大河ドラマ「俺のおもちゃ」発言に騒然、岡田信長が絶好調

2023.1.17 06:45

大高城に向かう織田信長(岡田准一)(C)NHK

(写真2枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。1月15日の第2回「兎と狼」では、松平元康(のちの徳川家康)と織田信長の過去の因縁が描かれたが、相変わらずの信長のインパクトの強さに、視聴者は大いに盛り上がった(以下、ネタバレあり)。

■ 自害しようとした元康、信長との過去を思い出す

総大将の今川義元(野村萬斎)が討死し、元康(松本潤)が大高城で身の振り方を迷っている間に、城が織田信長(岡田准一)の軍勢に囲まれてしまう。いよいよ判断を迫られた元康は、自らの幼少期に思いを馳せていた。

寅の年、寅の日、寅の刻に生まれ「寅のごとき猛将となる」と、父・広忠(飯田基祐)と母・於大(松嶋菜々子)に期待された元康=竹千代(川口和空)は、味方の裏切りで織田家の人質になってしまう。織田信秀(藤岡弘、)から、今川と手を切るよう迫られた広忠だが、その要求を拒否。竹千代は見せしめとして、首をはねられることになった。

そこに「こやつは俺のおもちゃだ。生かしておけば使いみちもありましょうぞ」と救いの手を差しのべたのが信長だった。しかし信長は竹千代を相手に、仲間とともに乱暴な相撲を取るばかり。「白兎」扱いされ、乱暴に投げ飛ばされる竹千代は「地獄じゃ」とつぶやく。それに対して信長は「そのとおり。この世は地獄じゃ!」と笑いながら応えるのだった。

駿府で夫・元康の無事を祈る瀬名(有村架純)(C)NHK

幸い信長の包囲網はすぐにとけ、元康らは大高城から撤退するが、松平昌久(角田晃広)の裏切りにあい、菩提寺の大樹寺に逃げ込む。判断を誤ったお詫びと、自分が死ねば家臣たちは助かるという考えから、自害しようとした元康だが、そこで信長に初めて歯向かった日のことが頭をよぎる。

信長に「弱ければ死ぬだけじゃ! かかってこい!」と挑発された竹千代は、突如反撃して抑え込むことに成功。「兎ではない、寅じゃ!」と言う竹千代に、信長は「その目じゃ! その目だけは忘れるな」と返した。その言葉を思い出した元康は寺を出て、自分を討てば岡崎の兵と今川家を敵に回すと昌久を脅し、道を開けるよう命令する。

この気迫の叫びが味方を鼓舞し、敵をひるませ、元康は無事に岡崎城に戻ることができた。しかし元康は知らなかった。本当は自分は寅年生まれではなく、年をまたいで兎年に生まれてしまったが、於大が「兎などいけませぬ。狼に狩られてしまいます」と言いくるめて、寅年生まれということにした事実を──。

■ パワーワードが炸裂、岡田准一演じる織田信長

人質時代の家康と信長の関係性は、割と良好であったという解釈で描かれることが多く、前回の戦国大河『麒麟がくる』(2020年)での、サイコパス度が大河歴代最高な染谷将太の信長ですら、紳士的に接している。

なので今回のように、トラウマを与えるほどのバイオレンスなコミュニケーションを取っていた信長像は珍しい。しかしそれはイジメではなく、行き過ぎた「期待」と「愛情」の表現と解釈した方がいいのだろう。

実際SNSでも、「明らかに『とても大事にしてやったし、いろいろ教えた可愛い白うさぎ』と思ってる奴ですね」「竹千代にとってはトラウマでも、信長なりに気に入って鍛えてたのか? 愛情が歪んどる」「あんなコミュニケーションの仕方のくせに、自分が竹千代に好かれていると言う謎の自信がありそうでめちゃくちゃおもろい」などの声が。

そのゆがんだ愛情表現として「こやつは俺のおもちゃ」という、前回の「俺の白兎」級のパワーワードが炸裂するに至っては、「こういうセリフ、薄い本で見たことある」「僕の心のなかのBL審議委員会が動き始めた」「何この大河?? 平成BL名語録??」「2023年NHKぶっ飛ばしすぎですってばwww」とSNSが一気にざわついた。

https://twitter.com/nhk_ieyasu/status/1614819731663425541

■「圧が強すぎる」キャラ立ち織田家にSNS湧く

とはいえ、この「俺のおもちゃ」発言が出た竹千代救出シーンでの、信秀VS信長の親子対決の迫力には、震撼した視聴者が多かったよう。どちらも中の人は武芸の達人ということもあり、画面越しにもそのテンションはビリビリ伝わるほどだった。

この貴重な対決には「藤岡弘、と岡田准一の親子対決とか圧が強すぎる~」「スティーブン・セガールとドウェイン・ジョンソンが親子役をやってるようなもんだよな」「位牌に灰投げたら絶対『信長ァ!!』で蘇ってくるよ」などの声が上がっていた。

今は家康のトラウマの大きさを表現するために、ちょっと怖さを盛っている感もあるが、とにかくいちいちインパクトも腕っぷしも強すぎて、今年は本当に「本能寺の変」が起こせるのか? と心配になってくる。

SNSでも「本当に本能寺で討死するんか? コナン映画並みの爆発じゃないと生きてるぞ」「この信長、燃え盛る火の海からパルクールで出て来れるでしょ? どうする光秀!!」などの声がある一方、「いやいや対する明智光秀は酒向芳さんですよ! タダで済ますはずはないでしょう!」と、早くも期待する声が上がっている。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第3回『三河平定戦』では、織田と今川の板挟みに悩む元康の姿と、於大との再会が描かれる。

文/吉永美和子

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