「ダウンタウンの発掘はたまたま」よしもと大崎会長の人間力

2023.4.26 07:30

吉本興業ホールディングスの大崎洋会長

(写真8枚)

吉本興業ホールディングスの大崎洋会長といえば、ダウンタウンの育ての親、松本人志との約束、今の吉本興業を築き上げた・・・、数々の逸話を残す「お笑い界のドン」。

約2年越しで上梓したという著書『居場所。』は、そんな彼がこれまで見てきたこと、感じてきたことを、「自分でもこうやって生きてこられたんだから」と諭すように書かれた、ある種の自己啓発本。しかし、幼少期からダウンタウンとの出会い、会社のお家騒動まで、大崎氏しか知らない事のいきさつや当時の心境まで綴られている、暴露本の一面もある。

その中身は手にとって読んでもらうとして、松本人志をはじめ多くの芸人やスタッフらから慕われる大崎氏とは何者か? 独占インタビューで話を伺うと、その一端を垣間見た気がした。

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

■「アホな子やった」という子ども時代

大崎洋会長の著書『居場所。』のまえがきには、「孤独を抱えている人、居場所を探している人の役に立てたら」と書かれている
大崎洋会長の著書『居場所。』のまえがきには、「孤独を抱えている人、居場所を探している人の役に立てたら」と書かれている

──『居場所。』を拝読すると、大崎さんはご自身のことを低く評価されていた印象でしたが。

アホな子やったんですよ。小学生の頃の写真を見るとほとんどの写真、口開いてるねん。学校の写真も、年に1回親父やおふくろや姉ちゃんと行くピクニックの写真も、海水浴も、全部口開いてるねん。

──だからといって、何も考えてなかったわけではないですよね?

いや・・・。何も考えてなかったと思う。ただ、子どもはみんなそうやけど、子どもなりに感じてることはあったと思う。感じてはいたけど、考えてはいなかったかな。何考えてんのかわからんとか言われるのは、ただ単に何も考えてなかったんやろ(笑)。

──そんな風に周りから思われたりして、自分を変えようとは思わなかったのですか?

まったく思わなかったですね。学校の成績とか、小学校も中学校のときも「あの子はクラスで一番や」とか先生に言われても、「そりゃそうやろ、あの子はずーっと勉強してんねやから。そりゃ学年で1番になるんちゃう。おれ勉強したことほとんどあらへん。え、なんで? それがどうしたん」っていう感じ。

──当時は何に興味があったんですか?

別に何も興味なかった(笑)。そんな子、おるんちゃうやろか・・・。今日の晩ご飯のおかず何? とかそんなことには興味あったけど。あとは、僕の小学校の頃は貸本屋さんってあって。少年ブック、冒険王、ぼくら、少年画報、少年マガジン、少年サンデー、少年キングと少年雑誌が出て、同時にさいとう・たかをさんの劇画が始まって、つげ義春が出てきて・・・みたいな頃に、毎日ずーっと貸本屋さんに行ってた。おばちゃんと仲良くなって、全部タダで読ませてもらって。

──ホントは1冊10円くらいで貸してるんですよね。

全然覚えてないけど、1泊2日で・・・10円もしてなかったと思う。だって、たこ焼きが10円で15個のときだから(笑)。散髪は80円。僕は堺の刑務所の近くに住んでたから、刑務所の官舎の散髪屋さんに行ったら5円。おかあちゃんに100円もらって、そこの散髪屋さんで5円でしてもらってた。そんな時代やからなぁ。

──めっちゃ賢いですね。

そこは賢いな(笑)。

──高度成長期で、物価の上昇が激しかった時代ですよね。

昨日より今日、今日より明日の方が、みんなお金持ちになって、楽しいことがいっぱいあって、明るい未来が開けてるんや、って日本中の人たちが思ってた頃やから。今の失われた20年とか30年の、右肩上がりを全く知らない若い人や子どもたちにホントに申し訳ないと思うね。

──その世代に話を聞くと疲弊感しかないようですしね。

うん。経済的な右肩上がりはがんばればええけど、そうじゃなくて、「今日も1日ご飯おいしかったし幸せやなぁ」とか、「明日もええこと探そう」とかいうくらいの気持ちには若い人や子どもにはなってほしいね。僕のときはそうやったからね。

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