「図鑑のスズキ目が消える?」魚好きの間で衝撃…京都水族館のユニーク企画展で知った、スズキの魅力

2時間前

魚らしすぎる風貌がゆえ、目に留まりにくいスズキを主役にした『あっちもこっちもスズキさん』(京都水族館)

(写真7枚)

スズキをはじめ、かつて「スズキ目(もく)」に分類されていた魚たちにスポットを当てた企画展『あっちもこっちもスズキさん』が、「京都水族館」(京都市下京区)で10月1日から開催中だ。

実は、かつて約4800種もの魚が属していた「スズキ目」は近年、分類の見直しによって再編されている。SNSでは「あの図鑑のスズキ目が消えるのか…」「どいつもこいつもスズキだったから見直しはいい事かな?」といった声も上がっているが、そもそも“目(もく)”がなくなるとはどういうことなのか。京都水族館の飼育スタッフに話を聞いた。

企画展『あっちもこっちもスズキさん』開催中の「京都水族館」
企画展『あっちもこっちもスズキさん』開催中の「京都水族館」

■ 人間界だけでなく、サカナ界にも“スズキさん”がいっぱい

水族館では当たり前の存在であるがゆえに、なかなか注目されにくい魚たち。そんな魚類の1種ごとの特徴に目を向けてほしいという思いから企画された同展では、生体展示や解説パネルに加え、質問に答えていくと自分にぴったりの魚(=恋愛対象)がわかる「スズキさん相性診断」など、ユニークな展示も楽しめる。

スズキ目の全容を紹介する展示パネル(京都水族館)
スズキ目の全容を紹介する展示パネル(京都水族館)

「スズキ目」とは、かつて多くの魚が分類されていたグループのこと。日本に分布する海水魚が約3800種に対し、そのうち約1600種程度がスズキ目に分類されていたという。食卓でおなじみのマグロやサバから、『ファインディング・ニモ』で知られるカクレクマノミまで、実に幅広い魚たちが含まれていた。

かつてスズキ目に属した、多種多様な魚たちが泳ぐ水槽(京都水族館)
かつてスズキ目に属した、多種多様な魚たちが泳ぐ水槽(京都水族館)

同館の飼育スタッフ・芹ケ野さんによると、「もともと魚の分類は、体の形や鱗の数、ヒレの条数といった体の構造などを比較して決められてきたのですが、技術の発展によってより根本的な遺伝子の比較が可能になり、スズキはスズキ目ではなさそうだということが判明したんです。それが分類の見直しにつながりました」とのこと。

こうした分類の見直しによって、かつてスズキ目に属していた魚たちは別々のグループに再分類され、スズキ自身も「ホタルジャコ科」に分類されることになったのだ。

■ 一匹狼タイプで、バシッと決める…スズキの意外な生態に胸キュン

では、今回の主役であるスズキは、どのような魚なのか。

芹ケ野さんによると、「群れない魚で、落ち着いているタイプ。同じ海域にとどまり、冬場は少し深い場所にいますが、春から秋にかけては陸に近い場所で生活しています。口を大きく開けて魚を食べるので、力強さもある。ずっと追いかけ回すというよりは、そっと近づいて、最後は一気に加速して一瞬で魚を丸呑みします」とのこと。

夕方や朝など薄暗い時間帯によく動くというスズキ(京都水族館)
夕方や朝など薄暗い時間帯によく動くというスズキ(京都水族館)

じっくり観察してみると、大きな口裂がなかなかダンディ。一匹狼タイプで、狩りにも無駄なエネルギーを使わないという生態を知れば、胸キュン要素が多い魚かもしれない。

■ おすすめの食べ方は「中華蒸し」! オリーブオイルやゴマ油で香り付け

同展では、かつてスズキ目に分類されていた魚たちの特徴に加え、おすすめの調理方法も紹介している。食欲の秋ということで、今回はスズキのおいしい食べ方についても聞いてみた。

おすすめの調理法とともに“スズキ目”に属した魚を展示する水槽(京都水族館)
おすすめの調理法とともに“スズキ目”に属した魚を展示する水槽(京都水族館)

同館の飼育スタッフ・芹ケ野さんのおすすめは「中華蒸し」。「個人的には中華蒸しにした方がおいしい。うまみは強いが、独特の香りがないため、オリーブオイルやゴマ油などで香りを付けると結構合うんじゃないか」と話す。

11月1日の「全国すしの日」には、記念イベントも開催。全国の「すずき」さんが集まり、おすしを食べながら、「京の海」大水槽のスズキ目に分類されていた魚たちについて学ぶ、というユニークな内容となっている。

魚の分類という少し難しそうなテーマを、身近な魚の姿や食文化から楽しく学べる同展。水槽の中で泳ぐ魚たちをじっくり観察しながら、それぞれの個性に注目してみては。

スズキが泳ぐ「京の海大水槽」。同展開催中は“スズキ目”を探せるよう双眼鏡を設置(京都水族館)
スズキが泳ぐ「京の海大水槽」。同展開催中は“スズキ目”を探せるよう双眼鏡を設置(京都水族館)

『あっちもこっちもスズキさん』は、12月28日まで。場所は1階休憩スペース(「ペンギン」エリアスロープ前)、2階「京の海」大水槽で、料金は無料(水族館入場料別)。

取材・文・写真/角野好代

『あっちもこっちもスズキさん』

期間:2026年10月1日(木)~12月28日(月)
会場:京都水族館(京都市下京区観喜寺町35-1 梅小路公園内)
時間:10:00~18:00(土日祝10:00~19:00)
料金:無料(別途入館料は必要。当日一般2600円、ほか)

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