藤山直美「今は劇場が大変やと思う」、エンタメ完全復活に期待

2023.5.10 20:45

松尾波儔江 三十三回忌追善『泣いたらあかん』で主演をつとめる藤山直美(9日・大阪市内)

(写真8枚)

大阪を代表する喜劇役者・藤山直美が女座長を演じる人情喜劇『泣いたらあかん』。5月末から「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)で開催される公演に向けて、藤山と共演者たちが一同に介した会見が、5月9日に大阪市内でおこなわれた。

■ 「ストレートに観ていただけるお芝居」(藤山)

藤山が演じるのは、劇団「大和なでしこ」の女座長・川路鹿子(かのこ)。役者として舞台で大きな喝采を浴びる一方で、父親や夫、腹違いの妹との関係に苦悩する姿も同時に描かれる。これが3度目の上演となるが、藤山以外の出演者は一新されるうえに、脚本も家族ドラマ色の強い形に改訂されたため「まったくの新作」と藤山は語る。

藤山は本作を「人間の陰陽がいっぱい描かれた、ストレートに観ていただけるお芝居」と評し、ここで描かれる家族については「何年か前は『そんなひどい話あるの?』と思いましたが、この歳になるとそれぞれの人に言い分があって、誰も悪人がいないと解釈できるようになりました。だから、今回のお稽古の方が楽しいですね」と心境の変化を明かした。

『泣いたらあかん』は、「新歌舞伎座」と縁の深い元女優・松尾波儔江(はずえ)をモデルにした作品

■ 藤山流の体調管理とは? 「なるべくナチュラルに」

現在は「体調管理はしますけど、なるべくナチュラルにして、野球観戦を楽しませてもらいながら過ごしてます(笑)」という藤山。今回ひとつ目標にしているのは、コロナ禍で劇場に行かなくなってしまった人たちを、再び劇場に呼び戻すきっかけになることだとも。

共演の南野陽子(中央右)と楽しげに撮影に望む藤山直美(9日・大阪市内)

「特に、私の芝居をよく観てくださる(高い)年齢層の方が、劇場に行かないクセが付いてしまったと思うんです。まずは足を運ぶ習慣から、戻していただかなあかん・・・というのが、ひとつのワードだと思います」と熱く語る。

さらに「今は劇場さんが、本当に大変やと思う。役者は劇場のみなさんに感謝しながら、舞台で自分の役目を果たさせていただきたいし、この興行が『また劇場に行こう』と思ってもらえる、その扉をちょっとでも開くことできればと思います」と抱負を述べた。

藤山以外には、榎木孝明、南野陽子、仁支川峰子、石倉三郎、内場勝則、金子昇などが出演。チケットは1階席1万3000円、2階席7000円ほかで、現在発売中。

取材・文/吉永美和子

松尾波儔江 三十三回忌追善『泣いたらあかん』

会場:大阪新歌舞伎座(大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13 YUFURA6階)
期間:5月28日(日)~6月20日(火)
料金:1階席 1万3000円、2階席 7000円、3階席 4000円、特別席 1万5000円

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