三谷大河は3作目、山本耕史「あえて飛ばすキレ味が素晴らしい」

2022.12.10 19:45

山本耕史演じる三浦義村 (C)NHK

(写真2枚)

三谷幸喜脚本・小栗旬主演で、鎌倉幕府二代執権・北条義時を中心に描く大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。いよいよラストスパートとなってきたなか、最終章のキーパーソンである三浦義村役・山本耕史のリモート取材がおこなわれ、三谷幸喜の脚本について語った。

三谷作の大河ドラマは『新選組!』(2004年・土方歳三役)、『真田丸』(2016年・石田三成役)と出演し、本作で3作目となる山本。

三谷の脚本について、「やっぱり腕に磨きは確実にかかってますよ。スピード感、それからあえて『飛ばす』部分の切れ味。たとえば、弁慶の立ち往生を描かず、館のなかの義経と義時の会話を見せる、みたいな『そのとき彼らは何をやってたんだろう』というところを面白く描くのが三谷さんらしいというか。良くも悪くも視聴者の期待を裏切っていく斬新さっていうのかな。これは三谷さんしかあまり僕は見たことがない」と分析する。

「なぜか義村が脱いでいる」と話題になった第42回のシーンについては、「僕は台本通りで、イッチー(市原)がアドリブだった」という衝撃の事実を暴露 (C)NHK

毎週人が死ぬというシリアスなストーリーにも、クスッと笑わせるコメディ部分を織り交ぜる三谷脚本。山本は「おそらく三谷さんにとっては、ああいうシーンこそ『持ってこい』な瞬間なんだと思います」と話す。

第21回で義時の最初の妻・八重が川で亡くなったシーン(側にいた義村がなぜか上半身だけ脱いでいた)を挙げ、「三谷さんに『これ僕脱ぐ必要あります?』って一応聞いたんですよ(笑)。そしたら『見てる人の視線をこっちでごまかしたいんだ』って。重たくなりすぎる場面なので、ちょっと義村の裸体で気を逸らしたいっていう。すごい、そこまで計算できるんだって思いましたね」と、SNSで話題となったシーンの裏話を明かした。

約1年半もの間、三浦義村という役を演じ、「三浦存続という思いが一貫していてブレない人物。演じていてすごく気持ちよかった」と話した山本。「僕自身も台本を読みながら、最後の最後までどっちに転ぶのか全くわからなかった。でも義時と2人の最後のシーンは非常に面白い幕の閉じ方をしていまして。ある意味義村っぽくないなと思った瞬間、義村っぽいし、手のひらを返していく感じが爽快でした。僕もすごく楽しみにしています」とコメントした。

『鎌倉殿の13人』の放送はNHK総合で毎週日曜夜8時から、BSプレミアム・BS4Kでは夜6時からスタート。「ある朝敵、ある演説」と題する第47話(12月11日放送)では、鎌倉幕府の将軍の地位をめぐる内紛が、幕府と朝廷との溝を深めていく。

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