森山未來が出身地・神戸とディープに対話、思い描く「理想」は?

2023.3.21 20:15

『KOBE Re : Public Art Project』のメインキュレーターをつとめる森山未來(左)と参加アーティストのひとり・内海昭子さん(右)

(写真5枚)

■ 「神戸に対する解像度、すごい上がってないか?」(森山)

2021年の中頃から、神戸での活動に精を入れる森山。「あくまで長期的に」と、神戸のポテンシャルを感じながら積極的に動いているが、現段階での手応えはいかがなものか。

『KOBE Re : Public Art Project』の未来について、そして神戸のあるべき姿について話す森山未來

──森山さんにお訊きしたいのですが。このプロジェクトには登場キャラクターが多いのが魅力のひとつで、「廃屋ジャンキー」と呼ばれている西村組の西村周治さんだったり、茅葺屋根の職人・相良育弥さん、純喫茶「喫茶ポエム」のオーナー・山崎俊一さんなど、さまざまなジャンルで活動されている神戸の方々も多かったと思います。

森山「ここ数年の神戸でのリサーチのなかでさまざまな出会いがあり、このプロジェクトに結集してもらっています。僕にとっては神戸のアベンジャーズです(笑)。僕の立場としては、地元の人たちとアーティストをつないでいき、そのプロセスのなかでどういうことが起こっているのかを知る必要があった」

「さらにアーティストというのは、強度のある素晴らしい作品を創作するためにそれぞれに独自の視点を持っていて、その視点を元に神戸をどんどん深掘りしていく。そんなみなさんのリサーチをフォローアップしていった結果、『自分の神戸に対する解像度、すごい上がってないか?』 って(笑)」

一同「(笑)」

森山「みんなの知識や情報が自分に集まってくるから、解像度が上がり過ぎてもはやこれはアウトプットできないのではないかとすら思いますね」

このインタビュー場所もプロジェクト内で使われた場所のひとつで、メリケンパーク(神戸市中央区)近郊の倉庫

──神戸でのダンス作品制作や映画撮影、2022年4月にはアーティスト・イン・レジデンス・神戸「AiRK」の設立と、この1年は神戸で新たな風を吹かせるべく、さまざまな活動をおこなってきました。なにか肌で感じる手応えみたいなものはありましたか?

森山「まだまだこれからですね。パフォーマンスに関しては本番というゴール地点がありますが、アーティスト・イン・レジデンスに関しては立ち上げた時点ではゴールにならない。10年以上続けていけるかが肝で、このプロジェクトもそう。まだ『何かが変わった』って思っちゃいけないとは思います。ただ、そもそもない使命感みたいなものが自分のなかに立ち上がってくるとしんどいので、あくまで自分のなかで感じられる神戸の風を楽しんでいければいいなと思いますね」

内海「このプロジェクトは今後もずっと続いていって、いろんなアーティストが入ってきて、それこそ解像度を上げていく作業が仕上がっていくのを、神戸市民として楽しんでいきたい。絶対おもしろい街になる」

──こうしたさまざまな人が関わり合うからこそ、生まれるなにか。楽しみにしています。

森山「普段では持つことのないような視点を提案していく。これはこのプロジェクトだけに限らず、ダンスや演劇、アート、それぞれが同じ役割として持っているものでもあります。その視点は地元の人や外の人に対して開かれていき、鑑賞者、あるいは観光者にも伝播して、そうやって神戸という街への視点が、複合的になっていくとおもしろいなと思います。そのときに初めて『ただポートタワーを見に来るだけの神戸じゃない』ということが立ち上がってくるんじゃないかな、と思います」

『KOBE Re:Public Art Project』初年度の会期は3月19日をもって終了したが、今後もさらに神戸が「おもしろい街」へと進化を遂げるべく、長い目で見守っていきたい。参加アーティストの詳細など、詳細は公式サイトにて。

取材・文/Lmaga.jp編集部 写真/バンリ

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