「西は変態が多い」植物界隈は西高東低?大阪で注目イベント続々開催

4時間前

若い女子だらけの人混みをかき分け、京セラドームへ。「本日のイベント」には、『第六回 天下一植物界』の文字。「スカイホール」で開催される(Lmaga.jp編集部撮影)

(写真19枚)

「西高東低」…天気のことではない。「植物」についての話だ。今や、すっかり定番の趣味のひとつとなった「植物界隈」だが、「関東より、関西のほうがアツい」という人も。それはなぜなのか、大阪で開催された人気イベントで、その背景に迫った。

『第六回 天下一植物界』2日目のイベント終了間際でもこの賑わい!お目当ての植物やアイテムを見つけるべくいろいろなブースを回るみなさん、とっても楽しそう(Lmaga.jp編集部撮影)

5月23、24日、「京セラドーム大阪」(大阪市西区)は、各地から集まった人たちがベクトルの異なる2つの催しで、熱く盛り上がっていた。ひとつは、若い女子たちを中心とした、K-POPグループ・SEVENTEENの「ファンミ」(アリーナで開催)。もうひとつは、植物をディープに愛する人たちによる『第六回 天下一植物界』(スカイホールで開催)だ。

撮影したり、グッズを交換したり、若い女性たちで大賑わいの「京セラドーム大阪」。人混みをかき分けぐんぐん進み、いざスカイホールで開催される『第六回 天下一植物界』へ(Lmaga.jp編集部撮影)

◆ 2日間で約8000人が来場!あらゆる「植物ラブ」な人が集う『天下一植物界』とは?

「なんだこれは!?」入場すると即、パンチのある植物たちの展示コーナーからスタート『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

『天下一植物界』とは、珍奇植物や多肉植物、食虫植物…さまざまなジャンルの植物や、グッズ、関連商品の展示即売などを行う、関西最大級の総合植物イベント。

珍奇植物や多肉植物、食虫植物、生花などなど、多種多様、幅広いジャンルの植物たちが並ぶ。ディスプレイも初心者向けにわかりやすいものもあれば、尖ったものまでさまざま『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

今回の『天下一植物界』には、79のブースが出展。販売だけでなく、研究者やクリエイター、植物園など多方面の「植物ラブ」な人たちを巻き込み、講演会などの企画も開催。過去最大規模の開催に、2日間で約8000人が来場する大盛況ぶりだった。

ウツボカズラのペン立て、ハエトリソウのぬいぐるみ、ビカクシダなどの着生植物を飾るオリジナル着生板…植物だけでなく、偏愛植物グッズも多数並ぶ『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

基本的には、無料で入場できるイベントながら、4000円がかかる初日の「優先入場」には500人以上が並び、「少しでも早く植物に出会いたい!」という極めて熱心なファンが大勢いることがうかがえた。

「浦部陽光園」の盆栽やサボテンを熱心に品定めする人たち。こちらは家族連れなど幅広い客層『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)
「浦部陽光園」の数ある植物の中で、「初心者におすすめなのは、ネムノキやガジュマルあたり」とのこと。ネットで植物が買える時代だが、専門家に気軽に質問や相談ができるのも、リアルイベントならではの良さ『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

また出展者には、台湾など海外勢も多数。海外から来る来場者も増えてきていると言い、プロ・アマ問わず、世界中の愛好家が集う植物界隈の「フェスティバル」だった。

台湾発のビカクシダやラフレシアの刺繍バッジや、ぬいぐるみを販売『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)
個性的な鉢や、ユニークな植物偏愛グッズを制作したポタニカルの奥村さんファミリー「赤玉土の枕カバーって、どいうことですか!?」本人とも交流できるのがこうしたリアルイベントの楽しさのひとつ『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)
イベントオフィシャルグッズも会場で販売していた「鉢内安全」など、植物愛好家ならではの切実な思いが詰まった「お守り」は即完売。『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

◆ 関西の「変態植物文化」の背景にこの人あり!?植物探検家・長谷圭祐さん

この方こそ元祖「変態植物倶楽部」な、大阪の植物探検家・長谷圭祐さん。熱帯雨林に自生する、ジメジメ系植物の第一人者『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

仕掛け人は、大阪・枚方出身の植物探検家・長谷圭祐さん。近畿大学在学中から東南アジアを中心に世界中の熱帯ジャングルへ赴いては、未知の植物を探す生活を送る。その様子は、『クレイジージャーニー』(TBS系)でも取り上げられ、珍奇植物をテーマにした番組『変態植物倶楽部』(テレビ大阪)では植物監修を務める。

長谷圭祐さんが手がける、世界の珍しい植物を目当てにイベントを訪れる人も多い『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

それと並行し、関西を中心に、熱帯植物・珍奇植物を中心とした『BORDER BREAK』(2012年~)や、今回取材した総合植物イベント『天下一植物界』(2019年~)といった独自のイベントを継続的に開催することで、植物ファンの裾野を広げる活動を行ってきた。

「アグラオネマが今回も人気がありました。アロイド系のブームは続いています」と長谷さん。幅広い来場者がいる中で、長谷さんのブースは大人の男性が多め。皆サトイモ科の小さな植物を、熱心に品定めしていた『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

長谷さん自身も「LA 雨林園藝」の屋号で、イベントに出店。入場開始直後から、長谷さんのもとを訪れる人たちが途切れることなく続いていたが、接客がひと段落した合間にお話を聞いた。

◆ 植物界隈「西は変態が多い」説は本当?長谷さん&ボタニカルゴリラさんに聞いてみた

「確かに関西は熱量が高く、マニアな感じの人が多いのかも」と長谷さん。「『こんな世界があるよ』と、より多くの人たちに知ってもらいたくて始めた総合植物イベントなので、必ずしもマニア向けのイベントではないんですが、今回はドームという場所柄、ふらっと立ち寄るというより、目的があってくる人がほとんどなので、購入率も非常に高く、高額なものも売れています。初日はこちらの来場予測を遥かに上回る人数で驚きました」

なかなかお目にかかれない希少な植物が、日本だけでなく世界から集まる。10万円以上する、高額な商品でも、ほしいものを買う。そんな気合の入った人たちなので、優先入場が大人気なのもうなづける『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

今回、同イベントに「acu’s forest」ブースのサポートという形で参加した、関東在住のビカクシダ、アンスリウムなどの植物を愛する、ボタニカルゴリラさんにも聞いてみた。

「本当に住んでるの!?」と聞かれるほど、植物に埋もれるような部屋に住んでいることで知られるボタニカルゴリラさん。イベントでは「目の保養になる植物がたくさん見れて、SNSでしかつながってない人たちとも初めてフェイスTOフェイスで楽しく交流ができた」と笑顔で話す『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

「関東にもいろいろな植物イベントがありますが、ガーデニングが中心だったりして、全体的にもっとライト層が多い印象です。客層が違うと思いますね、関西は若い人が多い。各分野のディープでニッチな植物専門店をこんなに集めて、この規模で開催している『天下一植物界』はヤバいですよ。改めて、関西の植物熱はすごいなと感じました」

「acu’s forest」のアンスリウムのディスプレイ。芸術的な美しさに、足を止める人たちが多数『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

◆ テレビ番組『植物変態倶楽部』もリアルイベント開催…番組の仕掛け人に聞く

植物偏愛番組『植物変態倶楽部』シリーズ。YouTubeやTverなどでの配信も行い、SNS等でも「さすがテレビ大阪、マニアックだ」と好評を得た。また、実際に出演者たちも植物にハマり始めているそう『第六回 天下一植物界』(Lmaga.jp編集部撮影)

「テレビ大阪」の植物偏愛番組『植物変態倶楽部』シリーズのプロデューサー・石田雄作さんにも聞いてみた。2025年に一ノ瀬ワタルさん主演の連続ドラマと、2026年にひょうろくさん出演の旅番組という違うスタイルで放送されている『植物変態倶楽部』は、「ニッチすぎないか…?」と思いきや、YouTubeショートが650万回以上再生されるなど、人気番組となった。

「植物界隈の『西高東低』は、たしかにあるかもしれないですね。その背景には、今のような植物ブームがくるずっと前から10年以上、関西でリアルイベントを開催して布教し続けた、長谷さんの存在が大きいと思います。私自身もこのイベントが好きで足を運んでいました。そしてとうとう、珍奇植物のドラマ&ロケ番組まで作ってしまったくらいですから…」

そんな石田さん、当初の予想を上回る番組に対する各方面からの反響を受けて、今度は初めて珍奇植物主体のリアルイベントも企画してしまった。

今回は、番組の植物監修を担う長谷さんと、『植物変態倶楽部』ドラマ版の「主人公の部屋」に住む植物愛好家・ボタニカルゴリラさんに、出店のキュレーションを依頼。ふたりが厳選した珍奇植物など、ちょっとニッチなお店が約20店舗が登場予定だ。関西最大級の爬虫類イベント『レプタイルズフィーバー2026』内のスペシャル企画として、大阪に登場する。

番組の植物監修を担った長谷さんとプロデューサーの石田さん『第六回 天下一植物界』にて。「今日も『変態植物倶楽部』観てます、といろいろな人から声をかけられてうれしかった」と石田さん(Lmaga.jp編集部撮影)

ボタニカルゴリラさんは「なかなか関西でイベントをする機会が少ない関東勢が多めのセレクトになりました。本当に信頼できる人しか呼んでないです。出展者も来場者にも楽しんでほしいと思っています。期待してください!」と語る。また、ボタニカルゴリラさん自ら、ビカクシダの板付けワークショップも開催を予定している。

長谷さんは、「今回、ボタニカルゴリラさんと一緒に、ということで、自分のイベントだと趣味家と絡む機会は少ないので、楽しみです。それぞれが選んだ店舗は人脈的にもかぶらないと思いますし。爬虫類イベントと同時開催なので、トゲ系のいかついブロメリアなどの植物との相性が良さそうで、おもしろくなりそう」と話す。

『植物変態倶楽部 FES Vol.0』は、2026年7月4日、5日10時-17時。「大阪南港ATCホール」(大阪市住之江区)で開催。『レプタイルズフィーバー』内で開催。詳細は公式サイトで確認を。

また、『植物変態倶楽部 FES Vol.0』以外にも、「阪急百貨店」(大阪市北区)で開催される『Hankyu GREEN EXPO 阪急 植物博覧会』(6月24日~29日)、「植物界のレジェンド」西畠勲造さん率いる「花宇宙」(川西市)『水と緑 第27回ドリームガーデン』(7月10日~12日)など、関西では注目の植物イベントが続々開催。気軽にイベントに参加して、あなたも『変態植物倶楽部』へ入部してみては?

取材・文・撮影/Lmaga.jp編集部

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