっちが腹の内をすっかり見せる」作戦を実行した秀長、家康の趣味を聞き出したり、大坂城の南側が攻めどころと暴露したりと、SNSが一斉に心配するほどピュアピュアだった。

「これ大坂の陣の布石」「大坂城を攻めるならば南側から・・・それは大河視聴者であればみんな分かっている」「のちにその場所に真田丸を造られ、苦戦を強いられる徳川軍」などの未来の話で盛り上げるとともに、

家康が趣味を聞かれて「(小声で)薬草集め」と嫌そうに答えるところにも「拗ねた薬草集め可愛い」「薬草集め!(長生きの秘訣)」「薬の調合とか他に言いようもあったろうに、素直に好きなこと話したのは偉いよ家康」などの好意的なコメントが並んだ。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀長をにらみつける徳川家康(松下洸平)(C)NHK

そして、家康が秀長を試すように「今までで一番辛かったことは?」と質問すると、百姓時代の友人・信吉(若林時英)、許婚の直(白石聖)、義理の息子・与一郎(大西利空)の理不尽な死が次々に出てきて、家康も妻や息子の死が脳裏をよぎるという、諸刃の剣をモロに受けたような状況に。

これにも「今まで大事なものを守れなかったヤッスに、その攻撃は効く」「秀長と家康、被るところがあるんやね」「ヤッス、煽るつもりが自身のトラウマまで思い出す」など、仲野太賀VS松下洸平の演技合戦も込みで圧倒される声が出ていた。

■ 第5回の“家康の嘘”が、バケモンを生んだ…

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀長(写真右、仲野太賀)と話す徳川家康(写真中央、松下洸平)に、お酒をつごうとする長尾吉房(写真左、上川周作)(C)NHK

自分と似たような境遇であり、そして「みんながこんな目に遭わないような世界を、兄とともに作る」という秀長のまっすぐな覚悟に、ついに家康が折れた。長尾良房(上川周作)がうっかり落した盃を、家康からの合図と勘違いした刺客が秀長に矢を放ち、家康はそれを肩で受け止めた!

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀長(写真左、仲野太賀)をかばい、肩で矢を受け止める徳川家康(写真右、松下洸平)(C)NHK

その現場に秀吉も現れて、3人は腹を割って話すことに。そこで秀吉が、家康の嘘アドバイスを今も真に受けて、金言としていたことに、SNSで一斉にツッコミが。

「あのときのドヤ顔アピールが、ちゃんとここに繋がっていたとは」「あの時のテキトー発言が秀吉の心に生きていたw」「いいのかあの言葉全部嘘っぱちなんだぞ??」「徳川(そんなこと言ったっけ・・・) 」「かつての戯言がこのバケモン生み出したんすよヤッス」「あんな適当に言ったでまかせが、いま徳川殿の目の前に立ち塞がるものになってるの、人間って不思議」と、ある種、家康の因果応報のような形で、秀吉&秀長に臣従することになった。兄弟たちにとっては、まさに100万の味方を得たようなものだ。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。徳川家康(写真右、松下洸平)に、見せかけでいいから臣従の意思を見せてほしいと頼む豊臣秀長(写真中央、仲野太賀)と秀吉(写真左、池松壮亮)(C)NHK

そして、家康は豊臣方の武将の証のように、頭を月代に剃り上げ、対面した秀吉に陣羽織を所望したという、有名なエピソードも回収。

SNSも「ここで月代姿になって豊臣家臣団に入ったんだよーと目で見て分かるやつ!」「ヤッスの声、ギスギスしたトーンがなくなってるよ」「有名な陣羽織ください=戦は自分がやりますイベントを、こういうカタチにしたかぁ」「この陣羽織の場面・・・信長様が、秀吉に上着掛けた(贈った)場面思い出した」などの、ハッピーな展開をことほぐような声が集まっていた。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀吉(写真手前、池松壮亮)の前に、月代姿で表れた徳川家康(写真中央、松下洸平)(C)NHK

■ 秀長「今が一番ええ」…フラグを立てるな!

松下家康が秀長を殺そうとしたのは、ずっと自分の側にいた家臣・石川数正(迫田孝也)を豊臣方に奪われたと思ったのが動機だった。

これまで家康が出てきた大河では、出奔後の数正との関係はフェイドアウトするパターンになっていたが、松下家康は数正が最後に願った「一緒に呑みましょうね」を叶えるために再会し、変わらぬ絆を確かめあった。ヤッス×数正“主従萌え”の人たちのわだかまりが、昇華されたシーンだろう。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀吉(写真左、池松壮亮)から陣羽織をかけられ、今後の抱負を宣言する徳川家康(写真右、松下洸平)(C)NHK

実際、SNSは「『どうする家康』では描けなかった家康と数正の再会だ」「全オタクが夢にまで見た理想の家康と数正のエンディングが公式になるなんて・・・」「ウワァァンこの二人が最後に酌み交わせて良かったァ」と涙涙の状態となり、

家康の「長生きして天下を狙う」宣言も「長生きが本当に大正解だったパターン」「今日のタイトルたる家康の野望『長生き』なのめちゃくちゃ良い」などの、タイトル回収に感心する言葉もあった。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣秀吉(写真左、池松壮亮)が徳川家康(写真右、松下洸平)に陣羽織を贈る様子を、感慨深げに見る豊臣秀長(写真中央、仲野太賀)(C)NHK

こうして天下一統まで、残すは東北・関東・九州エリアを残すのみとなった兄弟。先行きの明るさに、秀長が思わず「今が一番幸せじゃね?」と漏らす。

実際、兄弟の関係としては、秀長の熱意によって家康を味方に付けることができた、このお手柄がピークになるということを、私たちは知っている・・・小一郎よ、なにも自分でフラグを立てなくてもいいのに。

SNSでも「『今が1番ええ』やめてくれ・・・」「秀長、まだ満足してはダメ。こういうこと言う人、だいたい先に向こうに連れて行かれる」「そうですね!九州征伐もやめとこうぜ! 長宗我部元親(磯部寛之)が泣いちゃうからな!」「フラグをたてるな。あと2ヶ月あるんだぞ」「こっから落日篇って事かあ」「『今が一番えぇ』確かにそう思うから、もう俺たちの戦いはこれからだエンドにしない?」などの、まさかのドラマ終了を願う声もあふれていた。

『豊臣兄弟!』第41回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第41回より。豊臣兄弟の天下一統に協力すると話す徳川家康(松下洸平)(C)NHK

確かにどんなゲームでも、いろんなことを攻略する間が一番楽しくて、いざ守りに入ってしまうと、自分の抱えているものが大きければ大きいほどそれを持て余し、下手したらあっという間に潰されてしまうものだ。

豊臣兄弟もまた、ほぼラスボス級の家康を攻略したことで、次の一手に向かって兄弟の足並みが乱れてしまうターンに入ってしまうのだろうか。それにしても「秀長がいなくなれば豊臣家は崩壊する」ということを、誰よりも早く予見していた家康。ちょっと最近のコラムの締めとしてパターン化されてしまってるが、やはり後の天下人は只者ではないと、何度でも言わざるを得ない。

◇

大河ドラマ『豊臣兄弟!』はNHK総合で毎週日曜・20時から、NHKBSは18時から、BSP4Kでは12時15分からスタート。11月1日放送の第42回「北野大茶湯」では、秀吉が聚楽第落成記念に、大規模な茶会を催すことに。そこで様々なトラブルが起こると同時に、元室町幕府将軍・足利義昭(尾上右近)が再登場する。

文/吉永美和子


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