俳優の大竹しのぶが、２１年ぶりの一人芝居に挑む舞台『ヴィクトリア』。演出の藤田俊太郎が大阪市内で会見を開き、東京公演での「手応え」を交えながら、本作の見どころを語った。

■ 「とても鮮烈で、悲しくて美しい」

映画監督と並行して、劇作家・演出家としても活躍した巨匠イングマール・ベルイマンのなかでも、海外上演の機会がほとんどなかった同作。母親からも夫からも、満足な愛を与えられなかった女性の半生が、彼女の回想という形で、約７０分に渡ってたっぷりと語られる。

「つらいだけではなく、今のこの世界を勇気づけるような力に満ちあふれた作品。大竹さんが演じることで、とても鮮烈で、悲しくて美しい、舞台でしか表現できない作品になりました」と語り、特にラストシーンは「今描くべき女性のすべてが入った、本当に大竹さんにしかできないという、例がないものになっています」と自信を見せた。