万博カナダ館でミステリーハント、赤毛のアンの家に一角獣…仕掛け多数

タブレットをもってカナダパビリオンの氷山をあちこち探検しよう(撮影5月20日:大阪・関西万博)
開催中の『大阪・関西万博』で、「ここめっちゃ楽しい!」「子どもが大はしゃぎしてた」と展示が好評なのが、カナダパビリオン。目印は、「CANADA」の赤い文字が映える、氷山のような涼しげな建物。このパビリオンを体験し、館長である、ローリー・ピーターズさんにも話を聞いた。
◆ ついつい長居してしまう…館長でも日々新たな発見があるほどの、仕掛けの多さ

大屋根リングに面した「エンパワーリングゾーン」内に建つ同パビリオン。事前に予約も可能だが、予約なしでも当日並べば先着順で入場できる。館内に入場すると持ち手のついたタブレットが渡され、まずは、カナダ東部・ケベック州の氷山が流れるセント・ローレンスリバーの水のなかへ。筆者もタブレットをかざしてAR(拡張現実)の水中に悠々と泳ぐサーモンを夢中で探してしまった。

次の部屋は、白く光る氷山が大小いくつも顔を出している幻想的な空間。ここでも氷山にタブレットをかざすと、カナダの自然や先住民、生き物、建物、オーロラなどが次々に出現する。犬ぞりの列や、アイスフィッシングをしている親子、さらにプリンス・エドワード島にある『赤毛のアン』の家、トロントやバンクーバーの建築…広いカナダの地域ごとの特徴を、知ることができる。

この映像は氷山の上だけでなく、天井方向や氷山の下、少し離れるとあらわれるものもある。一角獣や亀、カナダを象徴する動物・ビーバーなどは、ちょっぴり見つけにくい場所にあるかも。とにかく、いろいろな方向にタブレットを向けて探してみよう。

体験中に、たまたま隣にいた来場者に「それって何が見えているの?」と聞かれて、お互いに見つけたものを教え合う場面もあった。ARはひとりで楽しむイメージがあるが、みんなで一緒に探して、教え合うという楽しみ方もでき、来場者同士のコミュニケーションが自然と生まれる面白い展示になっている。

この展示はカナダ人アーティスト、ロベール・ルパージュ、スティーブ・ブランシェ、Mirari社のアートディレクションによるもので、言葉や文字での説明はあえて用意していない。そのため何を見るかは人により、その人だけの体験ができるようになっているそう。


カナダの各州やエリアごとの特徴を知れば、出てくる映像の意味がわかってもっと楽しめるので、「あれはなんだったんだろう?」と思ったら調べてみるのもおすすめ。また、スタッフに聞けばていねいに教えてもらえる(こちらのスタッフは全員カナダ国籍)。

館長のピーターズさんは「私も展示を見るたびに、こんなところに!って新しいものを見つけるんです。まるでミステリーハントみたいね。当初このパビリオンの滞在時間は15分くらいを想定していましたが、実際みなさん30分くらいいますね。だから当館の1日の入場者数は、予定の半分くらいになっています。でも、みんな全部見たいですよね。だから時間がかかっても大丈夫です、じっくり楽しんで欲しい」と笑顔で話す。
「日本のみんなも好きな『赤毛のアン』、メープルシロップ、ナイアガラの滝、オーロラもあるけど、それ以外の新しいカナダも見せたいですね」とピーターズさん。

◆ 期間中にカナダからさまざまなジャンルのアーティストが続々来日
また、注目はカナダパビリオンが期間中に用意している120のプログラム。建物中央のオープンスペースにはステージがあるので、音が鳴っていたら、ぜひのぞいてみよう。ほぼ毎日ステージプログラムが行われている。取材日にはカナダの音楽グループ・Le Diable à Cinqが演奏していて、伝統的なケベックのフォークミュージックにあわせ、老若男女がノリノリに手拍子をしていた。大屋根リングの上でこのステージを楽しんでいる人たちも。


このLe Diable à Cinqの演奏は5月23日19時30分からも開催予定。また、同日にカナダ先住民のフィドル奏者で歌手のMorgan Toneyのステージも「ポップアップ北」に登場する。24日には、アニメ『アン・シャーリー』特別上映、そしてバンクーバーとアイルランドを行き来しながら活動しているシンガーソングライターNdidi Oのライブも予定し、プログラムが目白押しだ。

そして注目は、8月に予定している、消滅の危機に瀕している母語の楽曲で知られる、カナダ東部の先住民・Neqotkuk族の一員で民族音楽学者でもあるJeremy Dutcherさんの特別ライブだ。今後の予定は公式サイトで確認を。
取材・文・写真/太田浩子
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