蜷川実花「枯れることも美しい」…京都で新たな作品、花で“生と死”を表現

開幕前の会見に登壇した蜷川実花氏
2月1日から梅の名所「北野天満宮」(京都市上京区)で開催されるイベント『KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026-時をこえ、華ひらく庭-』。同企画を手がけた写真家・映画監督の蜷川実花が、作品への思いを語った。
■ 「枯れる=ネガティブではない」との思い

日本の美や文化を発信し、10周年を迎える同イベント。今回は数多くの花や植物などをモチーフにした「命の儚さ」を表現し、現代美術家としても活躍する蜷川が参画。歴史が息づく「北野天満宮」を舞台に、季節の移ろいを感じさせるようなインスタレーションや舞台と客席の垣根がない没入型「イマーシブシアター」も開催される。
梅苑には、木々に吊り下げられ、キラキラ輝く約1200本のクリスタルが登場。この『光と花の庭』について蜷川は「パーツは夜なべしてすべて手作り」と思い入れを語り、「風に揺れたり、夕日のピンクなど光を受けて刻一刻と印象が変わる作品。梅の開花状況でも印象が変わっていきます」と、訪れる度に唯一無二となるアートを生み出し、初めて本物の植物とアートの融合に挑戦した。


一方、もみじ苑にある茶室・御土居 梅交軒で展開される『残照』は、蜷川の十八番ともいえる極彩色の造花が咲き乱れる作品。蜷川は「この歴史ある場の力を借りて、『こういう物が見たかった』というやっと最高傑作になったのでは」と自信たっぷり。
注目すべきは、屋内外に落ちている椿。「元々、ポタポタ落ちる椿に関心があり、造花をエイジング加工しました。咲き誇る花と、落ちて枯れていく花で生死を表現し、人生と同じで枯れることはネガティブなことではない。枯れる部分にも美しさがあると思うのです」と作品の核を明かした。

■ ダンスとの新たな化学反応も

会見には蜷川とともクリエイティブチーム・EiM(エイム)に所属し、同企画に参画したエグゼクティブディレクターの宮田裕章も同席し、「文化や祈りが紡がれたこの場所でやる意味を考え、歴史や自然と共鳴するように」と言及。自身が手がけた『大阪・関西万博』でのパビリオンの反響を受け、「万博でのクリスタル作品の展示は混雑が続いたので、今回の新作は多くの方に見てもらいたい」と呼びかけた。
さらに、会期後半からはEiMによる舞台美術の空間で、ダンサーらが縦横無尽にパフォーマンスを繰り広げるイマーシブ公演『花宵の大茶会』も開催。テーマは約400年前に「北野天満宮」で豊臣秀吉が開催した伝説の茶会で、蜷川は「今日の打ち合わせでも、新しい化学反応でおもしろいものになると確信しました」と笑顔を見せ、「まだ全力投球できるこんなに楽しいことができて、エキサイティングな日々」と期待を寄せた。
『KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026-時をこえ、華ひらく庭-』インスタレーション開催は2月1日~5月24日(休業日あり)。9時~20時30分(最終受付は20時)、料金は大人3000円ほか(茶菓子付き)。イマーシブシアター開催は3月20日~5月24日(休演日あり)、時間は公式サイトで告知、料金は平日・1万1000円~、土日祝・1万2000円~(インスタレーション鑑賞も含む)。
取材・文・撮影(一部)/塩屋薫
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