マシンガンズのもうひとつの才能、靴丸洗い洗濯ネットを発明

2023.6.9 07:15

上履き用のベルトが付いており、上履きのゴムベルトまでしっかり洗うことができる「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」

(写真7枚)

5月20日に放送され、注目を集めた芸歴16年以上の芸人が対象の漫才コンテスト『THE SECOND ~漫才トーナメント~』。そこで準優勝だったコンビ・マシンガンズの西堀亮が、予想外の角度で活躍を見せている。

西堀が本業の芸人以外に力を入れているのは、なんと「発明」。コロナ禍でできた空白期間をきっかけに取り組んでいた発明が、正式に「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」として発売が決定した

開発に関わったのは、大阪のプラスティック加工会社「旭電機化成」(本社:大阪市東成区)の子会社として独自の製品を開発・販売する『スマイルキッズ』。これまで数々の発明品を生み出してきた同社の原守男専務に、経緯と製品のこだわりを訊いた。

■ 発売まで約2年をかけて開発

熱戦を繰り広げた『THE SECOND』の翌日である5月21日、有吉弘行のラジオ番組『SUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)で初披露され、現在予約が開始されている同製品。すでに500件以上の予約が入っているという。

極厚ネットが衝撃を和らげ、騒音低減効果がある「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」

上履きやベルトなど、洗濯機で洗うとゴロゴロと音が鳴るアイテムを、騒音をカットしつつ効果的に洗濯できるという優れものだ。発売まで約2年をかけて開発したこともあり、音を抑えるためのクッション性素材や、洗いにくい上履きのバンド部分もしっかり洗濯できる特製ベルトなど、細部までこだわっている。

「芸人発の製品」というイメージからかけ離れた、いたってマジメな製品はどのように生まれたのだろうか。

■ コンテストに初出品、いきなり「優良賞」を受賞

西堀の発明が評価されたのは、2020年におこなわれた発明学会でのコンテスト『第24回 身近なヒント発明展』でのこと。毎年多くの発明家たちが参加する同コンテストでは、結果にかかわらずアイデアが良ければ製品化のチャンスがある。

西堀は、靴を洗うブラシと洗った靴を干すハンガーが一体となった「靴ブラシハンガー」を出品。このアイデアが初出品にして見事「優良賞」を受賞し、さらにコンテストの協賛企業である同社の目に留まった。

とはいえ、試作品の段階では使いにくく、似た商品がすでに存在することが明らかに。製品の形態を変えて試行錯誤するうち、原点である「靴を洗って干したい」という目的にふたたび行き着いた。

そこでもっとも洗う回数の多い靴を調べたところ、子どもが使う「上履き」だということが判明。忙しい子どもの親を助けるため、「服と同じように、手軽に洗濯機で靴を洗える製品」というコンセプトが固まったという。

「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」

原専務は「西堀さんの発明品は、いわば鉛筆と消しゴムを合体した『消しゴム付き鉛筆』のような、1プラス1が2になる『開発の基本』といえるものだと感じました。これは面白いと思い、製品化を検討することに。そのときは、まさか芸人さんとは知りませんでしたね」と振りかえる。

『THE SECOND』で活躍する前に、実は発明コンテストでも才能を見出されていた西堀。今後も新たに生み出される発明品に注目だ。「静音 くつ丸洗い洗濯ネット」は1738円で、楽天市場などで予約販売されている(6月下旬入荷予定)。

取材・文/つちだ四郎

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