閉店大売り出し!義村や上皇大活躍、最終回も小ネタ満載【鎌倉殿】

2022.12.21 06:45

のえ(菊地凛子)の薬草を入れた酒を義村(山本耕史)にすすめる義時(小栗旬)(C)NHK

(写真5枚)

三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時の生涯を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。12月18日の最終回「報いの時」では、最後まで期待を裏切らない三浦義村や、懐かしい人たちの登場など、閉店大売り出しといわんばかりのサービスも数多く盛り込まれた(以下、ネタバレあり)。

■ 後鳥羽上皇は流罪に・・・義村は衝撃の告白

後鳥羽上皇(尾上松也)と戦うため、自分たちから京に攻め入る決意をした義時は、息子・泰時(坂口健太郎)を総大将に指名。さほど勢力が集まらないと踏み、折を見て上皇側に寝返るつもりで泰時に付き従った三浦義村(山本耕史)の予想に反して、19万もの兵が集まり、激しい戦の末に京を制圧した。

後鳥羽上皇は、懇意にしていた義時の弟・時房(瀬戸康史)を通じて、自分は黒幕ではないと主張するが、上皇の祖父・後白河法皇(西田敏行)の二枚舌ぶりを知る義時はその手には乗らず、隠岐に流罪に。この決定が妥当かどうか悩む泰時や時房に対して、義時は「大悪人になったのは私だ。お前たちではない」と諭すが、その直後に倒れてしまう。

ちょうどその頃、運慶(相島一之)が義時をモデルにした仏像を完成させるが、それは顔が醜くゆがんだ異形の仏だった。「今のお前にうり二つよ」と笑いながら答える運慶を追い出し、その仏を切ろうとした瞬間、義時はまた失神。その原因は、のえ(菊地凛子)が出していた薬草に含まれた毒であり、それを手に入れたのは、義時が盟友だと思っていた義村だった。

義時は義村を呼び出し、のえの薬草を入れた酒を義村にすすめる。関与を疑われたことを察した義村は杯をあおり、自分の方がいろんな面で義時より優れていたのに、義時が最高権力者となり、自分が一御家人にとどまっていることの不満をぶちまける。しかしその酒が普通の酒であることがわかり、気の抜けた義村は、今後も北条を支えていくこと、そして自分が昔吹き込んだ「女子はみんなキノコ好き」というのは嘘だと告白する。

新しい武士中心の政を目指すと、時房(瀬戸康史)に伝える泰時(坂口健太郎)(C)NHK

体力の衰えを感じつつも、まだ抵抗を続ける西の勢力の粛清に躍起になっている義時に対して、泰時たちは父とは違う形で、新しい武士中心の政を目指そうとしていた。そのためにまずは、武士の守るべき定めをやさしく書き記した文章を作成。これがのちに、武家初の法令「御成敗式目」となり、泰時の時代は鎌倉で御家人の粛清は一切起こらなかったということが、ナレーション(長澤まさみ)で告げられるのだった──。

■ クセ者・三浦義村、生存成功! ラストシーンに反響

源実朝(柿澤勇人)の師匠でもあった、当時の一流歌人・藤原定家に「八難六奇之謀略、不可思議者歟」──要するに「わけのわからん人」と言われるほど、本人も相当なくせ者だったと思われる三浦義村。数多くの武将たちが次々と自滅・粛清で消えていくなか、なんだかんだで抜け目なく修羅の道を歩きわたり、最終話まで完走する数少ないキャラクターとなった。

演じる山本耕史は、三谷の初の大河ドラマ『新選組!』の土方歳三役を始め、シリアスもコメディも自由自在&謎に誇示される筋肉で、この義村の「不可思議者」な部分を体現し、毎週大きな話題を呼んでいた。演じた山本も「おもしろかったですよ。(略)ここまで最後まで一貫してる人ってあまりなかったので、そういう意味では本当に楽しいというか、やりがいがある」(公式インタビュー)と振りかえっている。

義時(小栗旬)の前で毒杯をあおる義村(山本耕史)だったが・・・ (C)NHK

今回もまた「承久の乱」で、ギリギリまで上皇方に付く気満々だったり、泰時の弟・朝時(西本たける)に「じじい」呼ばわりされて珍しくキレたりと、見せ場の多かった義村。とはいえやはり最後にして最大の見せ場となったのは、義時の前で毒杯をあおり、「本音を暴露したけれど、実は毒なんか入ってませんでした!」の、一連の流れだ。

SNSでは「『本当だしゃべれる』、一体なにを見せられたのでしょう盟友コンビめっ!」「平六(義村)はついに負けたと思い、小四郎(義時)はずっと信じてた。なんという関係性なんだろう」「裏切りを知っていても、友に毒を盛れるかどうか。小四郎が執権でいられたのはお前とそこが違うからだよ、平六」「最終回見て、あぁ、彼らは『お互いに相手になら殺されても構わない』くらいの仲なんだなぁ・・・って妙に納得した」と、荒っぽいけど良いところに収まった2人の友情に安堵する声が。

しかしその一方で、義時がずっと信じ続け、そしてひどい目にあってきた「女子はみんなキノコ好き」という思い込みが、実は義村が情報源であり、「あれは嘘だ」と告白してきたことについては、「待って、あれだけの修羅場演じておいて、最後に言い合うのキノコなの」「キノコが1番ショックな小四郎」「女子キノコ大好き説を信じたまま数十年どす黒い権力闘争をしていたと考えると、義時が愛おしすぎる」と、ツイッターのタイムラインは久々の「キノコ祭り」でにぎわった。

■ 尾上松也&市川猿之助の「TEAM歌舞伎」シーンにSNS爆笑

また承久の乱に失敗し、隠岐に島流しになってしまった後鳥羽上皇。本来なら非常に寂しいシーンのはずだけど、そこに、源頼朝(大泉洋)に決起をうながすための父親のドクロ(と言い張ったもの)を送った怪僧・文覚(市川猿之助)が現れ、「隠岐はいいところだ。一緒に暮らそう」と言って上皇に絡む。歌舞伎俳優同士の本気のコメディ芝居に、SNSは爆笑となった。

「生きておったのか文覚! 隠岐仲間が出来て良かったな」「文覚がまたおかしいこと言い出した」「絶対アドリブのやりとりやめてwww お腹いたいwww」「上皇の島流しがこんなおもろくていいんか」などと大盛りあがりした一方で、文覚が上皇の命令で流罪にされていたことを受け、「朝廷が気まぐれに利用したり使い捨てたりした人間の怨恨の概念みたいだな。ここにも『報いの時』がきたのか」という考察も。

トキューサこと時房(瀬戸康史)と、後鳥羽上皇(尾上松也)のシーンは毎回話題に(C)NHK

また2人がどちらも歌舞伎俳優というのを受け、「そういえば文覚と後鳥羽上皇様、猿之助丈と松也丈の共演だったんだな。歌舞伎座だったら豪華演目だぞ」「歌舞伎、観たことないけど、文覚と上皇様のやり取り見てたら歌舞伎ってこんな感じかなあと思った」「鎌倉殿歌舞伎が実現して、澤瀉屋(猿之助)さんがマッティ(松也)の頭に噛み付くのを見るまで死ねない」「この歌舞伎コント、M-1意識してるかな」という声もあった。

古沢良太脚本・松本潤主演の、次の大河ドラマ『どうする家康』は、1月8日よりNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。第一回『桶狭間でどうする』では、今川義元(野村萬斎)の元で人質として平穏に暮らしていた徳川家康(当時松平元康/松本)が、織田信長(岡田准一)との戦に駆り出され、そこでまさかの知らせが届いてしまう・・・という話を、15分拡大バージョンで放映する。

文/吉永美和子

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